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Bakkt、仮想通貨向けのカストディ企業を買収

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update 2021.08.31 15:26
Bakkt、仮想通貨向けのカストディ企業を買収

update 2021.08.31 15:26

ウォール街の銀行とも提携して万全を期す

インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)【以下、ICEと称す】が手掛ける仮想通貨を対象とした先物プラットフォームのBakktは、カストディサービスを提供するDigital Asset Custody Company【以下、DACCと称す】を買収したことを伝えた。[1]

DACCは、ヘッジファンドやプライベートエクイティ、家族経営企業、政府系投資ファンドなどの機関投資家向けに100種類以上の仮想通貨に対応したカストディソリューションを展開する仮想通貨関連企業だ。現在、Bakktは、ニューヨーク州にカストディアン企業としての承認申請を行っているが、今回の買収は、同社が規制当局による審査を通過するための好材料となることが予想される。大手取引所のコインベースやジェミニ、ステーブルコインを開発するPaxosなども、当局からの承認を受けていることから、Bakktのサービス開始をより確固たるものにするためには、重要なプロセスだと言えるだろう。

また、Bakktは、仮想通貨の秘密鍵を地理的に分散して保管するシステムの構築のために、ニューヨークの銀行であるBNY Mellonと提携したことも発表している。この提携においてBNY Mellonが、従来のカストディアンとしての役割を担うことにより、Bakktは、ウォール街企業の信用力を活かしたサービスの展開が可能となる。Bakktの仮想通貨ウォレットサービスは、ホットウォレットとコールドウォレットの両方を活用した構成となっており、オンチェーンおよびオフチェーンで仮想通貨の秘密鍵を保護し、多要素認証や送金アドレスのホワイトリスト登録、ロールベースの許可など、高度なセキュリティを備えているという。

Bakktによるカストディ企業の買収は、BitGoやNorthern Trust、Prime Trustなどの仮想通貨関連企業が、カストディ企業としての承認を得たことに続いて報じられている。加えて、昨年末には、コインベースが、ブローカーディーラー企業の買収を明言したことから、仮想通貨市場全体が、米国当局が課す規制に準拠するための準備態勢に入っている様子が伺えよう。この仮想通貨市場の流れは、結果的に仮想通貨関連企業が、広範囲に及ぶ仮想通貨を基礎とした金融商品の提供を可能とする要因になっているようだ。

米商品先物取引委員会(CFTC)の判断が先延ばしされていることから、Bakktの立ち上げ計画は大幅な遅れを見せており、同社は、ニューヨーク州で仮想通貨関連事業者に発行されるビットライセンスを取得することで状況の打開を試みている。DACCの買収は、ライセンスの発給を約束するものではないが、当局の信頼を得る上では重要な要素となるため、Bakktによるサービス開始のプロセスに好影響を与えることを期待したい。

release date 2019.04.30

出典元:

ニュースコメント

金融市場に組み込まれる仮想通貨

そもそもビットコイン(Bitcoin)をはじめとする仮想通貨は、既存の金融形態に縛られない自由な経済を確立するための存在であり、中央政府や銀行の管理下にある金融資産とは、全く違った理念の下生み出された。しかしながら、2017年以降、市場での投機的な関心が高まってから、日本や米国政府は、既存の金融法を改定することで投資家保護や仮想通貨市場の管理に動き出し、現在、仮想通貨は、通常の金融資産と同様に取り扱われるようになりつつある。特に日本市場では、金融庁の努力もあり、昨年発生したコインチェックやZaifのハッキング事件以後、目立った事件は報告されておらず、投資家保護の観点から、既存の金融市場と同様の安全な市場環境の構築に成功したと言えるだろう。その点、Bakktのカストディ企業の買収は、未知数な部分も多いものの、機関投資家の取り込みや信頼性の向上に貢献し、この仮想通貨の流れを更に加速させる要因となるかもしれない。


Date

作成日

2019.04.30

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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