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米ナスダック、仮想通貨に連動した指数を公開

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update 2021.08.31 15:27
米ナスダック、仮想通貨に連動した指数を公開

update 2021.08.31 15:27

ビットコインとイーサリアムのスポット価格を配信

世界有数の取引所を運営するNasdaq, Inc.【以下、ナスダックと称す】は、ビットコイン(Bitcoin)とイーサリアム(Ethereum)に連動した2つの指数(インデックス)を、新たに今月25日から公開することを明らかにした。[1]新しい指数は、Bitcoin Liquid IndexとEthereum Liquid Indexという名称で、銘柄を表すティッカーシンボルは、BLXとELXにて登録されることが決定している。

ナスダックの発表によると、これらの指数は、ブロックチェーンや仮想通貨のリサーチ企業であるBrave New Coinによって提供され、ナスダックのリアルタイムデータフィードサービス、Nasdaq Global Index Data ServiceSMを通して利用されるという。BLXとELXは、それぞれ1BTCと1ETHあたりのスポット価格(米ドル)をリアルタイムに連動するよう設計されており、マーケットで最も流動性の高い時点の取引を参照し、30秒ごとにデータがリフレッシュされるようだ。両指数の算出には、証券監督者国際機構(IOSCO)によって独立性を持った状態で監査されるとのことで、多くの投資家が基準とするであろうBLXは2010年まで、対するELXは2014年までに遡って価格が計算される。

これまで仮想通貨に対して強い興味を示してきたナスダックは、取引所への技術提供やビットコイン先物商品の開発を目的とした仮想通貨関連企業への投資なども行っており、昨年11月には、2019年の第1四半期までにビットコイン先物の取り扱い開始を目指していることを明かしている。Bloombergの報告によると、現在ナスダックは、仮想通貨を対象としたデリバティブ商品のリスティングに関して、米商品先物取引委員会(Commodities and Futures Commission)の承認を待っている状態にあり、これが承認された場合は、米国の主要取引所として3番目の快挙になるという。[2]

競合となるCBOEやCMEグループは、仮想通貨先物の取り扱いを開始して、両者とも投資市場の拡大に成功しており、特にCBOEに至っては、ビットコインETFのリスティングも検討していることが報道されている。仮想通貨分野での競争において、Nasdaq社は出遅れていると言えるが、これからどのような形で巻き返しを図るのか、今後の展開にも注目していきたい。

release date 2019.02.14

出典元:

ニュースコメント

大手取引所を中心にファンド型商品を開発

仮想通貨が有効な投資分野として認められた2018年以降、数こそ多くはないものの、仮想通貨を対象とした指数は、仮想通貨取引所や既存機関によって提供されてきた。米国の大手取引所であるコインベースは、ビットコインとイーサリアムを軸に10種類を超える仮想通貨の時価総額に連動するCoinbase Indexを公開していることに加え、これに連動するインデックスファンド(特定の指数と同じ値動きをするように設計されたファンド商品)も2018年6月から提供している。仮想通貨業界では、このようなファンド型の商品開発が一種のトレンドとなっているようで、同じく、大手取引所のHuobiも、HB10という名称の厳選10種類の価値変動に対応したインデックスファンドの立ち上げを昨年6月に行なったという。米国では、当局が課す規制の影響で、このような仮想通貨関連商品の一般大衆へ向けた販売は禁止されているが、コインベースをはじめとする企業は、この規制を乗り越える方向で検討を進めており、実現できれば低迷する仮想通貨市場にとっても明るい話題となるだろう。


Date

作成日

2019.02.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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