作成日
:2019.04.03
2022.01.04 10:10
昨年から停滞していたビットコイン(Bitcoin)価格は、今月2日から15%の上昇を記録し、昨年11月以来となる5,000ドルの壁を一時的に突破したことが確認された。
現在、ビットコイン価格は、次の動きを探るように4,800ドル台を推移しているが、一部のアナリストは、ここ数か月間で底値が形成されたことにより、これから、上昇トレンドに突入する可能性があることを示唆している。調査会社であるFlipsideの報告によると、仮想通貨市場は良好な状態にあり、主要な仮想通貨25選の開発やユーザー活動、成熟度などをトラックする同社のインデックス、FCAS25は、過去最高の水準に近づいているという。このインデックスの値は、現在、794を記録し、ビットコイン価格が、8,000ドル程度だった昨年春よりも24ポイント高く、最高値の804には、あと10ポイントのところまで迫っている。
FlipsideのDave Balter氏が作成したこのインデックスは、チャートやテクニカル分析などでは読み取れない、仮想通貨関連プロジェクトの開発活動を加味した包括的な評価モデルを採用しているという。Balter氏によると、数多くの企業が、ブロックチェーンを活用したスマートコントラクトやトークンの開発、展開および利用を進めており、加えて、フィデリティ投信やナスダック、IBM、その他の世界的企業が仮想通貨業界に興味を示していることや、ICO(イニシャルコインオファリング)による資金調達が正常に機能し始めていることが、インデックスに表れているようだ。このような分析は、現物価格が上下する部分的要素に過ぎないが、ここ数か月、機関投資家の仮想通貨市場への参入が好影響となっていることは確かで、緩やかに価格を押し上げている。これまで、仮想通貨市場は、高いボラティリティを維持してきたため、価格の急騰や急落が発生しないことに違和感を覚えるが、多くの専門家は、機関投資家が短期的な利益の追求ではなく、長期的な投資にまわった証拠だと主張する。
仮想通貨の開発を行うBKCM LLCの創立者兼CEOのBrian Kelly氏は、ビットコイン価格がすぐに6,000ドルに到達することを予測し、更に以下のようにコメントしている。
ファンダメンタルズやテクニカル、定量分析に関わらず、全てのインディケータは、少なくとも底値を形成するプロセスに入ったことを示唆しています。興味深いことにこの動きは、ファンダメンタルズと機関投資家のセンチメント向上が要因となっているのです。富裕層や家族経営の企業なども仮想通貨に対する関心を深めており、それに対して複数の大手ブローカー企業が、カストディソリューションを提供し始めていることから、水面下でかなりの出来事が起こっていることが伺えるでしょう。
Brian Kelly, Founder and CEO of BKCM LLC - CNBCより引用
一方、ブロックチェーン企業であるKR1の共同設立者兼CEOを務めるGeorge McDonaugh氏は、ビットコイン価格について以下のように述べている。
ビットコインが値上がりしたのには、無数の理由が考えられます。米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission)がビットコインETFを承認したというエイプリルフール向けの偽のニュースが流れたため、ボットが誤作動したとの噂もあるほどです。このように、値動きに理由付けすることは、容易だと言えるでしょう。しかしながら、最近、仮想通貨市場にポジティブなセンチメントが感じられたことは確かで、仮想通貨価格が値動きのサイクルにおける底値に到達し、上向きに動き出した可能性があります。判断するのは時期尚早ですが、今の所投資家は、買いに転じているようです。
George McDonaugh, CEO and Co-Founder of KR1 - CryptoNewsより引用
また、仮想通貨取引所、BitmexのCEOであるArthur Hayes氏は、今年中にビットコイン価格が1万ドルを回復すると見ているが、2万ドルに到達するには、心理的なバリアを突破しなければならないと指摘した。今回のように仮想通貨価格が大幅に上昇した場合、価格の揺り戻しの発生が予想できるが、それは悲観することではなく、むしろその後の値動きが重要になってくる。これまで、仮想通貨市場は、価格の低迷に苦しんできたが、まさに現在、復調への転換期を迎えていると言えるだろう。
release date 2019.04.03
機械学習やディープラーニングなどの技術を採用したAIは、文章や画像、動画などの解析に抜群の効果を発揮し、投資の世界では、自動取引の中核技術として利用するケースが増えているという。このような自動取引ツールはボットと称されるが、ビッグデータプラットフォームとしてのブロックチェーンと相性が良いため、仮想通貨市場でもその開発や利用が進んでいる。自動取引を行うボットは、ファンダメンタルズ的な要因となるニュースなど、その内容の印象(ポジティブまたはネガティブ)に関して人間より早い判断が可能で、メディアやSNSに投稿された情報にいち早く反応し、ポジションを取ることができる。しかしながら、情報の文脈やその意図を理解できるわけではないため、McDonaugh氏が指摘したエイプリルフールの偽報道などに誤作動を起こす可能性は十分にあり得るようだ。米証券取引委員会によるビットコインETF承認のニュースは、金融メディアのFinance Magnatesなどで報道されており、仮想通貨コミュニティでは話題となったが、これがビットコイン価格に一時的な影響を与えたかは、今後の仮想通貨市場における展開に注目すれば明らかになりそうだ。
作成日
:2019.04.03
最終更新
:2022.01.04
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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