Select Language

コインベース、自社ウォレットサービスにバックアップ機能を実装

コインベース、自社ウォレットサービスにバックアップ機能を実装

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
コインベース、自社ウォレットサービスにバックアップ機能を実装

update 2021.08.31 15:27

iCloudやGoogle Driveなどの大手クラウドサービスとも連携

米国大手仮想通貨取引所のCoinbase, Inc.(本社:548 Market St #23008 San Francisco, CA94104[1])【以下、コインベースと称す】は、独自に展開する仮想通貨ウォレットサービス、Coinbase Walletに秘密鍵の情報をバックアップする機能を実装したことを今月12日に発表した。[2]

モバイルデバイスなどで管理される秘密鍵は、保有する仮想通貨資金にアクセスする唯一の手段となっているが、デバイスを失ったり、リカバリするための12文字のフレーズを忘れてしまうなど、ユーザーが予期せぬ理由で仮想通貨を永久に利用できなくなる状況に陥ってしまう場合があるという。その対策として、Coinbase Walletには、新しくバックアップ機能が実装されており、これら重要な情報の控えを作成して安全な環境への保管を可能にすることで、秘密鍵を完全に紛失するリスクからユーザーを守るための防護策としている。尚、この機能は、デフォルトでは無効になっているため、ユーザーはアプリケーションのガイダンスに従って任意の情報を入力、設定することで有効化する必要があるようだ。

発表によると、Coinbase Walletのバックアップ機能は、iCloudとGoogle Driveなどの大手クラウドサービスに対応しており、将来的には他のプラットフォームとの連携も拡大する予定だという。クラウドサービスをバックアップ先として利用する際、第三者への情報漏洩のリスクが懸念されるが、Coinbase Walletで生成するバックアップ情報は、AES-256-GCMと呼ばれる暗号化技術を通して保護されるため、復元化のパスワードを知り得ないコインベースやクラウド事業者には解読できないようになっている。

今回のコインベースの発表は、カナダの取引所であるQuadrigaCXが1億9,000万ドル相当の仮想通貨資産を紛失したニュースと重なって、業界では非常にタイムリーな話題となった。この事件に関して、大手取引所バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao氏は、出口詐欺の可能性があることをYouTube上のインタビューで示唆しているが、QuadrigaCXの経営陣は、同社のCEOが亡くなったことで、社内で取引所のウォレットへのアクセスに必要な秘密鍵を持つ者が居なくなったと主張しているようだ。真相は明らかになっていないが、最大の問題は秘密鍵のバックアップや運用体制が整えられていなかった点で、顧客保護や法令遵守におけるQuadrigaCXの意識の低さが伺える。

これまで、Coinbase Walletでは、イーサリアム(Ethereum)のERC-20(イーサリアムブロックチェーンで発行されるトークンの規格)に適応した仮想通貨しかサポート対象とされていなかったが、今月はじめにコインベースは、同サービスがビットコイン(Bitcoin)にも新しく対応することを発表している。加えて、コインベースは、アジアや欧州地域を含む国際間の銀行送金への対応や、確定申告プラットフォームのTurboTaxと機能統合を進めることでサービス強化を図っており、更なるユーザー獲得のための戦略に注力しているようだ。

release date 2019.02.14

出典元:

ニュースコメント

Coinbase Walletの更なる開発に期待

もともとCoinbase Walletは、ブロックチェーン上で稼働するDapps(分散型アプリケーション)をブラウジングする機能を特徴とした、ToshiWalletというウォレットサービスをリブランディングしたことによって誕生したものだ。今でも、Dappsを検索するためのアクセスポータルとしての機能は健在で、更にブックマーク機能などが付随したこともあり、利便性の高いサービスとしてCoinbase Walletの中核的な存在となっている。その他にも、10の異なるウォレットアドレスを管理することができたり、iOSおよびアンドロイド向けのモバイルウォレットとしての機能性が向上されるなど、コインベースの開発によって完成度が高まっており、弱点として指摘されていた対応通貨の少なさも、ビットコインの他、ライトコイン(Litecoin)、ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)のサポートを新しく追加することで克服しつつある。今後は、先月コインベースが買収したBlockspringとの技術連携により、機能開発によるCoinbase Walletの進化が期待されるため、更なる進展にも注目して行きたい。


Date

作成日

2019.02.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル