Select Language

バイナンス、ロシアおよび中央アジアのマイニングリソースを統合

バイナンス、ロシアおよび中央アジアのマイニングリソースを統合

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:32
バイナンス、ロシアおよび中央アジアのマイニングリソースを統合

update 2021.08.31 15:32

BitRiverの顧客にBinance Poolへのアクセスを提供

大手仮想通貨取引所のBinance【以下、バイナンスと称す】が、同取引所のマイニングプールであるBinance Poolにロシアおよび中央アジアでビットコイン(Bitcoin)マイニング向けのハッシュレートを統合しようと試みていることが明らかになった。[1]

報道によると、バイナンスはロシアのブラーツクで最大のホスティングプロバイダーであるBitRiverのサービスを利用し、マイニングノードの運用を決定したという。これによりバイナンスは、BitRiverの顧客がBinance Poolに直接接続することを可能とし、より良いマイニングオプションを提供できるようになった。その見返りとしてバイナンスは、70メガワット時(MWh)規模のマイニング活動を行うBitRiverが抱える顧客へのアクセスを獲得した。

ケンブリッジ大学(University of Cambridge)のCentre for Alternative Financeがまとめたレポートによると、ロシアではビットコインネットワーク全体の6.08%に相当するハッシュレートが生み出されており、この値は2019年9月の5.93%から上昇傾向にあるという。同様に隣国のカザフスタンでもその値が2019年第3四半期の1.42%から3.14%に増加しているようだ。一方、世界有数のマイニングプールが存在する中国では、ビットコインマイニングのハッシュレートが同期間中に75%から71%にまで低下している。

BitRiverの平均的な顧客が、BitmainのAntMiner S17sなどの最先端のマイニング機器を使用した場合、同社が生み出すハッシュレートは1,000PH/s(ペタハッシュ/秒)を超える可能性がある。この値はビットコインネットワーク全体の1%程度だが、マイニング事業の拡大を図るバイナンスにとっては重要な足がかりになると言えるだろう。BitRiverのCEOであるIgor Runets氏は、バイナンスがマイナーに対して競争力のある料金体系を提示していることに触れ、同社が抱える顧客の最大50%がBTC.comなどの主要なマイニングプールからBinance Poolに乗り換えると予想している。

今年4月、バイナンスはBinance Poolを立ち上げ、競合のHuobiやOKExに次ぐ8番目の規模にまで成長させている。現在、Binance PoolはFPPS(Full Pay Per Share)モデルと呼ばれる料金体系を採用し、マイナーの規模に応じて1%から2.5%未満の手数料を課している状況だ。これを受けて、F2PoolやPoolinなどの主要なマイニングプールも手数料を引き下げているが、Binance Poolでは大口のマイナーが優遇される分、より魅力的なサービスとなっているという。これまでバイナンスはBinance Poolを通じ、ビットコインネットワーク上で485ブロックを生成し、約50万ドルの手数料を稼ぎ出しているが、この戦略的な動きがどのような結果を生むのか、今後も同社の取り組みに注目していきたい。

release date 2020.07.20

出典元:

ニュースコメント

ロシアや東欧で盛り上がりを見せるマイニング市場

現在、マイニング市場では中国を拠点とする企業がシェアを独占しているが、安価な電力供給と恵まれた環境を背景に、ロシアや東欧のマイニング企業が台頭してきているようだ。特にロシアでは昨年からロシア銀行協会が仮想通貨の合法化を提案しており、仮想通貨をマイニングによって獲得可能な資産とみなす動きが高まっているという。これを見越した大手取引所のHuobiはロシア法人を設立して市場開拓に注力し、マイ二ングホテルの開発プロジェクトに携わっている。また、2021年までに隣国のウクライナも仮想通貨の合法化を目指す流れが生じており、マイニングが正式な産業として確立される可能性を秘めている状況だ。このような情勢を考慮すると、バイナンスがロシアおよび中央アジアにマイニング事業を展開することは必然的だと言えるが、同社の市場参入がどのような変化を生むのか、今後もこれら地域での展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.07.20

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Funded7で出金が認められない事例が増加?ルールの不透明さが原因か

Funded7で出金拒否に関する投稿がSNS上で増加しており、利用者の間で不安が広がっています。「利益が取り消された」「短時間取引が理由で無効になった」などの報告が投稿されています。当記事では出金拒否の原因を整理し、他のプロップファームとFunded7のルールを比較します。
update2025.11.21 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

Exnessの乗り換え先としてXSはアリ?スペックを比較

取引環境の良さから玄人にも人気のExnessですが、最近は出金トラブルなどが発生しており、今後の取引環境に不安を抱くユーザーも増えています。本記事では、有力な乗り換え先であるXS.comと取引環境・条件を比較し、乗り換え先として相応しいかどうかを検討します。
update2025.11.20 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

Money Charger(マネチャ)情報流出で問われるキャッシュバックサイトの運営体制と安全性

Money Chargerは2025年10月25日、ユーザーの個人情報が外部に流出したことを公表しました。キャッシュバックサイトはうまく活用すれば取引コストを抑えられる一方で、個人情報を扱う性質上、安全管理体制が極めて重要です。本記事では、安全性や透明性の観点から主要なキャッシュバックサイトを比較します。
update2025.11.17 19:00

Vantage Tradingが入出金額の上限を変更、100万円以上の出金は自動分割

海外FX業者のVantage Tradingが、銀行振込の入出金額の上限を変更しました。今後は銀行振込で一度に出金できる額が100万円に制限されます。本記事では、変更された条件や高額送金時の注意点などを説明します。
update2025.11.11 19:00

Bybit P2P利用で銀行口座凍結・詐欺容疑者に?海外FXユーザーが知るべき巻き込まれリスクとは

Bybit P2Pを利用したユーザーが銀行口座凍結されたことに加え、詐欺容疑者として取り調べを受けたというSNS投稿が話題になっています。本記事では、話題となった投稿の内容や、海外FXユーザーがP2P取引の利用を避けるべき理由などを解説します。
update2025.11.12 19:00

Wiseでの海外FX入出金をおすすめできない理由とは?アカウント閉鎖の可能性も

海外FXユーザーの間で、Wiseを利用した送金が話題になっています。しかし、Wiseでの入出金はリスクが高いためおすすめできません。この記事ではその理由を説明します。
update2025.09.08 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル