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グレースケール、イーサリアムに連動した投資信託を公開

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update 2021.08.31 15:26
グレースケール、イーサリアムに連動した投資信託を公開

update 2021.08.31 15:26

FINRAの承認を受けてOTC市場での取引を開始

仮想通貨関連の投資商品を開発するGrayscale Investments(本社:250 Park Avenue South, New York[1])【以下、グレースケールと称す】は、FINRA(Financial Industry Regulatory Authority)の承認を得たことから、OTC(店頭取引)市場でGrayscale Ethereum Trust【以下、ETHEと称す】の取引を開始することを発表した。

2017年にグレースケールが立ち上げたETHEは、イーサリアム(Ethereum)に連動したオープンエンド型の投資信託であり、投資家が現物資産を保有せずとも、同仮想通貨の値動きに対してポジションを取ることを可能としている。ETHEの購入者には、1口あたり0.09662399ETHの所有権が割り当てられているが、管理費用などのコストの支払いに消費されるため、その値は時間経過と共に減少していく構造になっているという。

その他にもグレースケールは、ビットコイン(Bitcoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)、イーサリアムクラシック(Ethereum Classic)、ホライズン(Horizen)、ライトコイン(Litcoin)、ステラ(Stellar)、リップル(Ripple)、ジーキャッシュ(Zcash)のそれぞれに連動した投資商品も提供している。また、昨年には、時価総額が最も大きい5つの仮想通貨への分散投資を実行するGrayscale Digital Large Cap Fundをリリースするなど、グレースケールが積極的な商品開発を行っていることが伺える。このことが功を奏したのか、グレースケールの運用資産残高は、2019年5月15日時点で約190億ドルにまで拡大している。

現在、ETHEは、DTC(証券預託機関)の受け入れを待っている状態のため、市場での取引は成立していないが、近々、財務情報とリアルタイムの板情報へのアクセスが確立される模様だ。ETHEは、Grayscale Bitcoin Trust、Grayscale Ethereum Classic Trustに続いてグレースケールがリスティングした3番目の投資信託となったが、今後、仮想通貨市場の拡大に貢献することを期待したい。

release date 2019.05.24

出典元:

ニュースコメント

多様なサービスや商品が新規市場を開拓

これまで仮想通貨市場は、その激しい値動きから主に投機対象として注目を集めてきたが、最近、既存の金融市場のように様々な投資商品が登場していることから、長期保有を目的とした一般投資家の需要を取り込み始めているようだ。特にスマートフォンアプリをプラットフォームとしたサービスは、仮想通貨投資の敷居を下げるのと同時に、初心者層へ訴求する新しいソリューションになっているという。また、少額の資金での投資を可能とするマイクロ・インベストメント分野のサービスや一般顧客を対象とした仮想通貨関連サービスも盛り上がりを見せており、Facebookがスイスに仮想通貨関連法人を設立したことを発表したばかりだ。賑わいを見せる仮想通貨市場ではあるが、キプロス共和国の金融監督当局であるCySECが専門スタッフを3倍に拡充する計画を発表し、仮想通貨市場の規制及びモニタリングを強化していく意向を表明するなど、今後世界的に仮想通貨に関する規制が強化されていくことが予想されている。各国金融監督当局の政策により仮想通貨の価値が大きく変動することも考えられるため、引き続き今後の動向に注視していきたい。


Date

作成日

2019.05.24

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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