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スペイン政府、金融犯罪対策の強化に向けた法改正を実施

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update 2021.08.31 15:32
スペイン政府、金融犯罪対策の強化に向けた法改正を実施

update 2021.08.31 15:32

仮想通貨サービスプロバイダーの登録を義務化

現在、スペイン政府がEU(欧州連合)の規制に準拠するために、マネーロンダリング防止(AML)およびテロ資金供与対策(CTF)に関する法改正に取り組んでいることが明らかになった。[1]

スペイン政府は2018年にEUで導入された第5次マネーロンダリング対策指令(The Fifth EU Anti-Money Laundering Directive)【以下、AMLD5と称す】に準拠するために、金融犯罪対策の強化を急いでおり、1週間以上前に現行法の改正案を提出したという。その中で仮想通貨取引所やウォレット、カストディ企業などの仮想通貨サービスプロバイダーは、改正法の施行から9カ月以内にスペイン銀行(Bank of Spain)に登録することを求められているようだ。これはあくまでも改正案の一部だが、スペイン政府は規制に従わない企業の国内での営業を認めない方針を明示している。

通常であれば、スペイン政府は60日から90日の間パブリックコメントを募集するが、急を要することから、その期間を早々に切り上げて法案の成立を目指しているという。もともとEU加盟国はAMLD5に準拠するために18カ月の猶予を与えられていたものの、スペインを含む8カ国が遅れを見せており、今年2月には対応を促す警告文書が送付されている。EU加盟国の現状に関してCrypto.comのMariana Gospodinova氏は、同指令が発令されて以来、各国政府の仮想通貨市場に対する理解が深まっていると述べた。また、Gospodinova氏は対応が遅れた国家にリソース不足などの背景があった可能性があると分析している。

EUはスペインの他にオランダ政府にもAMLD5に準拠するよう求めている。オランダ中央銀行は仮想通貨市場の規制を表明したが、国内で厳しい批判に晒されているという。既に同指令に従っているEU加盟国では、特に小規模な仮想通貨関連企業からコンプライアンスコストの増加に対する不満が噴出し、これらの企業が国外に流出する可能性が高まっている状況だ。これに加え、金融活動作業部会(Financial Action Task Force, FATF)が定めた規定ではTravel Rule(送金時に個人情報を提供する規定)強化のために、顧客確認(KYC)の厳格化が必須となっており、EU加盟国では仮想通貨関連企業の負担が更に増す可能性がある。

Gospodinova氏は仮想通貨業界の顧客確認およびデューデリジェンスプロセスが改善されていると評価しているが、EUは欧州圏内の仮想通貨市場を統制できるのか、今後も同地域での展開を見守っていきたい。

release date 2020.06.25

出典元:

ニュースコメント

コンプライアンスソリューションの重要性が増す欧州市場

仮想通貨市場の拡大と共に、世界各国で仮想通貨関連企業に対する規制が厳格化しているが、それと並行して最先端技術を活用したコンプライアンスソリューションの開発が進展している。最近ではConsenSysがCodefi Complianceをローンチし、仮想通貨業界で注目を集めているようだ。このようなコンプライアンスソリューションは、効率的に不正や違法行為を検出できるだけでなく、レポートプロセスの自動化を可能とすることから、企業のオペレーションに欠かせないツールになりつつあるという。また、この需要の高まりを受けてコンプライアンスソリューションに投資が集中しており、開発企業であるTRM Labsはペイパルからの投資によって420万ドル規模の資金調達に成功している。EU加盟国がAMLD5への対応を徹底すれば、同地域でも先進的なコンプライアンスソリューションの重要性が高まることは間違いないと言えるだろう。


Date

作成日

2020.06.25

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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