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SGX、BidFX株20%を取得

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update 2023.04.28 17:23
SGX、BidFX株20%を取得

update 2023.04.28 17:23

経営権を握るべく追加株式取得オプションも付加

アジア最大のFX市場規模を誇るシンガポール取引所(Singapore Exchnage Ltd本社:2 Shenton Way, #02-02 SGX Centre 1, Singapore 068804[1])【以下、SGXと称す】は3月27日、英国・ロンドンを拠点にクラウドベースのフロントエンド取引プラットフォームを提供するBidFX(本社:5th Floor York House 23 Kingsway London WC2B 6UJ[2])の株式20%を2,500万ドルで取得したことを発表した。

SGXは、様々なアセットクラスで成長を遂げるための中核となる柱を構築するとの経営戦略を推進しており、この度のBidFXの株式取得は、その一環とのことだ。なおSGXは、BidFXの経営権を握ることのできる株式追加取得オプションも設けているという。

BidFXは2017年、マルチアセットクラスの取引執行管理システムの提供を行うTradingScreenの一部門から独立したフィンテック企業だ。またBidFXはヘッジファンドやアセットマネージャー、地方銀行などを顧客に抱え、BidFXが開発した取引プラットフォームを通じ、G10(Group of Ten、米国や日本など先進10か国)の各国とアジア地域の通貨スポット取引、スワップ、先物取引向けリクイディティ・アグリゲーション(流動性集約)機能も提供している。

株式取得手続きの完了後にBidFXの取締役会に加わるSGXのCEOであるLoh Boon Chye氏と、BidFXのCEOを務めるJean-Philippe Malé氏、TradingScreenのCEOであるPierre Schroeder氏は、それぞれ以下のようにコメントしている。

FXは我が社にとって成長の核となる柱の1つと位置付けられ、我々はお客様にサービスの拡充を図れることを喜ばしく思っております。我が社ではこの度の投資を通じ、BidFXの取引プラットフォームを利用してアジア地域のFX先物取引や店頭取引(OTC)商品を提供すると共に、高い流動性を供給するリクイディティプールを構築する機会を得ることができました。我々はBidFXがグローバルに展開するFX電子取引プラットフォームを構築し、急速に発展を遂げる我が社のFX関連事業を的確にサポートして頂けると確信しております。

Loh Boon Chye, CEO of SGX - DealStreetAsiaより引用

SGXの資本投資の受け入れにより、我々は統一されたFX取引ワークフロー管理システムを活用して、FX市場の取引参加者により専門性の高いサービス及び商品を提供することが可能となります。

Jean-Philippe Malé, CEO of BidFX - DealStreetAsiaより引用

我が社から独立したBidFXが誇る高性能なFX取引ワークフロー関連ソリューションへのニーズが、今後非常に高まると予想しております。BidFXはこの度のSGXの投資により、グローバルFX市場において確固たるリーダーシップを発揮するとみております。

Pierre Schroeder, CEO of TradingScreen - DealStreetAsiaより引用

シンガポールはアジアでは最大、グローバルで見ても3番目の市場規模を持つ一大FX市場だ。そのシンガポールではG10やアジア地域の通貨取引が活発に行われており、拡大する需要を取り込むべく、足元ではシティグループがシンガポールで新FXプラットフォームをリリース予定となっている。SGXが世界一のFX市場規模を目指すべく、BidFXとの協働で如何なる画期的なサービスを提供するか注目されよう。

release date 2019.03.28

出典元:

ニュースコメント

BidFXの将来を左右するSGXの経営参画

SGXでは2013年にFX先物を導入して以来、FX事業全体の想定元本で総額2兆ドル以上の取引が行われており、FX先物は同社が提供する商品の中でも戦略的な位置づけとされている。また、2019年2月末現在のFX先物の1日平均売買高は44億米ドル、想定元本残高は54億米ドルと、アジア最大のFXセンターに相応しい市場規模を誇っている。今回のBidFXの株式買収によりSGXのFX事業がさらに強化されることは間違いないが、特定の取引所が取引プラットフォーム提供企業を買収することが、プラットフォームの潜在顧客にどのような影響を与えるのかはまだ未知数だ。SGXの知名度を武器に、BidFXプラットフォームの更なるシェア向上をもたらすこともあれば、競争力強化のため、SGXに有利に働くプラットフォームへと変貌する可能性もあるだろう。BidFXはフィンテックを強みとして既に多数の顧客を抱える取引プラットフォーム提供企業だが、今後、SGXが追加で株式を取得した場合、その事業方針がどのように変わっていくのかには注目する必要があるだろう。


Date

作成日

2019.03.28

Update

最終更新

2023.04.28

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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