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ドイツ取引所、システム障害によりXetraとユーレックスの取引を一時停止

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update 2021.08.31 15:32
ドイツ取引所、システム障害によりXetraとユーレックスの取引を一時停止

update 2021.08.31 15:32

4時間以上にわたりデリバティブや株式取引が停止

ドイツ取引所(本社:60485 Frankfurt/Main[1])が4月14日、システム障害を起因として、傘下のXetraとEurex Exchange【以下、ユーレックスと称す】及び複数の関連市場での取引を突如停止したことが明らかになった。[2]

ドイツ取引所は市場参加者に対し、Xetraとユーレックスの両取引プラットフォームに技術的な問題が生じたと説明している。取引停止は4時間以上に及んだことから、大量のデリバティブ及び株式取引ができなくなった一方で、トレーディングフロアの運営には影響が出なかった模様だ。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受け、金融市場のボラティリティが大きく拡大する中、ベネチアやブダペスト、プラハ、バルカン諸国の市場も取引が停止されていたが、ユーレックスとXetraは11時50分頃(GMT、グリニッジ標準時)に取引が再開されたという。ドイツ取引所は各取引システムの社内コミュニケーションツールに不具合が生じたが、サイバー攻撃によるものではないとコメントしている。

ドイツ取引所は2020年初頭に、ユーレックスで長く務めてきたAndreas Mitschke氏を、フランクフルト証券取引所のトレーディングサーベイランスオフィス(Trading Surveillance Office, TSO)のヘッドに登用した。同取引所では2019年に複数のテクニカル上の問題が生じ、取引プラットフォームの運営に混乱をきたしていた。そのため、Mitschke氏の最も重要な任務の一つは、欧州最大規模の株式及びETF取引量を誇るXetraとユーレックスで生じた問題がメイン取引プラットフォームに与える影響を食い止めることになるという。

他方で、英国が欧州を離脱(ブレグジット)したことに伴い、ドイツ取引所を含む証券取引所グループ間の中央清算業務のシェア獲得競争が激化している状況だ。例えば、CBOEがEuroCCPを買収し、欧州市場の開拓を試みている。また、ユーレックスがクロスカレンシースワップの中央清算業務を開始している。各証券取引所グループにとっては、成長市場と期待される中央清算業務を重点戦略分野の一つとして位置づけ、積極的にサービス強化を図っている模様だ。

フランクフルト証券取引所やユーレックス、クリアストリーム(Clearstream)など多岐にわたる有力企業を傘下に収めるドイツ取引所が、より強固で安全な取引ソリューションを構築することにより、注力分野の中央清算業務などにおいて更なる業容拡大を図ることを期待したい。

release date 2020.04.16

出典元:

ニュースコメント

システム障害が生じる金融機関が続出

新型コロナウイルスの感染拡大によりボラティリティが大きく高まる中、ドイツ取引所が運営するフランクフルト証券取引所は、3月の取引高が3,290億ドルと過去最高を記録したという。一方、金融市場が混乱する市場環境下において、Interactive Brokersのサイトがダウンしたほか、ロビンフッド(Robinhood)やフィデリティ(Fidelity)、TD Ameritrade、チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)、JPモルガンチェースなど、個人投資家を対象とした取引サービスを提供する金融機関でもシステム障害が発生していた。その内の複数の金融機関において、システムが復旧する前に取引高が大きく落ち込んだ模様である。そのため、今回システム障害が発生したドイツ取引所の取引動向にも少なからず影響を及ぼすかもしれない。グローバルベースで顧客獲得競争が熾烈を極める中、システム障害が度々起きる金融機関からは顧客が遠ざかる可能性が高い。顧客満足度の向上を図る金融機関にとっては、取引量が急激に高まる状況下においても安定したサービスを提供すべく、強固なシステムの構築が急務になっているといえるであろう。


Date

作成日

2020.04.16

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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