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香港証券取引所、SRTT株51%を取得する計画

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update 2021.08.31 15:27
香港証券取引所、SRTT株51%を取得する計画

update 2021.08.31 15:27

技術水準の向上とベンダー依存度の低減を図る意向

香港証券取引所(本社:8/F, Two Exchange Square, 8 Connaught Place, Central, Hong Kong[1])【以下、HKEX】は2月20日、中国・深セン市を拠点とする、金融市場関連のテクノロジープロバイダーであるShenzhen Roughui Tongjin Technology(本社:深圳市南山区高新南五道金证科技大厦6F)【以下、SRTTと称す】の株式の過半数を取得する計画であることを発表した。

HKEXによると、SRTT株式の過半数を取得することで、SRTTが誇る技術を活用し、テクノロジー水準の向上と、ベンダーに対する依存度の低減を図る意向であるようだ。

HKEXは既に、SRTT株式51%を取得する旨の合意書に署名しており、SRTT株式取得手続きは2019年第2四半期に完了する見通しのようだ。また、SRTT株式取得案件が完了することで、SRTTの親会社であるShenzhen Kingdom Sci-Tech【以下、SKSTと称す】の株式保有割合は現在の60%から29.4%へ減少し、SRTTの従業員持ち株割合は40%から19.6%に減少することも明らかにされている。

HKEXによるSRTT株式の過半数取得に関して、HKEXのCEOであるCharles Li氏は以下のようにコメントしている。

テクノロジーの進化によって、グローバル金融市場は発展を遂げています。そして、この度SRTTと合意書に署名することができたことを大変喜ばしく思っております。専門性の高いテクノロジーを保有するパートナー企業であるSRTTと協働し、付加価値の高いサービスを提供していくことで、新たな成長機会を創造していく考えであります。

Charles Li, CEO of HKEX - FinTech Futuresより引用

SRTTは、為替交換技術やレグテック(フィンテックを活用して、規制対応に関する課題解決を図る技術)など金融市場に強みを持つテクノロジープロバイダーである。また、6,000名の従業員を抱える巨大企業SKSTの子会社であり、金融市場に精通した約200名のスタッフを擁している。今回、HKEXがSRTT株式を取得することで、HKEXが運営するシステムとSRTTの革新的な技術の統合や、開発コストの削減によって、より付加価値の高いサービスが提供されることが期待されている。

release date 2019.02.21

出典元:

ニュースコメント

金融規制の複雑化に伴い高まるレグテックの需要

目まぐるしい変化を遂げるグローバル金融業界において、金融機関を取り巻く規制はますます複雑化している。そのような状況下で、スピーディーかつ効率的に、金融規制に対応していくことが企業の健全な運営をするにあたって必要不可欠となってくる。最近では、国信証券香港がアンチマネーロンダリング規制違反で1,520万香港ドルの罰金が課せられたことが話題となったが、証券市場監督当局によるとAML規制に準拠した体制が構築されていなかったようだ。ただ、AMLを始め、あらゆる規制対策を構築できていない金融機関は少なくはないのが現状である。その原因として、重なる規制の強化や複雑化により、金融機関が精査しなければいけないデータは膨大なものとなっており、その対応にかかるコストの増大や、専門性の高い人材不足などが課題となっている。そのような規制対応のため、課題解決を図る技術のことを、Regulation(規制)とTechnology(技術)を合わせた「Regtech(レグテック)」という造語が生まれている。今回HKEXが過半数の株式を取得するSRTTはレグテック分野にも精通している企業である。今後、金融業界においてレグテック企業の活躍の場が広がり、規制対応にかかるコストや人材の課題が解決されることを期待したい。


Date

作成日

2019.02.21

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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