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海外FXブローカー、CySECの新規制策に対応する必要性

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update 2022.01.26 11:51
海外FXブローカー、CySECの新規制策に対応する必要性

update 2022.01.26 11:51

規制対応を図るべくレグテック関連商品の活用が進む模様

CySECが個人投資家向けFX・CFD規制策の導入を検討していることを受け、海外FXブローカーにとっては、個人投資家を3つのカテゴリーに分類した新規制策への対応を図る必要性が高まっている。

東地中海に位置するキプロスは数多くの海外FXブローカーが進出する一大拠点となっているが、同国の金融監督体制は規制を強化する欧州証券市場監督局(European Securities and Markets Authority)【以下、ESMAと称す】に足並みを揃える形となっている。しかしながら、ブローカー各社は過去5年間ほどに亘る数多くの規制策への対応に苦慮している状況だ。監督当局が打ち出す規制策は個人投資家保護や企業の倒産防止を主な目的としているが、規制及び監督が厳格なものになりすぎると、流動性の低下やリテールFX業界に悪影響を及ぼす可能性もある。そのためCySECでは、それぞれの金融商品のリスクをもとに、多少柔軟性を持たせたレバレッジ規制策を導入する方針を決めた模様だ。

新規制策においては、リスク許容度や経験、知識、過去の市場ボラティリティ、年収もしくは純資産などの基準をもとに個人投資家を分類し、それぞれの区分に応じて金融商品ごとに異なるレバレッジ制限を適用させる見通しである。また、個人投資家は基本的にポジティブもしくはネガティブに区分されるほか、両カテゴリーの中間に位置するグレー区分も設けられる模様である。加えて、最も高いレバレッジを利用できる投資家層は、1年間に4万ユーロの収益を計上、もしくは20万ユーロの純流動性資産の保有が求められ、主要通貨ペアに関しては最大レバレッジ50倍まで利用でき、ESMAの30倍と比較して高い設定となっている。一方でグレー区分の投資家は、主要通貨ペアについてはESMAと同水準の最大レバレッジ20倍の利用に留まるとのことだ。

投資家層の分類分けは、CySECによる監督を強化する狙いがある。また、仮にキプロス当局が導入を試みている新規制策が機能した場合に追随すべく、他の欧州各国当局もCySECの規制動向を注視している状況だ。なおCySECでは、バイナリーオプションの縮小や仮想通貨などハイリスク商品の取引制限、証拠金維持率が50%を下回った場合のロスカットやゼロカットシステムの適用、投資家向けの全てのインセンティブ付与の禁止、顧客の損失割合を含むリスク警告の掲載なども求めている。

一方で、多くの海外FXブローカーが信頼の置けるコンプライアンスや決済サービスプロバイダー(Payment Services Provider, PSP)を求めている。イスラエルを拠点とするテクノロジープロバイダーであるLeverate(本社:Derech Sheshet Hayamim 30 Bnei Brak[1])のエグゼクティブディレクターであり、CySECの規制動向に詳しいAlkis Hilton氏は、FX規制は欧州全域で規制強化が推し進められており、キプロスも例外ではなく、規制の変化を認識し適切に対応することが非常に重要であるとコメントしている。また、同社が提供するLXLiteはCySECの規制策やライセンス要件などを全て遵守することができるという。多岐に亘る規制に効率的に対応すべく、LXLiteのようなレグテック商品の活用が拡大すると予想される。

release date 2019.09.06

出典元:

ニュースコメント

注目度が高まるレグテック関連ビジネス

ESMAを始めとする欧州各国の監督当局による規制強化の推進に伴い、海外FXブローカーには規制に対応した効率的な業務運営が求められている。このような市場環境下において、Leverateを含むレグテックソリューションを提供する企業への注目度が高まっている。2007年に創業したLeverateはレグテック市場拡大の波に乗り、顧客ニーズにマッチした包括的なソリューションパッケージの提供を行っている。同社のLXLiteを活用することで効率的に規制を遵守したブローカレッジビジネスを運営することが可能となるため、海外FXブローカーにとっては熾烈を極める顧客獲得・維持に注力することができるようになるという。特に即座の規制対応や適切な決済サービス及びリスク管理を必要とする新興ブローカーにとっては、LXLiteを活用することで非常に高い効果を期待することができるといえるであろう。なお、他のレグテック企業動向としては、SteelEyeがGold-iと提携しポストトレードや最良執行に関するソリューションの提供を行うほか、HooYuがFXブローカーにレグテック活用を推奨し各種規制に対応した効果的なKYCプロセスの実現を図っており、今後も各企業による活発な動きが見られることだろう。


Date

作成日

2019.09.06

Update

最終更新

2022.01.26

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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