作成日
:2019.11.29
2021.08.31 15:29
米国の大手取引所であるCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104
)【以下、コインベースと称す】が、AIや機械学習技術を搭載した新しいコンプライアンスソリューションに関する特許申請を米国特許商標庁(U.S. Patent and Trademark Office)【以下、USPTOと称す】に出願していることが明らかになった。今月19日のUSPTOの発表によると、コインベースの新しい技術は各アカウントのリスク要因をスコア化し、好ましくないユーザーに対してフラグを立てることで、潜在的な危険性の排除を可能にするという。そのスコアリングはユーザーの年齢や残高、取引量、地理的要因、利用するデバイスの数、過去のレビューなどに加え、身元確認方法や詳細な個人情報、その他20項目のデータを分析して算出されるようだ。また、このコンプライアンスソリューションにはアカウントを凍結するためのロジックも組み込まれており、2,000ドルを超えるトランザクションを停止したり、法務執行機関に報告することもできるようになっている。
コインベースは同社のコンプライアンスソリューションが完璧ではないと指摘した上で、AIと機械学習を用いてその運用効率を向上させていく方針であることを示した。既存のコンプライアンスソリューションは誤った判断を下すことも多々あるが、コインベースはそのフィルタリング結果を検証し、システムの最適化を図ると言及している。今年初旬、コインベースはNeutrinoを買収しており、その技術がこのコンプライアンスソリューションの構築に役立てられる可能性もあるようだ。
各国政府はマネーロンダリングやハッキングなど違法行為の取り締まりを強化することを望んでいるものの、規制環境を整備する上で仮想通貨のボーダーレスな性質が様々な課題をもたらしている状況だ。G20が主導するFATFが仮想通貨のガイドラインを発行するなど、世界的な取り組みも進んでいるようだが、取引所によるコンプライアンスが肝となることは変わらず、今後もこのようなソリューションへの関心は高まっていくと言えるだろう。
release date 2019.11.29
2001年以降、テロ組織への資金供給を断つことを主な目的に、米国を中心とする北米ではマネーロンダリング対策(AML)の基準が厳格化されており、金融機関を中心とした企業への規制や罰則も厳しくなっているという。過去には米当局がその基準に沿わなかった英国の大手銀行に19億ドル、同じくフランスの大手銀行に89億ドルの罰金を科したケースも発生し、現在ではそれが北米市場へ進出する際の潜在的なリスクとして広く認知されているようだ。結果として北米の金融機関はコンプライアンスを徹底するために、年間平均13億ドルものコストを費やしており、その流れは欧州や日本市場にも波及してきている。仮想通貨業界でもバイナンスがCipherTraceとの協業を発表するなど、コンプライアンスに対する意識が徐々に高まっている様子がうかがえるが、今後はコインベースや同取引所がこの動きを牽引することに期待しながらその状況を見守っていきたい。
作成日
:2019.11.29
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー