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香港証券取引所、ボラティリティ・コントロール・メカニズムの機能を拡張

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update 2022.01.13 13:38
香港証券取引所、ボラティリティ・コントロール・メカニズムの機能を拡張

update 2022.01.13 13:38

2020年5月11日に第1段階の機能拡張を実施予定

香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[1])【以下、HKEXと称す】は4月23日、株価の急激な変動を抑制するための取引制度であるボラティリティ・コントロール・メカニズム(Volatility Control Mechanism)【以下、VCMと称す】において、2020年5月11日に第1段階の機能拡張を実施すると発表した。[2]

HKEXはVCMを2016年8月に導入していた。また、規制市場に対し最新の市場動向を踏まえたボラティリティコントロールの調整を求めている証券監督者国際機構(International Organisation of Securities Commissions, IOSCO)が発表したガイダンスに基づき、HKEXは2019年にVCMの機能拡張に向けた諮問書を公表している。HKEXの市場部門ヘッドを務めるWilfred Yiu氏は、同メカニズムの機能拡張により、ボラティリティが大きく高まる局面において個別株式のセーフガード機能を強化すると共に、国際慣行及び規制指針への対応推進にも繋がると述べている。尚、HKEXが公表した諮問書に対するフィードバックに基づき、VCMは市場の安定化に大きく寄与すると判断し、第1段階の機能拡張を実施する決断を下した模様だ。

第1段階の機能拡張においては、従来からのハンセン指数(Hang Seng Index, HSI)とハンセン中国企業株指数(Hang Seng China Enterprises Index, HSCEI)に含まれる78銘柄に加え、Hang Seng Composite LargeCap IndexとMidCap Index、SmallCap Indexの構成銘柄を含め、合計で約500銘柄までVCMのカバレッジを拡充するという。また、現在値が5分前の価格に対してそれぞれ上下10%以上、15%以上、20%以上変動した場合、VCMを発動させる階層スキームを採用するとのことだ。HKEXでは第1段階を実装した6か月後、個別銘柄ごと又は特定の立会時間ごとにVCMを発動させる第2段階の機能拡張へ移行する前に運用レビューを行うという。尚、HKEXはVCMの機能拡張について説明した動画やインフォグラフィックなどの各種資料も公開している。

HKEXが段階的にVCMの機能拡張を実施することで、より一層株式市場の安定化に繋がることを期待したい。

release date 2020.04.27

出典元:

ニュースコメント

健全な市場形成と業容拡大を目指す香港証券取引所

アジア有数の証券取引所として更なるプレゼンスの拡大を模索するHKEXは、足元で業容拡大に向けた動きを活発化させている。例えば、HKEX傘下のOTC Clearが金融庁からライセンスを取得し、中央清算業務への需要が高まる日本市場の開拓を試みている。また、Doo TechがHKEXと接続するMT5ブリッジをリリースしたほか、HKEXはSRTT株51%を取得し、テクノロジー水準の向上や顧客基盤の拡大を模索している状況だ。尚、HKEXが導入するVCM発動後の5分間は、注文価格が5分前の株価の上下10%の範囲に制限される(クーリング・オフ・ピリオド)。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、株式市場のボラティリティが大きく高まったように、今後もブラックスワンと呼ばれる事象が起きる可能性があることから、同メカニズムの機能拡張を実施することは、株式市場を安定化させる上で重要であろう。今後も、健全な市場の形成と顧客基盤の拡大に向けたHKEXの動向に注目したい。


Date

作成日

2020.04.27

Update

最終更新

2022.01.13

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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