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香港SFC、仮想通貨ファンド向けの規制を発表

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update 2021.08.31 15:29
香港SFC、仮想通貨ファンド向けの規制を発表

update 2021.08.31 15:29

公正な運用と流動性資本の確保が義務化される

香港証券先物委員会(Hong Kong Securities and Futures Commission)【以下、香港SFCと称す】は、政治的な混乱で同地域のビットコイン取引量が過去最大を記録する中、仮想通貨関連商品を運用する投資ファンド向けの新しい規制を発表した。[1]

今回新しく発表された規制には、ファンドの構成方法、リスク管理、カストディ、記録保持、資産分離、その他の法的に重要な問題に関するガイドラインが記されているという。これにより、香港の投資ファンドが仮想通貨関連商品を取り扱う場合、300万香港ドル(約38万3,000ドル)以上の流動資本を常に保持することが義務付けられた。加えてこの規制では、投資ファンドが機能的に独立した管理者を任命、または自己管理を行うために適切なポリシーやプロセス、内部統制を確立する必要があることが明示されている。自己管理を行う投資ファンドは、具体的に顧客資産を分離するための銀行口座を準備し、ファンドマネージャーや管理者を選出しなければならない。また、香港SFCはこの規制でICO(イニシャルコインオファリング)に関してのガイドラインを定めており、投資ファンドがICOに参加して獲得した仮想通貨を出資者に均等に割り当てるよう促している。

今年6月に香港が刑事事件における容疑者を中国本土へ引き渡すことを可能にする引き渡し条例の審議を開始したため、現在香港では中国の支配に反発するデモ活動が行われており、市民が暴徒化している状況だ。また、この引き渡し条例に伴って緊急規制条例(ERO)が発令されれば、国内の資金が凍結される可能性も出てくるという。これを受けて香港市民はATMを通じて現金の確保を試みており、市内に設置された3,300台のATMの内10%が破損、5%が現金不足に陥っていることが金融庁の発表で明らかになった。

このような背景から、香港では現金の確保が難しくなっており、仮想通貨取引所でのビットコイン(Bitcoin)取引が活発になっているという。一方、ベネズエラではペトロが給与と価格制度に導入されたものの、国民は香港市民と同様にビットコインを買い求めている。両政府がどのような動きに出るのか、今後の展開に注目したい。

release date 2019.10.08

出典元:

ニュースコメント

インド政府の出金制限で仮想通貨需要が高まる

香港やベネズエラでは法定通貨の信頼が揺らいでおり、仮想通貨に対する需要が高まっているが、インドでも準備銀行(RBI)がパンジャブマハラシュトラ協同組合銀行(Punjab Maharashtra Co-operative Bank)に出金規制を課したことをきっかけに同様の現象が発生しているという。しかしながら、インド政府は仮想通貨取引の全面禁止を発表し、今年6月にはマイニングや取引に関与した者に最大10年の禁固刑または重度の罰金刑を課す法案を精査していることが報道された。2018年時点ではインドで大手仮想通貨取引所が仮想通貨ATMの導入を計画するなど、国民にも政府の金融支配を逃れる余地があったものの、それも厳しい状況になっているようだ。Facebook(フェイスブック)のリブラ(Libra)の台頭で仮想通貨に対する風当たりは益々強まっているが、人々はこの情勢をどのように見ているのか、今後の仮想通貨市場の動向を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.10.08

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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