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ESMA、規制適合性及び実績プログラムの技術的基準に係る最終草案を公表

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update 2021.08.31 15:31
ESMA、規制適合性及び実績プログラムの技術的基準に係る最終草案を公表

update 2021.08.31 15:31

デリバティブレポーティング規制における国際基準との調和を模索

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は12月17日、欧州市場インフラ規則(European Market Infrastructure Regulation)【以下、EMIRと称す】の規制適合性及び実績プログラム(Regulatory Fitness and Performance Programme)【以下、EMIR REFITと称す】下における技術的基準に関する最終草案を公表した。[1]

同レポートには、取引情報蓄積機関(Trade Repository)【以下、TRと称す】への取引データのレポーティングや、データの照合手続き、関連当局によるデータアクセス、TRの登録に関する内容が含まれている。また、ESMAは諮問書に基づく独自の提案を行っている他、レポーティング要件の一致や、データの質向上を図るためのカウンターパーティー及びTRによる手続きの簡素化を求めている。

EMIR REFITの技術的基準に関するESMAの具体的な提案内容としては、BIS決済・市場インフラ委員会(Committee on Payments and Market Infrastructures, CPMI)と証券監督者国際機構(International Organization of Securities Commissions, IOSCO)代表理事会が策定したグローバル指針を含む、国際基準との調和が挙げられる。また証券金融取引規則(Securities Financing Transactions Regulation)【以下、SFTRと称す】下において求められる要件と同様に、ISO 20022を活用したXML通信メッセージによる、エンドツーエンドのレポーティングを推奨している他、バリデーション(入力検証)やリコンシリエーション(取引照合)の際に、TRへ提供されるデリバティブ取引データの質向上及び調和を図ることを要請している。更に、SFTR及びEMIR下におけるTRの登録延長ルールの簡素化や、データーアクセスの標準化を提案している。

最終草案の公表に際し、ESMAの局長を務めるSteven Maijoor氏は以下のようにコメントしている。

最終草案を公表したことは、EU圏内のデリバティブ取引に関するレポーティング規制とグローバル基準の一致を図ると共に、データの質に関する世界最高水準の基準を確立する上で、画期的な出来事と言えるでしょう。デリバティブレポーティング規制に関して、世界各国が協調することで、各規制当局にとって監督に必要な情報の取得や、金融市場の安定化に寄与すると考えております。各国規制当局によるデータ収集の際、固有取引識別子(Unique Transaction Identifier, UTI)や固有商品識別子(Unique Product Identifier, UPI)、及びその他の主要データ項目の活用が必要不可欠となる中、近年、当局はデータ項目の調整に関する指針の策定に積極的に関与しております。

Steven Maijoor, Chair of ESMA - ESMAより引用

EMIR REFITの技術的基準に関する最終草案は欧州委員会(European Commission, EC)へ提出されており、EU官報への掲載から18ヶ月以内に、カウンターパーティーとTRはレポーティング規制に係る技術的基準への対応が求められるという。EMIRの一部条項が修正されたことを受け、新たなレポーティング規制へのスムーズな移行が求められる中、ESMAはレポーティング規制に加え、XML通信メッセージ及びバリデーション関連の技術文書に係る指針の公表に向けて業務を遂行していく方針だ。

release date 2020.12.21

出典元:

ニュースコメント

デリバティブ分野で新たな規制フレームワークの構築を目指すグローバル当局

グローバル規制当局は個人投資家保護と金融市場の安定化に向け、デリバティブ分野において多岐にわたる規制策を打ち出している。足元においてはブレグジット交渉が難航する中、ESMAがDTOに係る声明文を公表し、ブレグジットの移行期間終了後も現行のデリバティブ取引義務を継続適用する方針を示している。また、米証券取引委員会(SEC)がデリバティブ活用に係る新規則を採択した他、英国金融行動監視機構(FCA)は仮想通貨デリバティブの販売を禁止する規制を公表している。一方、機関投資家による為替ヘッジ目的などで活発に利用されているデリバティブは、圧倒的な市場規模を誇っており、多くの金融サービスプロバイダーが関連ソリューションの提供を試みている。例えば、CMEがマイクロEミニ先物オプションをリリースした他、SGXはCassini Systemsと提携し、非清算店頭デリバティブ取引に係る証拠金規制(UMR)関連サービスの強化を図っている。デリバティブ分野の規制環境が変化する中、多くの金融サービスプロバイダーが利便性向上につながる画期的なソリューションを提供することに今後も期待したい。


Date

作成日

 : 2020.12.21

Update

最終更新

 : 2021.08.31

著者情報

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arw
Peranakanka

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。慶應義塾大学卒。

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