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ESMA、英国拠点の信用格付機関6社と取引情報蓄積機関4社を登録抹消

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update 2021.12.17 17:52
ESMA、英国拠点の信用格付機関6社と取引情報蓄積機関4社を登録抹消

update 2021.12.17 17:52

両機関への直接監督を強化

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、2020年12月31日に英国がEUから完全離脱した後、英国を拠点とする信用格付機関(Credit Rating Agency)【以下、CRAと称す】6社と取引情報蓄積機関(Trade Repository)【以下、TRと称す】4社の登録を抹消したことを発表した。[1]

信用格付機関規制(CRA Regulation)と欧州市場インフラ規則(European Market Infrastructure Regulation)【以下、EMIRと称す】、及び証券金融取引規則(Securities Financing Transactions Regulation)【以下、SFTRと称す】に基づき、ESMAはEU圏内で設立された法人を含め、登録要件を満たさない企業の登録を抹消する権限を与えられている。

今回、登録が抹消されたCRAは、AM Best Europe-Rating Services Ltd、DBRS Ratings Ltd、Fitch Ratings Ltd、Fitch Ratings CIS Ltd、Moody's Investors Service Ltd、The Economist Intelligence Unit Ltdとなる。これにより、EU圏内のCRAが承認しない限り、同域内でこれらのCRAが付与する格付けの利用はできなくなる。尚、ESMAは2020年10月27日に公表した声明文において、EU圏内のCRAはThe Economist Intelligence Unit Ltdを除く全ての英国を拠点とするCRAが付与する格付けを承認することができると明らかにしていた。

また登録が取り消されたTRは、DTCC Derivatives Repository Plc、UnaVista Limited、CME Trade Repository Ltd、ICE Trade Vault Europe Ltdとなる。これにより、EMIRとSFTRにおけるレポーティング規制対象であり、EU圏内で行われるデリバティブと証券取引に関しては、これらのTRへの報告義務はない一方、EU圏内で設立されたTRへのレポーティング義務が生じることになる。

ESMAがCRAとTRへの直接監督を強化する中、健全な金融市場の形成に向けた同局の取り組みを今後も見守りたい。

release date 2021.01.07

出典元:

ニュースコメント

ブレグジット後に順調な滑り出しを切った欧州株式取引

フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、英国がEUから完全離脱した後の取引初日となった1月4日には、約60億ユーロ規模の欧州株式取引が、同国からフランクフルトやパリといった大陸欧州の主要証券取引所に加え、EU圏内に新設された取引ハブへシフトしたという。ブレグジットを機に大規模な取引拠点のシフトが生じたが、欧州株式取引は大きなトラブルもなく、順調な滑り出しを切った模様だ。グローバルプレーヤー各社は、ブレグジット後も継続的にサービスを提供すべく、ライセンスの取得などを通じて入念な対策を講じてきている。例えば、FXCMがCySECよりライセンスを取得した他、Pepperstoneはドイツ法人を始動し、それぞれ欧州市場の顧客開拓を進めている。また、ゴールドマンサックスはフランスで株式取引ハブの開設に向けた申請を行い、大陸欧州へシフトする欧州株式取引の取り込みを図っている。英国及び大陸欧州のそれぞれを拠点とするブローカー各社が、更なる市場シェアの拡大に向けて画期的なソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2021.01.07

Update

最終更新

2021.12.17

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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