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ESMA、ECに第三国CCPの監督スキームを提案

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update 2022.01.24 17:30
ESMA、ECに第三国CCPの監督スキームを提案

update 2022.01.24 17:30

EMIR2.2の第三国CCPの区分けや手数料体系などを提示

欧州証券市場監督局(The European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】が、欧州委員会(European Commission)【以下、ECと称す】に対し、欧州市場インフラ規則(European Market Infrastructure Regulation)【以下、EMIRと称す】に基づく第三国中央清算機関(Third-Country CCP)【以下、第三国CCPと称す】に関する3つのテクニカル監督スキームを提案したことが明らかになった。[1]

今回、ESMAは第三国CCPの監督スキームとして、EU加盟国の金融システムに重要な第三国CCPを選定する詳細な基準と、比較可能なコンプライアンスの評価方法、そして第三国CCPに課す手数料の3つを提示したとのことだ。

まず、EU加盟国の金融システムの安定化を図るべく、第三国CCPを金融システムにおいて重要か否かでティア1、2のカテゴリーに分類する基準を定めたEMIRの改正版であるEMIR2.2に関して、ESMAは第三国CCPの区分け及び評価プロセスに関するガイダンスを公表した。またEMIR2.2においてティア2のカテゴリーに該当した場合、EMIR及びEU加盟各国で求められる全ての要件を満たさなければならない規定を導入しており、比較可能なコンプライアンス基準を設けることで、ESMAが特定の評価プロセスのもと、ティア2第三国CCPを監督することができるという。更にEMIR2.2では、EUで事業を営む第三国CCPに対し、監督・管理に関連した手数料負担を求めているが、ESMAは各カテゴリーに属する第三国CCPに対し、監督手数料の支払いと返済条件並びに第三国CCPの認可・取消に関連した手数料の詳細に関する提案を行った模様だ。

ESMAはEMIR2.2に関連した委任法令(Delegated Act)の整備に向け、ECに対して同監督スキームを提案しており、今後はECがESMAの監督スキーム案をもとに最終決断を下す前に、同案の有効性などを検証する調査期間が設けられる見通しである。

release date 2019.11.12

出典元:

ニュースコメント

ブレグジットを機に市場シェアの拡大を目論む各国CCP

今回の第三国CCPに関する監督スキームの提案に先立ち、ESMAは英国CCPに事業認可を与える意向を示しており、合意なき離脱(ハードブレグジット)時の欧州域内の金融システムの混乱回避に向けた対応策を粛々と進めている状況だ。そして、ESMAから事業認可を得られる見込みのLCHは、ユーロ建て金利スワップで圧倒的な市場シェアを握っているほか、同社傘下のForexClearがTradeNeXusと統合するなど、EU離脱後も引き続き中央清算業界をリードしていく意向である。他方で、中央清算業務は成長産業に位置づけられており、ドイツ取引所傘下のユーレックスOTCクリアにバークレイズが加入するなど、他国のCCPもブレグジットをきっかけとして勢力の維持・拡大を目指し積極的に動き出している。ブレグジットを巡っては、英国で12月12日に総選挙が実施される見通しだ。そのため、外国為替市場ではポンド通貨ペアを中心に選挙関連のニュースヘッドラインに振り回される展開になると予想されるが、その水面下で激しいつばぜり合いを繰り広げている各国CCPの事業拡大戦略にも注目したい。


Date

作成日

2019.11.12

Update

最終更新

2022.01.24

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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