作成日
:2019.04.18
2021.08.31 15:26
CFOのWei Zhou氏によると、大手仮想通貨取引所であるBinance【以下、バイナンスと称す】が、来週中にもシンガポールで新しい仮想通貨取引プラットフォームの立ち上げを実施することが明らかになった。
以前からバイナンスは、今月中のサービス開始を宣言していたが、先日Zhou氏が、より明確なスケジュールについて、その時期が間近に迫っているとコメントした。シンガポールにおけるバイナンスの取引サービスは、今の所、シンガポールドルとビットコインの通貨ペアのみを対象としたシンプルなものとなるが、将来的には、仮想通貨のリスティングを強化する方針だという。
また、新しい試みとしてバイナンスは、独自のブロックチェーンバイナンスチェーン(Binance Chain)を基礎に分散型取引所(DEX)の開発を進めており、Zhou氏によると、現在、テストネットの運用が開始されている状況で、メインネットのリリースは、早くて今月末ごろとなるようだ。バイナンスが、分散型取引所を開発する理由について、Zhou氏は、以下のように述べている。
中央集権型の取引所は、顧客資産を抱えているため、ハッカーにとって格好のターゲットとなります。これは、長期的にみて我が社にとってリスクとなると考えています。重要なのは、イノベーションは止められないということで、その事実が変わらない以上、我が社は積極的でありたいと思っています。完成は非常に近く、目前まで来ていると言えるでしょう。
Wei Zhou, CFO of Binance - Coindeskより引用
Zhou氏は、バイナンスにおける企業の取引量が、ここ6ヶ月間の間、全体の40%から50%にまで増加していることに言及し、機関投資家の多くが、近いうちに仮想通貨市場に参入するとの見解を示している。Zhou氏によると、これらの機関投資家は、バイナンスのAPI(Application Programming Interface)を活用しており、従来のヘッジファンドなどよりも資金効率の良い取引を実施しているという。この事実は、仮想通貨市場において、機関投資家が、アルゴリズム取引に依存し、Pythonなどのプログラミング言語によって記述された独自のアプリケーションが、自動取引を執行するような市場環境へと移行しつつあることを意味する。既存の金融業界は、オールドマネーと呼ばれる金融形態に依存しているが、仮想通貨市場と比較すると、取引スピードに明確な格差があるようだ。
今年1月、バイナンスは、Simplexと提携したことにより、VISAやMasterCardといったクレジットカードでの仮想通貨購入をサポートしている。続く3月には、オーストラリアでビットコインの店頭販売サービスBinance Liteを開始したことに加え、ここ数ヶ月の間には、マルタとジャージー代官管轄区への進出を通じて、英国や欧州市場へのアクセスを確立した。加えて、バイナンスは、金融インフラの整備が不十分なウガンダでも、昨年、仮想通貨取引サービスを開始しており、次はアメリカへの事業展開を狙っているようだ。これらの取り組みの成果もあって、バイナンスの日間取引量は、現在、全取引所の中で5番目の規模にまで拡大しているという。
release date 2019.04.18
グローバル市場への影響力を強めるバイナンスだが、仮想通貨市場が低迷期に突入した2018年は、苦戦を強いられており、第2四半期以降、収益性が低下の一途を辿っていた。2017年第4四半期には、過去最高となる2億ドルの利益を計上したものの、それが、2018年の第4四半期には、4分の1程度にまで減退している。しかしながら、2019年に入り、勢いを取り戻したバイナンスは、第1四半期に7,800万ドルまで、その利益を回復させたことを発表した。教育コンテンツを発信するBinance AcademyやICOプラットフォームであるLaunchpadの立ち上げなど、事業を多角化したことが収益性を高める結果につながったと考えられるが、2018年から続いた仮想通貨価格の下落が止まったことも少なからず影響しているようだ。以前と比べると、競争が激化しており、収益を確保することが難しくなっているのは確かだが、今後もバイナンスは、イノベーションによって困難を乗り越えていくことだろう。
作成日
:2019.04.18
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。
ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。
お問い合わせ先 [email protected]
Milton Marketsが夏トク15%入金ボーナスキャンペーンを開催!
2023.06.21 19:30
XMTradingがF1チームスクーデリア・アルファタウリとスポンサーシップを締結
2023.03.28 20:00
海外FX業者で取引できるエネルギー銘柄は?取引の種類やメリットを解説
2023.02.27 20:00
仮想通貨HOOKとは?将来性は?Hooked Protocolが提供するWild Cashも解説
2022.12.13 21:00
Huobi(旧Huobi Global)は日本居住者向けサービスを停止していない?
2022.12.08 19:30
分散型取引所dYdXの使い方をイチから解説!注意点も紹介
2022.12.01 20:00
免責事項:Disclaimer
当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。
Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー