Select Language

IBMとトムソンロイター、新レグテックソリューションを提供

IBMとトムソンロイター、新レグテックソリューションを提供

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
IBMとトムソンロイター、新レグテックソリューションを提供

update 2021.08.31 15:26

リスク管理やコンプライアンス部門の大幅な業務効率化を実現

米IT大手のIBM(本社:1 New orchard Road Armonk, New York 10504-1722 United States[1])と米大手情報サービスのトムソンロイターが、金融機関の規制対応に関する業務負担を軽減させるべく、新たなレグテック(フィンテックを活用して規制対応に関する課題解決を図る技術)ソリューションを提供することが明らかとなった。

両社が協働して提供する新レグテックソリューションは、IBMが開発したAI(Augmented Intelligence, 拡張知能)であるワトソン(Watson)を実装したIBM Cloudを通じて膨大な量に上る情報から金融サービス関連の規制データをリアルタイムに提供するサービスとのことである。このソリューションには、IBMが2016年に買収したリスク管理やコンプライアンス関連のコンサルティングファームであるプロモントリーファイナンシャルグループが有する豊富なドメイン知識も存分に活用されているという。

グローバルベースで目まぐるしく変化する規制環境の中、金融機関は日々数百の規制関連の情報を収集し、2020年までに新たに3億種類の規制に対応しなければならないと言われている。また、リスク管理やコンプライアンスの専門スタッフが膨大な数の規制変更点などを正確に且つ精緻に理解すると共に、規制の適用範囲及び影響を踏まえた規制対応の優先順位をつける業務には、多くの人手と時間を要しているのが現状である。そのような市場環境下において、金融機関各社は次々に押し寄せる規制に対し迅速な対応を求められており、一元管理がなされていないデータを効率的に活用するAIシステムへの需要が高まっている状況だ。IBMとトムソンロイターが提供するレグテックソリューションは、金融機関の確たるニーズを満たすべくリスク管理やコンプライアンス業務のデジタル化を図り、グローバルベースで900超の規制機関が公表する規制関連データと2,500種類にも上る法規制関連資料を一元管理するという。

新レグテックソリューションの提供を開始するに際し、IBMワトソンフィナンシャルサービスのゼネラルマネージャーを務めるAlistair Rennie氏とトムソンロイターのコーポレート部門パートナーシップ・アライアンスヘッドであるChris Carlstead氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

今回トムソンロイターと協働で開発したレグテックソリューションは、複雑な規制への対応が求められる金融機関のお客様に対し、新たな高付加価値をもたらすと考えております。

Alistair rennie, GM of IBM Watson Financial Services - IBMより引用

我が社が長年蓄積してきたグローバルベースの規制関連情報とIBMが有する優れたAI技術を融合させることで、リスク管理やコンプライアンスの専門スタッフが抱える日々の業務負担を劇的に軽減させることができるでしょう。

Chris Charlstead, head, partnerships and alliances, corporate segment, Thomson Reuters - IBMより引用

グローバルベースで効率的・効果的な規制対応が求められる中、足元ではCappitechが新執行分析ツールをリリースするなどレグテック関連のビジネスチャンスが大きく広がっていることが伺える。今回IBMとトムソンロイターが協働で開発したレグテックソリューションは、多くの金融機関が対応に苦慮しているリスク管理やコンプライアンス部門の大幅な業務効率化を図ることができることから、顧客が同ソリューションを積極的に活用することが期待できそうだ。

release date 2019.05.02

出典元:

ニュースコメント

パイオニア企業の進出によるレグテックの普及に期待

レグテック(RegTech)とは、規制を意味するレギュレーション(Regulation)とテクノロジー(Technology)を合わせた造語であり、テクノロジーによって金融規制に関する課題を克服することを意味している。レグテックが注目されるようになった背景にはリーマンショック後の規制強化と、それに対応するための金融機関でのコンプライアンス関連コストの増大があると言われている。最近では銀行に限らず、ブローカーでもレグテックの活用が求められるなど、幅広い金融機関で普及しつつあるようだ。今回、新レグテックソリューションの提供開始を発表したIBMは世界初のATMを開発、量産したことで知られており、テクノロジーを通して金融機関の業務を自動化、効率化させる分野においてパイオニア的存在である。IBMのレグテック市場への参入は非常に大きなインパクトを持って受け止められており、同社の持つ高い技術と長年蓄積されたノウハウによりレグテックの普及が加速することは確実とみられている。新ソリューションにより、ブローカーを始めとした金融機関の業務コストが削減され、サービス品質が更に向上し、市場が活性化されることに期待したい。


