Select Language

トルコ政府、中央銀行主導の仮想通貨発行を検討

トルコ政府、中央銀行主導の仮想通貨発行を検討

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
トルコ政府、中央銀行主導の仮想通貨発行を検討

update 2021.08.31 15:26

ブロックチェーンの活用と併せて経済効果に期待

今月8日に公開された第11次開発計画(The Eleventh Development Plan)によると、トルコ政府が中央銀行による仮想通貨の発行を軸に、国内経済の再興を図る案を議会で検討していることが明らかになった。

第11次開発計画は2019年から2023年までの期間を対象とし、トルコ経済を復興させるための指針となることが期待されているが、その中には、中央銀行主導の仮想通貨以外にも、ブロックチェーン技術を積極的に活用していく案も盛り込まれているという。例えば、輸送や関税分野では、法的および技術的な支援を行うプラットフォームの構築、公共サービスの分野では人工知能やIoTの基盤としてブロックチェーンを利用することなどが提案されている。

この計画の中で中央銀行が主導する仮想通貨に関しての詳細は開示されていないものの、トルコ政府には2018年頃からTurkcoinと呼ばれる仮想通貨を開発する案が存在していたという。当時の報告によると、このアイデアはトルコの民族主義者行動党(Nationalist Movement Party)の副党首で元産業大臣でもあるAhmet Kenan Tanrikulu氏が提案したものだというが、今回の件もその流れを受け継いで検討が進められている可能性があるといえよう。

他の提案としては、実験的な規制特区の解放、電子マネー取引協会の設立、フィンテック機関の立ち上げなど、直接的には仮想通貨に関係はないが、国内の金融市場に変化を促す内容が含まれているようだ。一部報道によると、トルコのRecep Tayyip Erdogan大統領は、今週中にも中央銀行が経済を支援する策を打つことを公言している。[1]このことに関する同行のアクションに期待しつつ今後の状況を注視していきたい。

release date 2019.07.11

出典元:

ニュースコメント

インフレや財政赤字の問題が表面化

トルコでは歴史的な通貨安が進行しており、現在、トルコリラの政策金利は24%に達し、今年5月のインフレ率は前年比で18.7%にまで上昇している。米国の大手投資銀行であるJPモルガン・チェースが売りを推奨したことも重なって、ここ最近のトルコリラは対米ドルの為替レートが最安値を更新し続けている状況だ。GDPが年々増加しているトルコでは、ある程度のインフレが発生することは自然なことだが、問題はトルコ政府が「双子の赤字」と称される経常収支と財政収支のマイナスを抱えていることだと言えよう。仮想通貨分野に注力することで経済を刺激する公算もトルコ政府にはあるものの、本質的には立ち行かない財政状況が改善することはない。2019年6月には大手仮想通貨取引所Huobiのトルコ市場進出も報道され国内での仮想通貨に対する注目度は高まっているといえよう。しかし、今回のトルコの動きが、通貨危機を逃れる目的で国営の仮想通貨であるペトロを発行したベネズエラに類似しているとの見方もできる。米国ではすでにドナルド・トランプ大統領が、米国民のペトロの取引を禁止するなど、ベネズエラの国際的信用は失いつつあり、このような流れの中で舵を切ったトルコ政府も同じ運命を辿っていくのか、今後の展開を見守っていきたい。


Date

作成日

2019.07.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

XMTradingがお年玉プロモーションを実施

海外FX業者XMTradingは、2024年12月3日〜12月31日までの期間限定で、お年玉プロモーションを実施すると発表しました。200ドル相当を入金して、2ロット以上取引すると抽選に参加できます。
update2024.12.03 19:00

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル