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bitFlyer、新規口座の開設を1年ぶりに再開

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update 2021.08.31 15:26
bitFlyer、新規口座の開設を1年ぶりに再開

update 2021.08.31 15:26

業務改善命令に沿った体制構築に取り組む

日本の大手仮想通貨取引所である株式会社bitFlyer(本社:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー8階[1])【以下、bitFlyerと称す】は、自主的に停止していた新規口座の開設を7月3日から約1年ぶりに再開することを発表した。[2]

bitFlyerは本人確認(KYC)プロセスやマネーロンダリング対策(AML)などの甘さを理由に、2018年4月に金融庁(JFSA)から業務改善命令を受けたことをきっかけに、新規ユーザーの受け入れをストップしていたという。それに加えて、オンラインで登録した既存のユーザーを対象に実施した身元と住所の確認作業が個別に完了するまで、bitFlyerは仮想通貨取引や顧客資金の引き出しなどの対応も一時停止していたようだ。

報道によると、低迷する仮想通貨市場の影響もあり、当時、bitFlyerはコスト削減を優先させる方針を取っていたため、内部監査を含めた運営体制の整備にまで手が回っていなかったことが明らかになっている。それに対して金融庁は、bitFlyerにマネーロンダリング対策やテロ資金供与防止(CTF)を目的とした管理システム、並びにプライバシーや記録管理を行うためのシステムの構築を求めると同時に、2020年7月23日までに業務改善計画を提出することを同社に義務付けた。

昨年6月、bitFlyerは管理システムを強化することで法令遵守を徹底し、信頼回復に務めたいとの声明を出しているが、今回、新規口座の開設を再開したことから、体制強化やシステム構築にある程度の目処が立ったものだと思われる。金融庁が指定した業務改善計画の提出日まで余裕はあるが、bitFlyerには改善活動の早期完了を目指して欲しい。

release date 2019.07.03

出典元:

ニュースコメント

市場の透明性維持に努める金融庁

G20サミットの開催で国際的な金融犯罪のリスクに対する意識が高まりつつある中、金融庁は仮想通貨によるマネーロンダリング対策の一環として、取引所や銀行、証券会社などに立て続けに業務改善命令を出しているようだ。今年4月にZaifの事業を継承したフィスコ仮想通貨取引所に対しても、先月21日に4度目の業務改善命令を下し、運用面での安全性を向上させるよう要求している。また、既存の金融業界では、西武信用金庫やシティ証券、野村証券などがそれぞれ不正を働いたとして業務改善命令を受けており、金融庁が国内市場における透明性の維持に努めている様子がうかがえる。昨年の仮想通貨業界では、コインチェックやZaifのハッキング事件が発生したことも影響し、登録拒否や業務停止に追い込まれた数社を除いては全ての取引所が業務改善命令の対象となった。先月28日には、ビットポイントが金融庁への報告義務を終えたことを報告しているが、bitFlyerを含む他の取引所は金融庁が求める運用基準をクリアすることができるのか、今後も各社の取り組みに注目していきたい。


Date

作成日

2019.07.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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