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ニューヨーク州、Bittrexへのライセンス発給を拒否

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update 2021.08.31 15:26
ニューヨーク州、Bittrexへのライセンス発給を拒否

update 2021.08.31 15:26

州内でのサービスを60日以内に停止させるよう命令

今月10日、ニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services)【以下、NYDFSと称す】は、大手仮想通貨取引所であるBittrex Inc.(本社:800 5th Avenue Ste. 4100 Seattle, WA 98104-3100[1])【以下、Bittrexと称す】が申請した仮想通貨事業および送金業務向けのライセンス発給を拒否することを発表した。[2]

NYDFSは、ビットライセンスと呼ばれる仮想通貨関連事業者を対象としたライセンスを発行しており、ニューヨーク州で活動を行う事業者は、これを取得することが義務となっている。今回、4月11日付けで出された声明には、ライセンス取得に至らなかったBittrexは、ニューヨーク州内における事業を60日間以内に停止することが命じられた。これに対してBittrexは、再度申請を提出することも可能だが、まずはNYDFSのペナルティを避けるため、14日以内にサービス停止までの計画を明示する必要があるようだ。

全世界で167万人のユーザーを抱え、米国の40を超える州で事業を展開するBittrexは、2015年8月10日にビットライセンスの申請を行なっており、NYDFSによって4週間にわたるオンサイトでの監査を、同社のシアトルおよびワシントンD.C.オフィスで実施された。その他にも2017年1月1日から12月31日まで、サンプルトランザクションによる審査が行われていたが、Bittrexは、特に銀行秘密保護法や対マネーロンダリング(AML)などの観点から、対策が不十分と判断されたようだ。

この判断に対しBittrexは、事実と相違があるとして反論を述べているが、NYDFSは、同取引所のずさんなKYC(顧客確認)やデューディリジェンスが要因となり、「ドナルドダック」や「エルビス・プレスリー」、「Give me my money」などのような、無効と思われるユーザー名を登録したアカウントが多数存在することを指摘している。加えてNYDFSは、Bittrexが承認したトランザクションの中に、北朝鮮やイランといった経済制裁を受ける地域へ向けたものがあったことを伝えた。昨年1月にBittrexは、イラン在住のユーザーに関し、外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control)へ報告を上げているが、北朝鮮の顧客が存在するという点に関しては否定している。

Bittrexによると、今年1月にNYDFSは、ビットライセンスおよび送金ライセンスの発給と引き換えに、同取引所に対し監督契約へサインするよう同意を求めたという。この契約には3つの要点があり、州内のユーザーに提供する仮想通貨を10種類に限定することや実現不可能な資本要件に従うこと、新しい事業体の設立や買収に先駆けてNYDFSの承認を得ることが記載されていたようだ。Bittrexは、NYDFSとの交渉を試みたが、これらの条項は変更不可能だとの結論を受け、最終的に監督契約にサインしないとの決定を下した。

一方、別の取引所であるBitstamp Ltd.【以下、Bitstampと称す】は、このニュースリリースの前日に申請が認可されており、米国法人のBitstamp USA Inc.を通じたニューヨーク州内での事業展開が認められたという。ビットライセンスの発給を受けたBitstampは、ビットコイン(Bitcoin)、イーサリアム(Ethereum)、リップル(Ripple)、ライトコイン(Litecoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)を対象とした取引サービスを開始し、将来的には更に多くの仮想通貨を取り扱う計画があるようだ。

release date 2019.04.11

出典元:

ニュースコメント

州内で加速する仮想通貨受け入れの動き

巨大な仮想通貨市場を抱える米国は、仮想通貨関連企業に対しても寛容なイメージがあるが、その方針や規制といったルールは、州政府の権限が大きいため、それぞれの州ごとに大きな差異があるという。ニューヨーク州は、多くのテクノロジー企業が所在するカリフォルニア州などと比べると、やや慎重な対応を見せてきた印象を受けるが、最近、ようやく仮想通貨の受け入れ態勢が整いつつあるようだ。ビットライセンスは、まさにそれを象徴するひとつだと言えるが、その他にニューヨーク州は、米国初の仮想通貨タスクフォースの立ち上げやICO規制なども率先して行っている。また、NYDFSは、ニューヨーク州に拠点を構える仮想通貨取引所のジェミニに、犯罪利用の可能性が懸念されてきた匿名通貨、ジーキャッシュ(Zcash)の取り扱いを正式に許可するなど、これまでグレーゾーンとされてきた領域にも踏み込んだ積極的な動きを見せていることが伺える。


Date

作成日

2019.04.11

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

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