作成日
:2020.01.08
2021.08.31 15:29
米軍によるイラン精鋭部隊のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官の殺害を受け、ニューヨーク州金融サービス局(The New York State Department of Financial Services)【以下、NYDFSと称す】は、イラン政府が関与したハッカーによるサイバー攻撃の可能性が高まっていることに関して、米国金融機関に警戒を呼び掛ける声明文を公表した。
NYDFSは、イランが支援するハッカーによるサイバー攻撃の差し迫った脅威や、具体的な被害報告はまだないものの、同国の能力や歴史を鑑みて、米国金融機関はイランからのサイバー攻撃の可能性に備えるべきだと強く警戒を呼び掛けている。
イランは、米国金融機関にサイバー攻撃を仕掛けた歴史がある。2012年と2013年には、イランによる支援を受けたハッカーが、バンクオブアメリカ(Bank of America)やニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)、ナスダック(NASDAQ)など複数の米国主要金融機関にDDoS攻撃(複数のコンピューターから標的のサーバーに大量の処理負荷を与えることでサービス停止状態へ追い込む手法)を行ったことにより、これらの金融機関のウェブサイトは混乱をきたした。その際には、レオン・エドワード・パネッタ(Leon Edward Panetta)元米国防長官が、米国はサイバー関連のパールハーバー(真珠湾攻撃)リスクに見舞われていると警鐘を鳴らしていた。
歴史的に、イランは主にセキュリティパッチを適用されていない機器を狙ってフィッシングやパスワードスプレー攻撃、クレデンシャルスタッフィング攻撃などのシンプルなサイバー攻撃を仕掛ける傾向にあった。しかしながら、2019年6月、イランが米軍機を撃墜したことを受け、両国の緊張が高まった際、米国政府はイラン政府が支援するハッカーによる米国企業や政府機関が保有するデータの削除、もしくは暗号化データの搾取を狙った高度で破壊的なサイバー攻撃が増加していると指摘していた。尚、NYDFSはサイバー攻撃が行われやすい夜間や週末に関して、更に警戒するよう呼び掛けている。米国とイランの関係改善の糸口が見つからない中、米国金融機関は早急にセキュリティレベルの維持・向上を図るソリューションを提案する必要があるといえそうだ。
release date 2020.01.08
2020年は、グローバルに地政学リスクが高まることで、FX市場のボラティリティが大きく拡大する可能性がある。実際に、年始早々、米国によるイラン攻撃を受けてビットコイン価格が急騰した。一般的に地政学リスクが高まると、資金の逃避先である金や投機資金が流入する原油が買われるが、ビットコインは金との類似性が指摘されており、金や原油価格に連動して価格が大きく上昇した。また、FXブローカーを揺るがす米中貿易戦争も、交渉が進展もしくは後退のいずれに傾いたとしても、引き続きFX市場に大きなボラティリティを生み出すイベントといえるであろう。2019年に、ブレグジット交渉を巡り強気相場の英ポンド通貨ペアのボラティリティが大きく高まったように、2020年は地政学リスクをきっかけとして市場の値動きが高まる可能性がある。加えて、2020年はグローバルに重要な選挙が控える選挙イヤーでもある。1月11日には台湾総統選挙、11月には米国大統領選挙が予定されている。これらのビッグイベントを前に、ボラティリティの高まりが予想されることから、FXトレーダーはリスク管理などを徹底させる必要がありそうだ。
作成日
:2020.01.08
最終更新
:2021.08.31
国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー