作成日
:2020.12.14
2021.12.21 12:57
英国金融行動監視機構(Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は12月10日、投機的なミニボンドのマスマーケティングを恒久的に禁止することを発表した。
2020年1月、FCAは投機的且つ流動性の乏しい金融商品であるミニボンドのマスマーケティングを一時的に禁止していた。同機構は一時的なマーケティング規制策を導入する際、パブリックコンサルテーションを実施しなかったが、恒久的な禁止策の採用を巡っては、6月にコンサルテーションを実施している。
FCAによると、個人投資家はミニボンドのリスクを理解しておらず、リスク許容度も超えてしまっているという。恒久的な規制策は、2021年1月1により導入される予定だ。
恒久的な規制策の導入に際し、FCAのストラテジー・コンペティション部門暫定エグゼクティブディレクターを務めるSheldon Mills氏は以下のようにコメントしている。
本日、我々は投機的なミニボンドのマスマーケティングを恒久的に禁止すると共に、規制適用範囲の拡大を決定しました。同金融商品はリスクが高く、理解するのが困難な設計となっているため、個人投資家は常に高いリターンを約束する一方、リスクを軽視する投資商品に注意を払わなければなりません。
Sheldon Mills, Interim Executive Director of Strategy and Competition at FCA - FCAより引用
尚、FCAはGoogle(グーグル)などのデジタルプラットフォーマーを対象に、プラットフォーム上での個人投資家を対象にした、金融商品マーケティングを厳格化するよう要請している。続々と新たな金融商品が開発される中、同機構が個人投資家保護の徹底を図るべく、如何なる規制策を講じるか今後も注目したい。
release date 2020.12.14
ミニボンドに関しては法的な定義づけがなされていないが、FCAは個人投資家を対象にした流動性の乏しい債券と位置づけている。同商品は一般的に高いリターンを提供する一方、他の金融商品と比較してリスクも高い。また、ミニボンドを発行する企業はFCAの規制を受けない傾向にあり、投資家は英国金融サービス補償機構(FSCS)下において損失を補償されない可能性があるという。英国ではレギュラトリーサンドボックスなどの政策面による後押しを受け、多くのフィンテック企業が新たなイノベーションを発揮する世界的なハブを形成している。一方、FCAは2020-21年度の事業計画において、個人投資家リスクの最小化に優先して取り組む方針を示している。実際に、FCAは仮想通貨デリバティブとETNの販売禁止を決定した他、未認可ブローカーの取締りを強化している状況だ。また英国財務省はステーブルコインを規制する草案作成を進行している他、英国政府は仮想通貨関連広告をFCAが監視するスキームを提案している。更にオランダ金融市場庁(AFM)は、CFDの競合商品となるTurbo Certificatesと呼ばれるデリバティブ商品の個人投資家向け販売を規制する方針を示すなど、欧州各国で規制強化の流れとなっている。欧州当局が、市場の活性化と個人投資家保護の両立を図る規制環境の整備を推進していくことに今後も期待したい。
作成日
:2020.12.14
最終更新
:2021.12.21
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー