Select Language

強気相場の英ポンド通貨ペア

強気相場の英ポンド通貨ペア

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:29
強気相場の英ポンド通貨ペア

update 2021.08.31 15:29

英国総選挙で保守党が大勝したことを好感

12月12日に実施された英国の下院総選挙で、ボリス・ジョンソン首相率いる保守党が大勝したことを受け、英ポンド通貨ペアは一時急騰する場面が見られた。[1]

同選挙において、保守党は選挙前よりも47議席伸ばし、下院の定数である650議席のうち365議席を獲得した。これにより、ジョンソン政権は、過半数となる326議席を大きく上回る議席を確保し、英国民からの強い付託を得たことで、ブレグジットを推し進めることになる見通しだ。一方で、野党・労働党は59議席を失う惨敗を喫したことを受け、ジェレミー・コービン党首が次回の総選挙を前に辞任することを表明した。今回の総選挙における大敗は、コービン党首率いる労働党が過激な左翼主義の政治マシーンと化したものの、国民の信任を得ることができなかったばかりか、議席を大きく失ったことで労働党の基盤が揺らいでいたことが要因といえるであろう。

他方で、英国総選挙で保守党が勝利を収めたのち、英ポンド/米ドルが一時1.33482ドルほどまで上昇するなど、英ポンド通貨ペアは短期的に強気な相場展開となった。実際に、総選挙前に1.28ドル近辺で推移していた英ポンド/米ドルは、選挙後に0.05ドルも上昇し、投機筋による取引が活発化している模様だ。また、テクニカル指標は明確に強い買いを示しており、指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average, EMA)及び単純移動平均線(Simple Moving Average, SMA)の5、10、30、50、100、200日移動平均の全てで買いシグナルが出現している。ただし、相場の強弱や勢いを読み取るオシレーター系のRSI(Relative Strength Index)やコモディティチャネルインデックス及びモメンタムオシレーターは売りシグナルを点灯していることに注意が必要であろう。

FX取引を行う際は、地政学リスクを注視する必要がある。たとえば、2016年6月23日に実施された英国の国民投票で、予想外にもEUからの離脱が決まったことを受け、英ポンド/米ドルが1.48ドルから1.21ドルへ急落したように、政治的要因は各国通貨に大きな影響を与える。また、経済活動コストの変動を表す消費者物価指数(Consumer Price Index)【以下、CPIと称す】もFX相場に影響を及ぼす主要経済指標の一つだ。各国の中央銀行は、物価の安定と完全雇用を目指しているが、CPIへの注目も高まっている。一般的に、CPIがインフレ目標水準を下回ると、該当通貨ペアは即座に売買される。仮に、インフレ率が安定的に上昇すれば、通貨の価値が下落し、弱気相場となる傾向がある。このことから、投機家はインフレ率を見ることで、通貨の価値を判断している模様だ。更に、失業率もFX市場に影響を与える要因の一つである。失業率の低下は、その国の経済の足腰が強くなっていることを示しており、強気相場になる傾向がある一方で、失業率の悪化は通貨を売る要因となり、弱気相場になると捉えられている。

このように、FX取引を行う際には、多くの要因、経済イベント、事象が影響してくることから、FX投資初心者にとっては、相場の方向性を判断する際、マクロ環境を十分に分析する必要があるといえるであろう。

release date 2019.12.18

出典元:

ニュースコメント

ブレグジット動向は多くの取引機会を創出するビッグイベント

ジョンソン首相率いる保守党が英国総選挙で大勝したことを受け、同国のEU離脱が2020年1月31日に実現されることがほぼ確定した。しかしながら、足元では同首相がEUとの通商交渉において強硬路線をとる考えを示したことが嫌気された。これを受け、英ポンド/米ドルは総選挙前後の値上がり分を消しており、総じて英ポンド通貨ペアは引き続き高ボラティリティな相場展開となっている。ブレグジットを巡っては、ESMAがECに第三国CCPの監督スキームを提案したほか、FCAが金融パスポート継続措置の利用申請期限を延長させるなど、欧州各国当局が粛々とブレグジット対応策を講じている。また、企業レベルにおいても、ユーレックスがクロスカレンシースワップの中央清算業務を開始するなど、各金融サービスプロバイダーが、ブレグジット後を見据えたサービス体制の強化を推し進めている状況だ。海外FXブローカー及びトレーダーにとっては、ボラティリティの上昇を背景として、引き続きブレグジット動向が多くの取引機会を創出すると予想される。


Date

作成日

2019.12.18

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル