作成日
:2019.10.24
2021.08.31 15:29
低いボラティリティでの保ち合いが続く中、先日、ビットコイン(BTC/USD)価格はおよそ15分間で500ドル程度の急落に見舞われ7,500ドル付近にまで後退し、6月10日以来となる4カ月ぶりの安値を更新した。
仮想通貨メディアのCoinDeskが手がけるBitcoin Price Index(BPI)によると、当日、ビットコイン価格は一時7,549ドルの安値を付けており、時価総額も1,350億ドルにまで下落したという。今回の変動は日間ボラティリティがここ6カ月半で最低値となる2.58%を記録する状況で発生したため、仮想通貨市場にとってはサプライズとなったが、現在、ビットコイン価格は落ち着きを取り戻して7,500ドル前後の価格帯で安定的に推移している。
9月末からビットコイン価格は7,850ドルから8,500ドルのレンジに留まっており、フィボナッチ比率線を含む主要なテクニカル指標が売り勢力の減退を示していたことから、強気なブレイクアウトが発生するとの見方が優勢だった。しかしながら、ある報告では長期間にビットコインを買い支えてきた投資家が疲弊し、価格の下落と合わせてポジションを手放したため、下向きの力が加速度的に強まったと分析されている。このブレイクアウトがどこまで継続するかは未知数だが、6月の日足チャートで底値を形成する7,430ドルラインが次の支持線となっているようだ。
ビットコイン価格は前日比で7%の下落を記録したが、他の仮想通貨も同様に、バイナンスコイン(Binance Coin)およびライトコイン(Litecoin)は8%のマイナス、リップル(Ripple)やビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)は6%から7%も価格を落としている。先日、米不況で金が高騰もビットコインは横ばいな動きを見せていることが報告されたが、この下向きのブレイクアウトの発生がどのような影響を及ぼすのか、今後も仮想通貨市場での展開に注目していきたい。
release date 2019.10.24
仮想通貨価格の急な下落で多くの投資家がビットコインをはじめとする主要通貨の動きに危機感を募らせているが、米調査会社のTom Lee氏はこのリスクオフの流れが同仮想通貨を適切な価格に押し戻すとの見解を示している。Lee氏によると、今月初旬にビットコイン価格が8,000ドルに復帰し、未だ長期的には強気相場の様相を維持していることが見受けられるが、7,000ドルを割るあたりでようやく投資におけるリスク・リターンの比率が適正になるという。また、Lee氏は一時的な価格の暴落は押し目買いの機会を創出するため、投資家にとっても決して悪いことばかりではなく、仮想通貨市場に継続的に投資を呼び込むためには必要なサイクルだと主張した。反対に米CFTC元会長はビットコインバブルの終焉を示唆しており、ビットコイン先物の登場で売り圧力が容易に高まるようになったと発言しているが、今後も仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。
作成日
:2019.10.24
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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