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FP Markets、CySECライセンスを取得

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update 2022.07.08 10:34
FP Markets、CySECライセンスを取得

update 2022.07.08 10:34

欧州市場の顧客開拓を模索

オーストラリア・シドニーを拠点とする海外FX・CFDブローカーである FP Markets(本社:Level5, Exchange House 10 Bridge St Sydney NSW 2000[1])が、キプロスの金融監督当局であるキプロス証券取引委員会(Cyprus Securities and Exchange Commission)【以下、CySECと称す】よりライセンスを取得したことが明らかとなった。

リテールブローカー向けの規制枠組みが強化されるEU(欧州連合)では、欧州ブローカーが新たな市場開拓を目論んでいる一方で、オーストラリアを拠点とするブローカーは積極的に欧州市場の顧客獲得を図っている状況だ。2018年10月にはオーストラリア最大手のFX・CFDブローカーであるIC MarketsがCySECライセンスを取得し、市場拡大戦略に打って出ている。

FP Marketsは既に欧州顧客をターゲットとした.euドメインを取得しており、間もなくサービス提供を開始する見込みだ。IC Marketsも同様に.euドメインを取得しているが、現在はキプロス新オフィスにて事業展開を図る準備を進めている模様である。

なお、欧州市場でマーケティング活動を行う全てのリテールブローカーは、EU当局より事業認可を受ける必要がある。加えてGoogleのAdwordsポリシーを遵守すると共に、事業を営む該当地域で広告を打ち出す際にはリーガルオピニオン(関連法制との適法性などを判断する弁護士による意見書)の提出を求められており、ブローカーが欧州市場にて積極的に事業展開を図るうえで一定の制限となっているようだ。2018年にGoogleは23億円の広告掲載を差し止めしていることからも、Googleが如何に厳格な広告ポリシーを敷いているか伺い知ることができよう。商品や広告規制が強化され、欧州市場の開拓を図るブローカーにとっては、綿密な準備を重ねた上で事業を開始する慎重な姿勢が必要と考えられる。

他方で、欧州ブローカーは過去数年以上に亘りオーストラリアのライセンスの取得を積極的に模索しているが、先日オーストラリアの規制当局であるオーストラリア証券投資委員会ASICがFortradeにライセンスを発行したことが明らかになった。ASICがリテールFXブローカー向けにライセンスを発行するのは実に2年ぶりとなるため、ASICの規制スタンスにも変化の兆しが見え始めている模様だ。

グローバルベースで規制環境が目まぐるしく変化する中、ブローカーは顧客を惹きつける魅力的な商品・サービスの提供が求められている。FX取引の際のスプレッドの取扱いが議論の的になれば、今後はより透明性の高い取引手法であるSTP方式の採用が徹底される展開になるかもしれない。一方で、トレーダーは高レバレッジのオフショア市場へシフトしているのが現状であり、規制と顧客ニーズという側面に対応すべくブローカーは早急に事業の再構築を迫られているといえよう。そのような市場環境下において、主に財務基盤の弱い小規模なブローカーがオフショア市場へシフトを進めている一方、財務基盤が強固な大手ブローカーは確固たるコーポレートブランドの確立に向け、新規顧客獲得のための投資を拡大している状況だ。

FP Marketsが、有力ライバルがひしめく欧州市場にて、如何なる革新的サービスを提供することで顧客獲得を図るか注目されよう。

release date 2019.03.22

出典元:

ニュースコメント

ブランド確立に留まらないキプロス進出の価値

かつてキプロスはタックスヘイブンの一つとして数えられたこともあったが、2004年にEUに加盟して以降、金融規制についてもMiFIDⅡなどのEUの規制基準に沿う形で国内法を整備している。さらに、EUの規制が不明瞭な部分では独自の方針で対応しており、昨年10月にはCySECがブローカーにテクノロジー監査を求めていると報じられるなど、EUの中ではフットワークが軽い印象がある。また、CySECはFinTechやRegTechによって支えられている新製品、サービスおよびインフラストラクチャプロジェクトのうち、実体経済への資金提供に貢献できるものを積極的にサポートしており、昨年9月にInnovation Hubを開設している。現在では、EU域内に向けて金融サービス、とりわけFXブローカレッジ業務を行いたい企業からは、拠点候補として最も人気が高い国の一つといえよう。オーストラリアで既にビジネスの足場を固めるFP MarketsやIC Marketsが、厳しい規制を敷くEUの基準に適合したサービスを構築できれば、ブランド確立への寄与は当然としても、ASICの規制基準が遠くない将来に引き上げられた時にも、先行者としての大きな強みを発揮できるだろう。世界中には様々な規模のブローカーがあり、このような挑戦的な事業展開が可能なブローカーは限られるとしても、このチャレンジが挑戦者にはもちろん、業界全体にも良い影響をもたらすことを期待したい。


Date

作成日

2019.03.22

Update

最終更新

2022.07.08

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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