作成日
:2020.10.05
2021.08.31 15:31
パックマンなどのアーケドゲームで有名な米老舗ゲーム会社のAtari Group【以下、Atariと称す】が、今年11月初旬にAtariトークンと呼ばれる独自仮想通貨のトークンセールを実施することが明らかになった。
報道によると、Atariは少なくとも2018年初旬からAtariトークンの開発を継続しており、イーサリアム(Ethereum)のブロックチェーン上でERC-20トークンとして同仮想通貨を発行しているという。既にAtariは2回のプライベートトークンセールを通じてAtariトークンを販売し、1通貨あたり0.08セントの価格で合計150万ドルを売り上げているようだ。今回のトークンセールを通じ、集まった資金の35%はAtariに割り当てられ、残りは同社パートナーであるフィンテック企業のICICB Groupに分配される。
Atariのブロックチェーン関連事業を担うAtari Chainは、仮想通貨カジノやブロックチェーンゲーム、Ultra.ioなどのゲーム配信プラットフォームがAtariトークンの最初のユースケースになると言及している。Atariトークンは、トークンセール終了後にBitcoin.comとAtrariが運営する仮想通貨取引所に上場する予定だ。
今回、Atariのトークンセールでは米国市民が参加対象外となっている。ビデオゲームの父と呼ばれるNolan Bushnell氏によって立ち上げられたAtariは、業界で抜群の知名度を誇っているが、この新しい試みを成功に導くことができるのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。
release date 2020.10.05
これまで、仮想通貨やブロックチェーン技術は金融分野で注目を集めてきたが、ゲームやエンターテインメントとの親和性が高く、これらの業界で新しいユースケースが誕生している。例えば、米ノースカロライナ州を拠点とするゲーム会社Epic Gamesは、同社の人気オンライン・バトルロイヤルゲームであるフォートナイトの決済手段にモネロを採用しており、利便性とセキュリティを両立させる支払いオプションを提供することに成功した。対象的に、ゲーム配信プラットフォームのTwitchは仮想通貨支払いを廃止し、この流れに逆行する動きに出たが、サブスクリプション解約によるボイコット被害を受ける結果に陥ったという。最近ではアルゼンチンの著名な漫画家であるホセ・デルボ氏がブロックチェーンを活用し作品を公開するなど、ブロックチェーン技術の採用が加速している様子がうかがえるだけに、今後も業界の動向を注視していく必要があると言えるだろう。
作成日
:2020.10.05
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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