Select Language

East Security、北朝鮮によるフィッシング詐欺を警告

East Security、北朝鮮によるフィッシング詐欺を警告

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
East Security、北朝鮮によるフィッシング詐欺を警告

update 2021.08.31 15:26

電子メールに個人情報を不正に盗むマルウェアを添付

セキュリティ企業のEast Securityによると、北朝鮮のハッキング集団が、仮想通貨取引所のUpbit(アップビット)を利用するユーザーを対象にフィッシング詐欺を目的とした電子メールを送付していた可能性があることが明らかになった。[1]

この電子メールは、Upbitの代表を装って送られており、懸賞を受け取るために個人情報の提示が必要だとしてユーザーに返信を求める内容となっている。また、添付ファイルには支払いに関するドキュメントが添付されているが、これを開くと受信者の端末上で悪意のあるプログラムが実行される危険性があり、ユーザーの端末情報や仮想通貨のプライベートキー、ログイン情報などが不正流出しハッキングに利用されるという。

北朝鮮のサイバー攻撃について、East SecurityのESRCセンター長であるMun Jong-Hyun氏は、次のように述べている。

ビットコイン価格が上昇するにつれて、ますます多くのユーザーが取引所を利用するようになっています。これは、被害者の数が増加するのと同時に、取引所に保存されているパスワードが標的になる可能性が高まっていることを意味するのです。

Mun Jong-Hyun, Head of the ESRC Center at East Security - CoinDeskより引用

East Securityによると、今回の添付ファイルに含まれるプログラムは、今年1月に韓国政府を標的にしたハッカーのものに類似しているという。このサイバー攻撃では、マルウェアを含んだ電子メールが報道機関関係者にばら撒かれており、対象となった77名の記者は全て韓国の統一部(対北朝鮮の事務を管轄する韓国の行政機関)に関わりがある人物だった模様だ。ハッカーは、統一部を装い電子メールを送付し、添付のZipファイルを開くよう誘導することでフィッシングソフトウェアのダウンロードを実行させるという、Upbitのユーザーに対する手口と全く同じ方法を採用している。加えて、「Freedom.dll」と呼ばれる有名なマルウェアが利用されたことから、East Securityは、これらの犯行が北朝鮮のハッキング集団であるKim Soo-Kiによる試みだと疑っているようだ。

今回、悪質なことにハッカーは、添付ファイルをUpbitというパスワードで保護し、一般的なウィルス対策ツールを無力化している。これに対しEast Securityは、疑わしいメールからファイルやドキュメントをむやみにダウンロードしないよう注意を促しており、今の所、ユーザーの被害は報告されていないようだが、今後もその状況を見守っていきたい。

release date 2019.06.03

出典元:

ニュースコメント

外貨獲得を狙う北朝鮮の金融ハッカー

これまで北朝鮮は、国防機関や主要なウェブサービスを狙ったハッキングやDDos攻撃などの関与が指摘されていたが、米国を中心とした経済制裁の強まりで外貨獲得の手段が狭まったことから、その標的は金融機関へと明確にシフトしているようだ。これらのサイバー攻撃は、金融ハッカーと呼ばれる専属のハッカーが主導し、過去には規制やセキュリティが緩い東南アジアや中南米諸国の銀行から大量の資金を盗み出している。このような銀行を狙った北朝鮮のサイバー攻撃は、2015年ごろから活発に企てられるようになっており、実際にベトナムやエクアドル、バングラディシュなどが、累計で数十億円規模の被害を受けた。現在は、マネーロンダリング対策(AML)の整備が進むなど、各国がスクラムを組んで規制が強化されているため、北朝鮮は金融制裁の回避策として仮想通貨を利用しているようだ。幸いなことに今回、Upbitユーザーの被害は報告されていないが、ハッカー集団はコインチェックのハッキングに関与した疑いもあり、今後もこの傾向は強まると考えられるだけに、各個人や取引所には十分な注意を心がけてほしい。


Date

作成日

2019.06.03

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル