Select Language

ESMA、上場企業の半期報告書に関する声明文を公表

ESMA、上場企業の半期報告書に関する声明文を公表

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2022.01.13 13:21
ESMA、上場企業の半期報告書に関する声明文を公表

update 2022.01.13 13:21

発行体に対し適切かつ信頼のおける情報提供を要請

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】は5月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、上場企業が作成する半期報告書に関する見解を示した声明文を公表した。[1]

ESMAは同声明文の中で、発行体が法定の公表期限を遵守して半期報告書を公表する際、適切かつ信頼のおける情報提供の重要性を訴えている。また、最新の年次決算の作成に当たり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う重大なリスクやゴーイングコンサーン(継続企業の前提)、非金融資産の減損処理、損益などに関する情報をアップデートする必要性も指摘している。

ESMAは新型コロナウイルスの影響を考慮した経営戦略や目標、業務オペレーション、業績に加え、同感染症の影響を軽減するための措置に関する企業特有の情報提供を求めている。また、国際会計基準(International Accounting Standards, IAS)第34号期中間財務報告(Interim Financial Reporting)に従って作成される財務報告書に関しても、声明文で指摘した事項を遵守する必要があるという。発行体の経営層や監査役会、監査委員会及び監査役がESMAの提言を十分に考慮に入れることを要請しており、特に監査委員会に対しては足元の困難な状況下において、質の高い半期報告書を作成する役割を担うことを求めている。

今後に関しては、ESMAと欧州各国当局が協働して国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards)【以下、IFRSと称す】で求められる要件の遵守状況や、声明文内で指摘した事項の対応状況を監督していく方針である。同局は欧州各国の上場企業による対応状況を踏まえ、2020年度年次報告書の規制に関する優先事項を2020年度執行業務に係るレポート内で公表する見通しだ。

release date 2020.05.22

出典元:

ニュースコメント

会計分野の世界共通のモノサシとして機能するIFRS

IFRSは、国ごとに異なる会計制度を統合した世界標準の会計基準である。2005年に、EUが域内の上場企業に対しIFRSを強制適用することを決定して以降、世界各国で同基準を適用する動きが広がっており、日本においても2019年6月末時点で217社が導入している。今回、ESMAは声明文の中で、IFRSを適用するグローバル企業の財務状況を比較するに際し、新型コロナ禍における経営環境を踏まえた、より有用性の高い財務情報の提供を求めていると言えるであろう。他方で、ESMAはローン担保証券の格付け関連レポートを公表したほか、EU各国当局に対してESMAが空売り規制延長に同意の方針をしている。また、ESMAはTRの延長登録を承認するなど、新型コロナ禍における金融市場の安定化に向けた施策を積極的に打ち出している状況だ。IFRSを適用する多くの上場企業が、今後も新型コロナウイルスの影響を踏まえた的確な財務情報を提供することで、投資家の効率的な投資意思決定に寄与することを期待したい。


Date

作成日

2020.05.22

Update

最終更新

2022.01.13

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

メタマスク等の利用が規制対象に?金融庁がDEXの規制を議論

暗号資産WGでの議論を発端に、SNS上で「DEX利用が非合法化されるのでは?」といった投稿が話題になっています。本記事では、金融庁で議論されたDEX規制の現状や、SNSで広まる情報の真偽、海外FXユーザーへの影響などを解説します。
update2025.10.28 19:00

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Exnessで10月に2度もサーバーダウン!?SL設定のユーザーは損失補填

海外FX業者のExnessで、10月に2度のサーバーダウンが発生しています。一連のトラブルが原因で、損失を被ったユーザーも少なくないようです。本記事では、報告されている不具合やExnessが実施した補償などについて説明します。
update2025.10.30 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

日本円ステーブルコインJPYCが発行へ!海外FXの入出金に活用できるか

2025年8月、金融庁が日本円ステーブルコインJPYCを承認しました。海外FXユーザーの中には、海外FXの入出金にJPYCを活用できるのでは?と期待している方もいるのではないでしょうか。本記事では、海外FX入出金でのJPYCの活用例や今後の展望などを考察します。
update2025.08.28 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル