作成日
:2020.02.07
2021.08.31 15:29
今月5日、ビットコイン(BTC/USD)価格は下方向への圧力が強まる中、ここ3カ月の高値である9,700ドルラインを一時的に突破する動きを見せた。
同日午前中からビットコイン価格は、9,250ドル付近で横ばいに推移していたが、一時的におよそ3カ月前に記録した高値を超える9,775ドルにまで到達した。その際、ビットコイン価格は前日比で5.9%増となったものの、高値圏からの売り戻しで最終的に9,559ドル付近で落ち着いている。英国の仮想通貨関連会社であるBCB GroupのCEOを務めるOliver von Landsberg-Sadie氏によると、最近のビットコイン相場は、流動性が低くなっていることが幸いして買い注文の勢いが増幅されているという。これに加えて、Landsberg-Sadie氏は、半減期を理由とした強気なマーケットセンチメントを背景に、今後も大口注文がビットコイン価格に影響を与える可能性があると指摘している。
一方、Three Arrows Capitalの共同創立者であるSu Zhu氏は、イーサリアム(Ethereum)をはじめとする主要なアルトコインが、このビットコインの好調を牽引していると語った。特に最近では、イーサリアムの新しいブロックチェーン規格であるETH2.0のローンチに向けての取り組みが進んでいることに加え、Bakktが仮想通貨関連商品の拡大を示唆し、米商品先物取引委員会(Commodities and Futures Trading Commission, CFTC)が同仮想通貨を対象とした商品を承認する可能性があると述べたことがポジティブに作用していると考えられる。
イーサリアム価格は、リップル(Ripple)と並んで上昇しており、過去7日間で18.5%の高騰を記録している。更に過去24時間でビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)価格は17.6%、ビットコインSV(Bitcoin SV)価格は12.9%の高騰を見せているが、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。
release date 2020.02.07
ビットコインを始めとする多くの仮想通貨プロジェクトは、P2P(ピア・ツー・ピア)ベースのブロックチェーンを利用した決済システムや、DApps(分散型アプリ)のプラットフォームを実現することを念頭に開発が進められている。今の所、仮想通貨は投機的な面ばかりが目立っているが、本来期待されている一般社会に波及するほどのユースケースは、ほとんど確立されていない状況だ。その中でも先日、プロモーション活動として、ビットコインのライトニング・トーチが38カ国以上に波及し、ソリューション開発が流動的になることを報告されるなど、現実的に普及するまでの道のりを確実に前進している様子がうかがえる。年初から続く不安定な状況を受け、一部コミュニティでは、世界情勢と仮想通貨価格の相関性に関する議論が高まりを見せているが、今年は仮想通貨の技術的な進歩にも注目して行きたい。
作成日
:2020.02.07
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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