Date

作成日

2019.05.02

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

bitwallet &Titan FX トレードコンテストを開催!賞金総額最大400万円

海外FX業者のTitan FXが、「bitwallet &Titan FX トレードコンテスト」を開催することを発表しました。コンテストでは専用のデモ口座を使用するため、自己資金をリスクにさらすことなく参加できます。上位入賞者には賞金も贈られます。
New
update2024.05.02 20:30

仮想通貨SUIのステーキング利率は?やり方やリスクを解説

仮想通貨SUIは、レイヤー1ブロックチェーンSuiのネイティブトークンです。Suiでは、PoSの派生系であるDPoSによりSUIのステーキングが可能です。当記事では、SUIをステーキングする方法やステーキング利率、ステーキングのリスクをご紹介します。
New
update2024.05.02 20:00

仮想通貨REZの将来性は?イーサリアムのリステーキングプロトコルRenzoについて解説

仮想通貨(暗号資産)REZは、リステーキングプロトコルRenzoのネイティブトークンです。Renzoは、イーサリアム(ETH)のリステーキングを簡単に実行できるプラットフォームとして機能します。
update2024.05.01 20:00

リピート注文その1|最良の取引戦略の1つリピート注文とは

リピート注文(グリッドトレード)は、インディケータに関する知識を必要としないシンプルな手法です。注文を設定した後は、単純なルールに従って行動するだけです。
update2024.04.30 20:30

メタマスク(MetaMask)のエアドロップ確認機能とは?特徴や使い方を解説

分散型ウォレットのメタマスク(MetaMask)に、エアドロップ確認機能が追加されました。これにより、エアドロップの受け取り資格の有無を、メタマスク上で簡単にチェックすることが可能になっています。当記事では、エアドロップ確認機能の特徴や、対応しているブロックチェーン、使い方を解説します。
update2024.04.26 21:00

仮想通貨BBの将来性は?ビットコイン向けリステーキングチェーンBounceBitについて解説

仮想通貨(暗号資産)BBは、レイヤー1ブロックチェーンBounceBitのネイティブトークンです。BounceBitは、ビットコイン(BTC)をリステーキングできるインフラとして機能します。
update2024.04.25 20:00

セービングとステーキングの違いとは?仕組みや利率・やり方を解説

仮想通貨(暗号資産)を運用する代表的なサービスとして「セービング」と「ステーキング」があります。よく似た両者には、どのような違いがあるのでしょうか。当記事では、セービングとステーキングの違いや仕組み、利率、やり方などを解説します。
update2024.04.25 19:30

Zoomexがプレイ金額杯を開催!To The Moonをプレイして総額17万円相当の賞金・特典を獲得

Zoomex(ズーメックス)が、プレイ金額杯の開催を発表しました。To The Moonをプレイしてランキングに入賞すると、総額17万円相当の賞金・特典を獲得できます。キャンペーンは、2024年4月30日午前9時(日本時間)までです。
update2024.04.23 20:00

BigBossが新規ユーザー向けの入金ボーナスを提供!最大1万3,700ドルを付与

海外FX業者のBigBossが入金ボーナスの提供を開始します。今回のボーナスプログラムでは累積入金額によって付与率が変化し、最大1万3,700ドルが付与されます。入金ボーナスの付与条件や対象、注意点などをまとめました。
update2024.04.22 20:30

ThreeTraderが3周年を記念したキャンペーンを開催!

海外FX業者のThreeTraderが、3周年を記念したキャンペーンの第一弾を開催しています。キャンペーン期間中に本人確認審査を完了、または初回入金を行うと合計20ドルのキャッシュバックを受け取れます。
update2024.04.19 21:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル