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マイクロソフト、Edgeに新たなユーザー保護機能を実装

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update 2021.08.31 15:33
マイクロソフト、Edgeに新たなユーザー保護機能を実装

update 2021.08.31 15:33

不正仮想通貨マイニングの急増を受けて、PUAsのダウンロードを防止

大手ソフトウェア企業のMicrosoft Corporation(One Microsoft Way Redmond, WA 98052-7329, USA[1])【以下、マイクロソフトと称す】は、ここ2年間で不正な仮想通貨マイニングが急増したことを受け、同社のWebブラウザであるMicrosoft Edge【以下、Edgeと称す】にユーザー保護機能を実装した。[2]

先月27日の発表によると、マイクロソフトはクリプトジャッキングのスクリプトやアドウェア(広告を目的としたソフトウェア)などを内包する潜在的に望ましくないアプリケーション(Potentially Unwanted Applications)【以下、PUAsと称す】のダウンロードを検知して防止する機能を実現したという。この新しい保護機能は、バージョン80.0.338.0以降のEdgeで利用可能となっており、プライバシーとサービスの設定パネルから有効化できるようだ。

クリプトジャッキングは、ウェブサイトやデバイスにダウンロードされたソフトウェアに仕込まれたスクリプトがコンピュータのリソースを使用して仮想通貨マイニングを実行する。実際にこれらのPUAsは、電力やコンピュータリソースをバックグラウンドで秘密裏に使用するだけでなく、デバイスのパフォーマンスを低下させる可能性がある。以前からEdgeユーザーは、インターネットを介してダウンロードできる無料ソフトの中に、悪質なものが存在するとマイクロソフトに報告しており、今回、その対応として同社は本機能の実装に踏み切っている。

このようなリスクは無料ソフトウェアだけに留まらず、昨年には、Microsoft Storeに存在する8つのWindowsアプリが、仮想通貨モネロ(Monero)をマイニングするためのスクリプトであるCoinhiveをホストしていたことが明らかになった。Skybox Securityが2018年に発行したレポートによると、仮想通貨マイニングを目的としたマルウェアは、ランサムウェアを退けてサイバー犯罪で最も利用されるツールとなっており、その中でもクリプトジャッキングは、全てのサイバー犯罪の32%を占めるほど一般的に広まっているという。今年2月には、経済制裁を回避する手段として北朝鮮政府がモネロのマイニング活動を促進していることが報道されるなど、クリプトジャッキングが大規模に展開され始めている様子がうかがえるが、Edgeの保護機能はこれらの犯罪に対してのソリューションになる可能性があると言えるだろう。

release date 2020.03.03

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨の盗難に対応するブラウザ開発企業

Bitcoin(ビットコイン)を始めとする仮想通貨が一般的に普及して以来、ハッカーの間で仮想通貨は盗難の対象と認識され、多くの個人や仮想通貨取引所などの企業が被害にあっており、その被害総額は、2018年時点で年間17億ドル以上に達した。中央銀行発行の独自デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)導入を目指す中国では、ハッキングの危険性を排除するために、中国政府が暗号法を施行するなどの対策にでている。特にブラウザの拡張機能を利用した仮想通貨の盗難は、新しい手法として確立して流行する可能性があるため、仮想通貨コミュニティの懸念となっているようだ。また昨年には、MacOSを狙うマルウェアが発見されており、それに伴ってGoogle(グーグル)が開発するブラウザであるChromeから個人情報に関するクッキー情報が抜き取られている危険性があることがわかった。これに対して各社開発企業はブラウザのセキュリティ機能をアップグレードする動きに出ているが、それがどの程度効果を発揮するのか、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2020.03.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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