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TradingView、TradeItを買収

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update 2021.08.31 15:26
TradingView、TradeItを買収

update 2021.08.31 15:26

月間1,000万人超のアクティブユーザーにサービスを提供

ウェブベースのチャート作成ツールを提供するTradingViewは4月3日、米国を拠点とし、フィンテック関連のAPIやアプリケーションの開発を手掛けるTradeItを買収したことを発表した。[1]

TradingViewにとって初めてのM&A(企業の合併・買収)案件であるTradeItの買収を成功させたことで、TradigViewの顧客は世界中のどこからでも米国の主要ブローカーを通じたトレードができるようになるとのことだ。またTradeItが提供するAPIや各種サービスを利用することで、150か国にもおよび、700億ドル以上の資産を誇る1,000万人を超える月間アクティブユーザーと米国トップクラスのブローカレッジファームを結び付けることが可能になるという。

一方でTradeItの顧客にとっては、TradingViewが提供するチャート作成ツールなどを利用できるようになる見通しである。なお今回の買収に関する詳細は、明らかになっていないものの、情報筋によれば買収金額は約2,000万ドルであったとのことだ。

更に、TradingViewは将来的にTradeItの投資エコシステムの拡充を図るべく、2分ほどで新規口座開設を可能とするAccount Openingやプロキシサーバーを介したメッセージ送信機能(Proxy Messaging Delivery)等、利便性の高いソリューションを提供していく意向である。

TradingViewによるTradeItの買収に際し、TradingViewの創業者兼CEOであるDenis Globa氏とTradeItのCEOを務めるNathan Richardson氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

TradeItは業界トップクラスの優れた投資関連アプリを開発すると共に、米国の有力リテールブローカーとの間に、安全性とコンプライアンスを遵守した透明性の高い取引関係を構築しております。今回、我が社がTradeItを買収することで、TradeItが構築する投資エコシステムに加わる形で、より多くのお客様にサービス提供することが可能となります。

Denis Globa, CEO of TradingView - TechCrunchより引用

TradingViewが掲げるビジョンは、我々が描く金融ネットワークシステムに関するビジョンと正に合致するものであります。我々はTradingViewと協働し、足元までの7年間に亘り個人投資家のニーズにマッチした商品・サービスを提供すべくシナジーを発揮してきており、今後もより一層強固な関係性を構築していく考えであります。

Nathan Richardson, CEO of TradeIt - TechCrunchより引用

なおTradingViewは、これまでにもCrunchbaseやInvestopedia、SeekingAlpha、Zacks、Binance、CME Group、Entrepreneur、Gain Capitalなど複数の企業とパートナシップ契約を締結し、世界中で4万種類を超えるウェブベースのチャート作成ツールを提供してきている。TradingViewにとっては、今回のTradeItの買収を通じ、より広範な顧客層へサービスの提供が可能となることから、更なる取引拡大が期待できそうだ。

release date 2019.04.04

出典元:

ニュースコメント

顧客層拡大を狙うTrading View

Trading Viewは、主要な取引所をカバー領域とし、株式やコモディティ、FX、仮想通貨、経済データといった様々な投資関連チャート作成ツールを提供している。同社が提供するツールは、投資家の間でも人気が高く、毎月100か国以上の国々から、8,200万人以上のアクセスがあるという。膨大な利用者数を誇るTradingViewのチャートには広告機能が付随しており、その掲載方法は、広告らしさを感じさせずに、プラットフォームに馴染んだネイテイブ広告であることから、顧客のアクティブなリーチに非常に効率的であるといわれている。様々な広告媒体が存在する中、Googleは昨年に31項目の新たな広告サービス関連ポリシーを導入しており、そのほとんどが仮想通貨やFX、CFD取引を扱う業者の広告掲載を厳格に禁止するものであった。依然として、FXや仮想通貨市場において、厳しい広告規制が敷かれる中で、新たな広告掲載のアプローチを図る企業において、顧客層拡大に繋がるM&Aや業務提携が活発化することが予測されよう。実際に昨年には、米国の大手仮想通貨取引所であるポロニエックスとTradingViewがパートナー契約を締結しており、今後もビジネス拡大を進めるTradingViewの動向には注目していきたい。


Date

作成日

2019.04.04

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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