作成日
:2019.10.08
2021.08.31 15:29
先月30日に19%の下落を記録して7,730ドルまで転落したビットコイン(BTC/USD)価格だが、今月4日以降の週末で8,000ドルに復帰し、尚もテクニカル指標は1通貨あたり8,500ドルを超える水準にまで達する可能性があることを示唆している。
現在、3日足のチャートではビットコイン価格が100週平均移動線の支持線を背に上向きに推移しており、直ぐ上に存在する50%のフィボナッチ比率線に向かう動きを見せている状況だ。ここをブレイクアウトできれば、ビットコイン価格が38.2%の比率線が位置する9,800ドルラインまで上昇する可能性が出てくると言えるだろう。これをサポートするように、トレンドの反転期を示すTDシーケンシャルインディケーターも3日から12日以内にビットコイン価格が上昇に転じることを予測するシグナルを発している。また、12時間足のチャート上でも、TDシーケンシャルインディケーターは強気のパターンを示しており、買い圧力が高まる時期が近づいていることを知らせているようだ。
ここ2週間以上に渡ってビットコイン価格は8,500ドルから7,800ドルのレンジで推移しており、これを超えてブレイクアウトが発生すれば大幅な価格変動となることが予想されている。下向きにブレイクアウトが発生した場合、6,500ドルから6,900ドルの価格帯にまで急落する可能性が高いが、そこに到達するまでに強力な支持線となっている100週平均移動線を突破しなければならない。現在の週足チャートにおける価格推移と2020年5月に半減期が迫っている状況は、2017年末にビットコイン価格が2万ドルに到達し、その後、半減期の7カ月前に100週平均移動線が下抜かれた時と類似しているため、この支持線が破られることも十分に考えられる。
日足チャートでは、売られ過ぎや買われ過ぎを判断するRSI(Relative Strength Index)が売りの勢いが弱まっているシグナルを出しているのに加え、値動きのモメンタムを表すMACD(移動平均収束拡散法)もトレンドの終わりに近づいていることを示している。100週平均移動線でビットコイン価格が跳ね返ると、200日平均移動線の8,564ドルラインが第一の抵抗線となり、6月2日の高値である8,833ドルが次の障壁となり得る。しかしながら、KR1 plcの共同創立者兼CEOであるGeorge McDonaugh氏など、2020年前半にビットコイン価格が2万ドルを超えると予測する業界関係者も存在し、これらの抵抗線を一気に上抜ける可能性もあるようだ。
今月に入って米不況で金が高騰もビットコイン価格は横ばいな状況が続いていたが、ここにきて再び活発な動きを見せはじめている。また、CMEの仮想通貨オプションがローンチを予定していることもあり、今年後半に向けて仮想通貨市場が盛り上がる可能性を含んでいるだけに、今後もその動向に注目していきたい。
release date 2019.10.08
バイエルン州立銀行によると、ビットコインは2,100万通貨を発行上限としているため、その価値は金のように上昇し続け、2020年春までに適正価格である9万ドルに達するという。この9万ドルという予測は流通量(ストック)と発行量(フロー)から算出されているが、今後も変わらず仮想通貨に対する需要が存在することが前提とされており、必ずしも正確な予測だとは言い難いだろう。現に、仮想通貨の需要は投機的な試みに依存している部分が大きく、決済や国際送金など、通貨として本質的な価値を生み出す行為にはあまり利用されていない。Facebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)やリップル社の送金ネットワークなどの具体的なプロジェクトが進んでいるものの、その行く先は非常に不透明だと言えよう。それでも今月1日にビットコイン価格は800ドル以上の急反発を見せ、上を目指す様相を呈しているだけに、今後もその展開を見守っていきたい。
作成日
:2019.10.08
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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