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サンタンデール銀行、Wirecardマーチャント向け決済部門の資産を買収

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update 2021.08.31 15:31
サンタンデール銀行、Wirecardマーチャント向け決済部門の資産を買収

update 2021.08.31 15:31

約500名の従業員も引き継ぐ見通し

スペインの大手銀行であるBanco Santander SA(本社:Av. de Cantabria s/n 28660 Boadilla del Monte Madrid Spain[1])【以下、サンタンデール銀行と称す】は、2020年6月に破綻したドイツを拠点とするフィンテック企業Wirecard AG【以下、Wirecardと称す】のマーチャント向け決済サービス部門が有するテクノロジー資産を買収することを発表した。[2]

今回の買収を通じて、サンタンデール銀行はオープンソースの決済プラットフォームアーキテクチャによる取引・決済サービスの拡充と、欧州での更なる業容拡大を図るという。また、同行はWirecardに在籍する約500名の従業員も引き継ぎ、サンタンデール銀行傘下の決済テクノロジー会社であるGetnetのグローバルマーチャントサービスチームに加える見通しである。尚、買収は当局からの承認待ちの状態ではあるが、サンタンデール銀行とWirecardは、新プラットフォームへ顧客及びベンダーの移行を進めていく模様だ。

Wirecardの資産買収に際し、サンタンデール銀行の取締役会長を務めるAna Botín氏は以下のようにコメントしている。

当行は、お客様に最高水準の決済ソリューションを提供することを目指しております。今回の買収を通じて、Wirecardの資産や人材を獲得することにより、欧州におけるGetnetの事業拡大と商品開発を推進できるでしょう。

Ana Botín, Executive Chairman of Banco Santander - Banco Santander SAより引用

従来、Wirecardはドイツを代表するフィンテック企業として高い評価を得ていた。しかしながら、同社が19億ユーロに上る現金が存在しない可能性を明らかにしたことをきっかけに、Wirecardを長らく率いてきた前CEOのMarcus Braun氏が逮捕され、破産手続きに入ると発表していた。その後、同社の競合であるRailsbankがWirecard英国を買収した他、本人確認サービスを提供するスタートアップ企業のIDnowがWirecardのコミュニケーションサービス部門を買収した。今回、サンタンデール銀行がWirecardのマーチャント向け決済部門が有するテクノロジー資産と従業員を引き継ぐことで、決済分野において如何なるソリューションを提供するか注目したい。

release date 2020.11.19

出典元:

ニュースコメント

グローバル展開とデジタル化を推進するサンタンデール銀行

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により経営環境が悪化したスペインの金融機関において、再編の動きが進んでいる。2020年9月、大手銀行のカイシャバンク(CaixaBank)がバンキア(Bankia)を買収することで合意した他、直近では、BBVAが米国事業の売却を発表している。このような厳しい市場環境下において、サンタンデール銀行はM&A(企業の合併・買収)を通じたグローバル展開を加速させることで、業績の維持・拡大を図っている状況だ。サンタンデール銀行ブラジルがGetnetを買収した他、メキシコを拠点とするElavon Méxicoを買収し、中南米市場での更なるプレゼンス拡大を模索している。また、同行はデジタル戦略を強力に推進し、新たなソリューションの提供を試みている。例えば、サンタンデール銀行はRippleNetを活用して国際送金システムを強化した他、サンタンデール銀行はEburyを買収し中小企業向けのデジタルサービスを強化している。更に、サンタンデール銀行は視覚障害者用デバイスをリリースし、デジタル戦略の推進を通じて新規顧客の獲得を模索している。グローバル展開とデジタル化を進める同行が、更なる顧客基盤の拡大に向けて革新的なソリューションを提供することに期待したい。


Date

作成日

2020.11.19

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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