作成日
:2019.06.12
2021.08.31 15:26
大手仮想通貨メディアのCCNは、Googleが実施したコアアップデートの影響でサーチエンジンからのトラフィック流入が激減したことを理由に、同社のウェブサイトを閉鎖することを今月10日発表した。
CCNによると、今月実施されたGoogleのコアアップデートにより、サーチエンジンから流入するトラフィック(アクセス数)が70%減少したという。CCNはオンライン広告を主な収益源としていたが、訪問者が激減したことで、それが運営を継続できないレベルにまで低下したようだ。今回のコアアップデートが仮想通貨関連のウェブサイトを中心に打撃を与えたことは間違いないが、CCNの創立者であるJonas Borchgrevink氏は、The Daily Mailやmercola.comなど、仮想通貨に関連しないウェブサイトにも影響が及んでいることを指摘している。
現在、CCNはGoogleのウェブマスターフォーラム(Googleとユーザーのコミュニティ)で、検索結果に同社のウェブサイトが表示されなくなったことに関しての説明を求めている。CNNはGoogleに対して、同社のサービスを狙って閉鎖に追い込んだと批判すると同時に、世界中のメディア組織と徒党を組み抗議することを計画している模様だ。 Googleがコアアップデートでどのような操作を行ったのかは明らかではないが、多くのウェブサイトが経済的な損失を受けていることは事実のようだ。被害を免れた仮想通貨関連のウェブサイトは、運営を継続しているものの、今回の件でGoogleに依存するリスクが浮き彫りとなったことから、収益構造の見直しやトラフィックソースの分散など、何かしらの対策を打つ必要性を感じていることだろう。これまでも、Googleは2018年に23億件の悪質広告を削除するなど、大規模な広告ポリシーの変更を行っていることから、Googleの広告規制動向を見据えた慎重な対応が求められる展開が続きそうだ。
release date 2019.06.12
Googleのサーチエンジンには、検査結果を最適化するアルゴリズムが搭載されており、サービスのユーザビリティを考慮し、定期的な改善を目的としたアップデートが実施されている。アルゴリズムの具体的な変更点が明かされることはないが、アップデート後に検索結果における表示順位やウェブサイトの評価値が大幅に変動することは決して珍しい出来事ではない。事実、前回のコアアップデートが実施された3月にも、多くのウェブサイトでトラフィックに急激な変動があったことが報告されたという。ある分析によると、Googleは特定の分野やキーワードに絞ってアルゴリズムの見直しを行う傾向があり、これまでに、バイナリーオプションやCFD取引、また医薬系のキーワードを含むコンテンツがその対象となったと言われている。これまでGoogleは仮想通貨やブロックチェーン分野の取り組みを支持する姿勢を見せてきただけに、今回の件は業界にとっては衝撃的な出来事となったが、次期アップデートではどのような結果となるのか注目されている。Googleに限らず、Facebookが仮想通貨関連広告のポリシーを緩和したことを発表したように、大手検索サービスやSNSが特定の分野に関する広告ポリシーを突如変更するケースが見られるため、今後の展開を見守って行く必要があるだろう。
作成日
:2019.06.12
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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