Select Language

シンガポール、FX取引が活況

シンガポール、FX取引が活況

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:26
シンガポール、FX取引が活況

update 2021.08.31 15:26

アジアの高成長や規制整備を背景に投資マネーが流入

近年のアジアの力強い経済成長に牽引されて、シンガポールにおけるFX取引量が増加していると、同国の有力経済誌ビジネス・タイムズ(Business Times)が報じた。

アセアン最大規模を誇りシンガポール最大手の金融機関であるDBS銀行(本社:6 Shenton Way DBS Building Tower One Singapore 068809 [1])によると、同社のFXスポット取引高は2016年に年率20%増、2017年に28%増、2018年には実に45%増と順調な拡大を継続しているとのことだ。同行のマネージングディレクター兼FX部門ヘッドを務めるLim Wee Kian氏は、シンガポールはFX取引活性化に向けたマーケティングを積極的に展開していることに加え、市場参加者へ競争力の高いプライシング機能やマッチングエンジンを提供すべく規制面のサポートも整備しており、アジアのFXハブとして急速に発展を遂げていると言う。そしてそのような市場環境下において、DBSは社内のFX取引に関連したフロントオフィスからバックオフィスに至るまで全社的に推進するデジタル革命が奏功する形で、FX取引量が高い伸びを示すと共に、コンシューマーバンキンググループ及びウェルスマネジメント部門を通じた送金も活発化しているとのことである。

更に、シンガポールの中央銀行として機能する金融管理局(Monetary Authority of Singapore, MAS)が2017年10月、Financial Services Industry Transformation Mapと呼ばれるロードマップを策定し、アジアを代表するグローバル金融センターの構築を目指した金融政策を講じていることも、FX取引の活性化に繋がっている模様だ。なお、シティグループシンガポールにてFX部門ヘッドを務めるJose Luis Yepez氏は、アジアにおいてはFX取引だけでなくウェルスマネジメントビジネスも大きな発展を遂げていると言う。 Yepez氏によると、アジアのプライベートバンキング分野の運用資産残高(Assets Under Management, AUM)は2018年に1.69兆ドルから1.63兆ドルへと減少したものの、過去5年間の平均年間成長率は依然6.9%と高い成長を誇っているとのことだ。またアジアの高い経済成長と世界中の巨額な投資マネーがシンガポールに流入してきていることなどを背景に、過去数年以上に亘り同国のFX取引高は増加傾向にあるとコメントしている。

そしてシンガポールに拠点を置くブローカーの動向に目を向けると、同国地盤の金融機関のみならず世界でも有数の投資銀行であるシティグループがシンガポールで新FXプラットフォームのリリースを予定しており、国内外の名だたる金融機関がシンガポール及びアジアでの市場拡大を虎視眈々と狙っている状況だ。アジアは人口動態的に見て高い経済成長が続く見通しであり、中でも世界の有力投資家を誘致すべく規制の整備も推し進めるシンガポールへグローバル投資マネーの流入が続く展開となりそうである。

release date 2019.04.23

出典元:

ニュースコメント

シンガポールでFX取引が増加している背景

シンガポールは所得税や法人税などの各種税金が低税率とされている事で有名だ。FX取引で発生する税金には主にキャピタル・ゲインとインカムゲインによる税金があげられるが、シンガポールではこの二つに関わる税率が0%となっており、約20%の税率を課している日本と比較しても、いかにシンガポールのFX関連税率が低いかが見て取れる。シンガポール政府が国家の収入源である税金を免除してまでもFX取引の推進を行う背景には、魅力的な税制を整備することにより、世界中の投資マネーをシンガポールに呼び込み、自国をアジア地域でのグローバル金融センターとして成長させるというシンガポール政府の意向が現れている。また、シンガポールは低い法人税を背景に多くの海外FXブローカーが拠点を設置しており、最近では、大手仮想通貨取引所であるバイナンスがシンガポールでのサービス開始を公言するなど、シンガポールのグローバル金融センターとしての地位は着々と向上していると言えるであろう。シンガポールのさらなる発展により周辺のASEAN地域でも市場の活性化が行われることに期待したい。


Date

作成日

2019.04.23

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

arrow
プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨KAITOの将来性は?AI活用のWeb3情報プラットフォームKaito AIの特徴や評判を解説

仮想通貨KAITOは、Web3の情報アクセスを変革する次世代プラットフォーム「Kaito AI」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨KAITOの概要や将来性、Kaito AIが提供するYapsの仕組み、SNSでの評判などを解説します。
update2025.02.19 19:00

FXGTでの出金拒否報告が増加中、これまでとは違う危険な兆候とは?

FXGTの出金拒否の報告・原因のほか、ユーザーの流出状況などをまとめました。SNS上ではここ数ヶ月の間に出金拒否に関する投稿が増加しており、ユーザーの間では「自分も出金拒否されるのでは」「FXGTがつぶれるのでは」といった不安が広がっています。
update2025.02.14 19:30

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

仮想通貨SOSOの将来性は?AI活用の投資分析プラットフォームSoSoValueがトークン発行

仮想通貨SOSOは、中央集権型金融の効率性と分散型金融の透明性を組み合わせた投資分析プラットフォーム「SoSoValue」のガバナンストークンです。当記事では、仮想通貨SOSOの将来性やSNSでの評判、SoSoValueの特徴などを解説します。
update2025.01.24 19:30

Bybitからビットフライヤーに送金してみた!送金手数料や反映時間は?

Myforex編集部では、実際にBybitからビットフライヤー(bitFlyer)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、送金手順のほか、送金手数料やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2025.02.19 19:30

【全て無料】MT4/MT5を日本時間にできるインディケータのおすすめが決定!

MT4/MT5に表示されている時間は、インディケータを使えば簡単に日本時間へ変えられます。MT4/MT5を日本時間表示にしておくと、各市場のトレンドを把握しやすくなったり、経済指標の発表時間に合わせた取引がしやすくなったりと、何かと便利です。
update2024.12.04 20:00

VPSではMT4・EAは何個起動できる?複数稼働は可能なのか?

スペック別のEAの起動数の目安のほか、VPSの負担を軽くする方法を説明します。同時に起動するEAの数が多すぎると、MT4が動かなくなる可能性があるので注意が必要です。VPSを使っているならば、MT4やEAをいくつ起動できるかを把握しておくことが大切です。
update2025.01.23 19:00

MacのMT4/MT5はダウンロードしても使えない?文字化けや起動しない時の対策方法や最終手段を紹介!

Mac版のMT4やMT5は不具合が良く発生するため、自分の使い方が悪いのか不安を感じている人もいるのではないでしょうか。本記事では、Mac版のMT4・MT5のトラブルや解決方法を解説します。
update2024.12.04 20:30

コインチェックからBybitに送金してみた!送金手数料や反映時間についても解説

コインチェック(Coincheck)からBybitに仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験やSNSでの口コミなども交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.11.29 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル