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Fortress、プレミアム価格でのマウントゴックス債権買収を提案

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update 2021.08.31 15:28
Fortress、プレミアム価格でのマウントゴックス債権買収を提案

update 2021.08.31 15:28

1BTCあたり1,293ドルでの買い取りを債権者に打診

ニューヨークに拠点を置くプライベートエクイティファンドのFortress Investment Group LLC(本社:1345 Avenue of the Americas 46th Floor New York, NY 10105 USA[1])【以下、Fortressと称す】は、2014年に破綻したMt Gox【以下、マウントゴックスと称す】の債権をプレミアム価格で買い取ることを提案している。[2]

今月17日にFortressのマネージングディレクターであるMichael Hourigan氏は、マウントゴックスの債権者に向けて、先着順で同社の債権を買い取る旨の文書を送っているようだ。その文書の内容は公開されていないものの、報道によると、Fortressは口座価値の88%または1BTCあたり1,293ドルでの買い取りを提案しているという。前回、Fortressは債権者に1BTCあたり755ドルでの買い取りを打診していたため、今回の提案ではその時よりも71%割高の価格が設定されたことになる。

Fortressは、口座価格の12%割引で債権の買収を試みており、マウントゴックスが抱えるCoinLabやTibanneとの訴訟による影響を考慮すれば、公正な価格であると主張している。それに加え、Fortressは日本での裁判が長期化し、3年から5年の時間を要する可能性があると文書の中で言及した。

昨年夏にもFortressは、債権者に対して1BTCあたり900ドルでの提案を行なっており、積極的にマウントゴックスの債権を買い集めている状況だ。この債権買収に向けてFortressがどの程度の資金を用意しているかは明らかではなく、その支払いが法定通貨で行われるかどうかなども含めて不鮮明な点も存在している。しかしながら債権者にとっては、これが債権を現金化する好機となることが予想されるだけに、Fortressの提案は双方にとって有益なものになり得ると言えるだろう。

release date 2020.02.24

出典元:

ニュースコメント

収束に向かうマウントゴックス事件

当時、世界最大のビットコイン(Bitcoin)取引所だったマウントゴックスは、ハッキングによって会社資産の88%にあたる85万BTCが盗難されたと主張していたが、捜査が進む中で会社関係者による横領があった可能性が浮上している。これに対して検察側は、マウントゴックス元CEOに懲役10年を求刑し、この刑事事件は収束に向かっているようだ。また、債権者への補償に関しても、マウントゴックス管財人が債権届出を承認するなど、現金や仮想通貨での払い戻しを行う方針を固めているという。しかしながら同社は、多方で民事訴訟を抱えているため、全ての裁判に決着がつくのはまだ先のことになると言えるだろう。マウントゴックスやコインチェックのハッキング事件を機に、日本では金融庁主導で仮想通貨市場の規制厳格化が進んでいるが、国内の取引所および仮想通貨関連企業は信頼を取り戻すことができるのか、今後も国内市場の動向に注目していきたい。


Date

作成日

2020.02.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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