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米SEC、ブローカー向け利益相反関連の新規制案を可決

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update 2022.01.27 13:25
米SEC、ブローカー向け利益相反関連の新規制案を可決

update 2022.01.27 13:25

顧客の最善の利益を追求する行動を義務化

米国証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)【以下、SECと称す】は、ブローカーが顧客の利益保護を図ることを目的とした、利益相反関連の新規制案を可決した。[1]

今回SECが決議した新ルールにおいては、ブローカーや投資顧問業者が個人投資家に対し、証券取引の推奨及び投資戦略の提供といった投資アドバイザリーサービスを提供する際、利益相反の可能性を伝える必要があり、顧客の最善の利益に基づく行動が求められるとのことだ。従来、ブローカーにとっての主要業務は顧客からの注文を執行することであったが、取引の自動化が進むに連れて、現在は投資アドバイザリーによって収益を稼ぐビジネスモデルに転換している。そこで今回、SECが利益相反ルールに関連した新案を可決したことにより、投資アドバイザリー業務を推進するブローカーに対し利益相反関係の開示を求める新たな業界基準を構築すると共に、顧客の利益を優先する流れが明確なものになった。そして、過去数十年間に亘り改善が求められていた商品性の改良に加え、ブローカーによる透明性あるサービス提供がなされることが期待される一方、個人投資家にとっては投資ニーズや投資環境に応じて金融機関と最適な関係性を構築することができるようになる模様だ。

利益相反に関連した新案を可決したことに際し、SECの委員長を務めるJay Clayton氏は以下のようにコメントしている。

今回の規則制定により、ブローカー及び投資顧問業者は利益相反を開示する法的義務を負うことになります。一方で個人投資家にとっては、多岐に亘る金融商品・サービスを合理的なコストで投資することが可能になるでしょう。また利益相反ルールに関しては、我々が20年間近く何度も議題に挙げ協議を重ねてきたテーマでもあります。

Jay Clayton, SEC Chairman - Finance Magnatesより引用

一方で、民主党委員のRobert Jackson Jr氏が新ルールに関しては効果が不十分な規制策の寄せ集めと批判的な態度を示している。また一部の消費者運動家も、新規制案は投資家保護として不十分であり、最善の利益の定義が不明確であるとも指摘しており、ブローカーと顧客の利益相反問題に関しては、依然議論を巻き起こす可能性が残っているといえよう。

なお米国のFX市場動向に目を向けると、米国リテールFX市場は拡大局面に入る兆しを示しており、IG GroupがFX取引サービスを展開する米国法人を設立するなど、ブローカー動向も活発になりつつある状況だ。そして今回、ブローカー向けの利益相反に関する新案が可決したことをきっかけに、ブローカー各社が顧客本位のサービス提供を徹底させることで、米国FX市場全体が一層活性化することを期待したい。

release date 2019.06.06

出典元:

ニュースコメント

緩やかな新規制ルールにブローカーも歓迎の様子

全世界におけるFXブローカーの数は1200社を超えるとも言われており、ブローカーの超過当競争が行われる中、各社は取引手数料の引き下げ合戦を行うなど、業界を取り巻く市場環境は決して良好とは言えない状況が続いている。こうした背景から、これまでのビジネスモデルでは利益を生み出すことができなくなったブローカーの投資アドバイザリーサービスによる利益確保へのシフトが進んでいる。ブローカーとしても効率よく利益を確保するべく、高手数料の商品や銘柄を優先的にトレーダーへ紹介するケースが頻発するなど、ブローカーとトレーダーの間での利益相違について以前より問題視されてきた。今回の新規制ルールの導入によりブローカーはトレーダーに対して予め利益相違が生じる可能性について説明する義務が生じ、トレーダー保護が図られることが期待されている。世界的な金融規制強化の流れの中で、ASICが全ブローカーに取引データの提出を要請した結果、IFGMが海外顧客口座を閉鎖する結果となるなど、強力な規制ルールの発表により市場に混乱をきたす例も見られる中、今回の新規制ルールは実質的にSECが金融業界に譲歩した結果であると見られている。適切な規制が施行され、FX市場がさらに活性化されていくことに期待したい。


Date

作成日

2019.06.06

Update

最終更新

2022.01.27

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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