Select Language

TRAction共同CEO、新型コロナ禍の最良執行報告義務動向を考察

TRAction共同CEO、新型コロナ禍の最良執行報告義務動向を考察

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.12 11:08
TRAction共同CEO、新型コロナ禍の最良執行報告義務動向を考察

update 2022.01.12 11:08

ESMAは同規制策の効果に疑問を呈す

オーストラリア・シドニーを拠点に取引関連レポーティングサービスを手掛けるTRAction Fintech(本社:Level 22, 85 Castlereagh Street Sydney NSW 2000 Australia[1])【以下、TRActionと称す】の共同CEOを務めるQuinn Perrott氏が、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響下における最良執行の報告義務に関する見解を示した。[2]

2020年3月末、欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は、第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ)【以下、MiFIDⅡと称す】第27条にて最良執行義務を定めた規制技術基準(Regulatory Technical Standards, RTS27)、及び第28条にて投資サービス会社の取引後情報開示ルールを定めた規制技術基準(Regulatory Technical Standards, RTS28)に基づく最良執行に係る報告義務要件を緩和していた。

これにより、金融機関各社はRTS27関連レポートの提出が不可能な場合、次期の報告期限までの間に極力早く提出するよう、期限の延長が認められている。また、ESMAは各国規制当局(National Competent Authorities, NCAs)に対し、取引施設へのモニタリングを優先すべきではなく、特にRTS27及びRTS28に基づく最良執行に係る報告義務期限に関しては、リスクに沿った監督の導入を検討する必要があると主張している。

ESMAによると、殆どの個人投資家が最良執行に関連したレポートを活用していないことから、同局はレポートの価値に疑問を抱いているという。また、金融機関及び取引施設にとってはレポート作成に伴う経営資源を投入せずに済むため、新型コロナ禍において最良執行に係る報告義務要件を緩和したことは適切な措置であったと見ている模様だ。

尚、新型コロナ禍においてESMAは様々な施策を講じている。例えば、ESMAは上場企業の半期報告書に関する声明文を公表した他、ESMAはCLOの格付けに関するレポートを公表している。2021年にMiFIDⅡレビューを控える中、個人投資家保護の徹底を図るべく、最良執行に係る報告義務に関連して同局が如何なる規制策を講じるか注目したい。

release date 2020.10.14

出典元:

ニュースコメント

民間レベルで強化が続く最良執行関連ソリューション

新型コロナ禍における最良執行報告義務要件の緩和に関しては、ESMAのみならず、キプロス証券取引委員会(CySEC)がC375通知を公表して同様の措置を導入した。加えて、FCAも最良執行の報告義務を緩和し、金融機関に対しては、顧客注文の執行やリスク管理を実施する上で様々な注文手法を考慮するよう促している。また民間レベルにおいては、更なる運用パフォーマンスの向上を図るべく、最良執行に寄与するソリューション提供が活発化している状況だ。直近では、スペイン・マドリード証券取引所などを運営するBolsas y Mercados Españoles(BME)が、最良執行や取引コスト分析に寄与する新ビッグデータプラットフォームをリリースした。またAdvanced MarketsがTradeforaと提携し、取引コスト及び執行分析サービスの強化を模索している。グローバルベースで運用会社間の競争が激しさを増す中、規制当局及び関連ソリューションを提供する金融サービスプロバイダーの動向を今後も見守りたい。


Date

作成日

2020.10.14

Update

最終更新

2022.01.12

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

Bybitが日本ユーザーの新規登録を停止!日本撤退で海外FXユーザーにも影響大か?

Bybitが2025年10月31日をもって日本ユーザーの新規登録停止を発表しました。既存ユーザーは継続利用できるものの、締め出しも時間の問題と予想する声も少なくありません。本記事では、Bybitの発表内容や海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.11.06 19:00

FXGT破綻の噂がSNSで再浮上、CEOは「完全なデマ」と否定

海外FX業者のFXGT(エフエックスジーティー)が「経営破綻の危機にある」との噂が一部で広がっています。噂が流れているのは主にX(旧Twitter)で、FXGT公式はこれを否定しています。当サイトではFXGTにこれらの噂について、事実確認を行いました。
update2025.11.04 19:30

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

Exnessで10月に2度もサーバーダウン!?SL設定のユーザーは損失補填

海外FX業者のExnessで、10月に2度のサーバーダウンが発生しています。一連のトラブルが原因で、損失を被ったユーザーも少なくないようです。本記事では、報告されている不具合やExnessが実施した補償などについて説明します。
update2025.10.30 19:30

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

香港エキスポでAxiブースが襲撃される、規約違反のトレーダーによる抗議と判明

香港で開催された「iFX EXPO Asia 2025」の会場で、海外FX業者Axiのブースが襲撃される騒動が発生しました。騒動を撮影した動画がSNS上に投稿されたことで、一部の海外FXユーザーの間で注目を集めています。本記事では、今回の襲撃騒動の経緯とAxi側の説明などをご紹介します。
update2025.11.04 19:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル