Select Language

SAMAおよびUAE中央銀行、CBDCのパイロットテスト結果を公開

SAMAおよびUAE中央銀行、CBDCのパイロットテスト結果を公開

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:31
SAMAおよびUAE中央銀行、CBDCのパイロットテスト結果を公開

update 2021.08.31 15:31

国際取引のパフォーマンスを改善すると結論付ける

サウジアラビア中央銀行(Saudi Central Bank)【以下、SAMAと称す】およびUAE中央銀行(Central Bank of the United Arab Emirates)は、中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)【以下、CBDCと称す】開発に向けたパイロットテストを行い、分散型台帳システムが国際取引のパフォーマンスを改善すると同時にプライバシー要件を満たすことができるとの研究結果を発表した。[1]

SAMAおよびUAE中央銀行は、過去1年に亘って実施してきたAberと呼ばれるCBDC開発プロジェクトの概念実証から得た成果を報告し、中央集権型の決済システムと比較して分散型の決済システムの方が優れていることを明らかにした。Aberは2019年にサウジアラビアとUAEがデジタル通貨の発行で合意したことで開始され、二国間の協力を促進する役割を担っているという。両行は更なる研究が必要であると述べた上で、このパイロットテストがCBDCおよび分散型台帳の知識体系構築に貢献していると主張した。

今回のパイロットテストでは2つの中央銀行に加え、6つの商業銀行がノードを運用し、中央銀行に預け入れられた準備金を裏付けとしたトランザクションプロセスに寄与している。AberではJPモルガンのQuorumやイーサリアム(Ethereum)のプライベートブロックチェーン、R3のコーダ(Corda)ブロックチェーンを活用することも検討されたが、最終的にLinux FoundationとIBMが提供するHyperledger Fabricが採用された。リップル(Ripple)やステラ(Stellar)などのパブリックブロックチェーンは、銀行間決済においてプライバシー性能に不安があることから、候補から除外されたようだ。

このパイロットテストに参加した研究者は、管轄地域間でノードを調整する際に問題があったことを指摘し、ブロックチェーンのパフォーマンスや法的または政治的課題、オペレーション上の潜在的なリスクが存在すると説明している。また、同研究者はAberが将来的にその他の法定通貨を裏付けとした仮想通貨の導入や対象地域の拡大、債券および金融商品の取り込みなどに対応する可能性があると発言しているが、同プロジェクトはどのような展開を見せるのか、今後もその動向を見守っていきたい。

release date 2020.12.01

出典元:

ニュースコメント

ペルシャ湾岸諸国で仮想通貨市場が拡大

アラビア半島東側のペルシャ湾岸諸国では仮想通貨市場が拡大しており、各国政府や企業の動きが流動的になってきている状況だ。その中でもドバイはリップル社の地域本部を誘致するなど、積極的に国外企業を取り込むことで成長を促している。隣国のオマーンでも国内第二の規模を誇るBank Dofharがリップルネットによる国際送金を実現し、モバイルアプリによる安価かつ迅速なソリューションが普及しつつあるようだ。また、これまで仮想通貨に対して否定的だったイランでも、政府がICO(イニシャルコインオファリング)や仮想通貨取引所の利用を容認しただけでなく、CBDC発行に向けて突き進んでいるという。今回、SAMAおよびUAE中央銀行がCBDCやブロックチェーンの実用化に近づいた事実は、ペルシャ湾岸地域における仮想通貨市場の拡大に拍車をかけることになると考えられるだけに、今後も同地域での動きに注目していきたい。


Date

作成日

2020.12.01

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

Exnessの出金方法から銀行振込が一時削除!?現在は復旧も今後は代替手段の検討が必要か

2025年8月、Exnessの出金方法から一時的に国内銀行振込が削除され、オンラインウォレットと仮想通貨のみ利用可能な状態となりました。現在は復旧していますが、今後のトラブルに備えて、代わりの決済方法の準備を検討するのが望ましい状況です。
update2025.08.06 19:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

【当サイト限定】FXONの口座開設でボーナス15,000円をプレゼント!既存ユーザーも対象

2025年8月1日より、FXONでの口座開設で15,000円のボーナスを獲得できる、当サイトMyforex限定のキャンペーンがスタートしました。この記事では、ボーナスの受け取り方法や注意点などを説明します。
update2025.08.01 19:30

初めてのバックテストでも安心!MT5ストラテジーテスターの使い方ガイド

MT5のストラテジーテスターでは、バックテストによりEAのパフォーマンスを確認できます。バックテストの開始手順や注意点を解説します。
update2025.06.17 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.12 19:30

Vantage Tradingで出金拒否やトラブルが多発中?SNSで報告相次ぐ原因とは

Vantageで原因不明の出金拒否が、多数発生している声を取り上げていきます。Vantageで出金拒否が発生する理由や実際にVantageへ問い合わせた際の回答などもあわせて紹介していきます。
update2025.05.16 19:00
口座開設で15,000円のボーナス 口座開設で15,000円のボーナス

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル