Select Language

Bakktを装った投資詐欺が報告される

Bakktを装った投資詐欺が報告される

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • twitter
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
Bakktを装った投資詐欺が報告される

update 2021.08.31 15:27

偽のウェブサイトへと誘導して送金を促す

仮想通貨の海外ニュースメディアであるCoinDeskは、特定のGmail(Googleのウェブメールサービス)アドレスから、インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)【以下、ICEと称す】が手がける新しい仮想通貨取引所、Bakktを装った詐欺メールを今月6日に受け取ったことを明らかにした。[1]

「Bakkt News!」と題されたこの詐欺メールの内容は、3月12日にBakktがサービス開始を予定していることや、同社が第2回の投資ラウンドとして5,000万ドルの資金調達を目標に公募を行っていることが記載されている。このメールが、対象者を偽のサイト(bakktplatform.io)へ誘導するための導線となっており、ウェブサイト上では投資家を募集する旨の宣伝文が記され、参加するための登録を行うという名目で、投資家の名前やメールアドレスなどの個人情報の入力が促されるという。最終的にこれらのプロセスが完了すると、投資資金を送金するビットコインアドレス(Bitcoin Address)が表示され、同時に利益分配を受け取るためのアドレスの提示が求められるようだ。

これまで、Bakktは、サービス開始時期に関しては特に明言していないものの、少なくとも、偽のメールやウェブサイトが提示する3月12日のサービス開始は現実的に難しいといえるだろう。現在、Bakktは、仮想通貨を対象とした先物商品をリスティングするために米商品先物取引委員会(Commodities and Futures Commission)【以下、CFTCと称す】の承認を待っている状況で、通常の手順では、まずBakktの提案に対する意見を一般公募するために30日間の公示期間が設けられ、その後、数日間のレビュー期間を経て、ようやく最終的な可否が決定するCFTCコミッショナーによる投票に移行することができる。そもそも、CFTCは、Bakktの提案に対する公示については未だ発表しておらず、このプロセスの始まりすら見えていないため、Bakktのサービス開始時期はそれほど近くないことが予想される。

加えて、わずか2か月前に1億8,250万ドルの資金調達に成功したBakktが、この時期に第2回の投資ラウンドを実施することは、あまりにも不自然だといえる。仮に本当に資金が必要だったとしても、米国当局の管理下にある大手企業が、個人情報を提示する簡単な手続きのみで、リスクが伴う投資に一般市民を巻き込むとは考え難く、投資手段がビットコインに限られている点も説明がつかない。これに関して、ICEの広報担当は、ウェブサイトが偽物であることを既に確認しており、ICEがこのような手段で資金公募を告知しないことも証言している。

このウェブサイトの構造は巧妙で、投資受付を2月25日に締め切るとの文言やBakktの新しいプラットフォームが最終テスト段階に迫っているなどの説明により、機会損失を恐れる投資家の心理に働きかけ、送金を誘導するように仕組まれているという。更に、検討する投資家に対して、Bakktのサービス開始予定日から3日以内(つまり3月15日まで)に資金を返金することを約束して、言葉巧みにターゲットの気を引いているようだが、CoinDeskは、くれぐれも資金を送金しないよう読者に警告している。

release date 2019.02.08

出典元:

ニュースコメント

巧妙化する仮想通貨盗難を狙った詐欺の手口

最近、仮想通貨業界では、仮想通貨の盗難を狙った悪質なフィッシング詐欺が問題となっており、関連企業や投資家の悩みの種となっている。先日も、人気のウォレットサービスとして広く利用されているMyEtherWalltとElectrumで、セキュリティアップデートを装い、ユーザーに有害なアプリケーションをインストールさせる手口の詐欺が発生していることが報告されたばかりだ。近年では、仮想通貨関連の詐欺も巧妙化しており、本物と見分けがつかないデザインのウェブサイトが用意されたり、公式のSNSアカウントをハックして嘘の情報を流すことでユーザーを陥れるケースなども散見される。対策としては、SSLサーバー証明書を取得することや、メールや電話、チャットなど複数の手段で運営企業に問い合わせるなど、様々な方法が考えられるが、どちらにせよユーザー側が高い意識を保つ必要がある。ICEおよびBakktの仮想通貨業界参入は注目度も高く、期待のプロジェクトとなっているだけに、詐欺被害の拡大が心配されるが、業界やコミュニティは注意を喚起することで一般投資家の保護に努めてほしい。


Date

作成日

2019.02.08

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Milton Marketsが1万円FXチャレンジを開催!最大100万円の賞金を授与

Milton Marketsが、1万円FXチャレンジを開催することを発表しました。チャレンジ条件を達成したトレーダー全員に50%入金ボーナスチケットが贈られます。また、ランキング上位に入賞すると最大で100万円が授与されます。
New
update2023.10.03 20:30

機関投資家が月末リバランスする理由は? | 市場に与える影響と個人投資家が取れる対策

機関投資家が月末リバランスを行う理由や、リバランスが市場に与える影響を解説します。機関投資家は巨額の資産を運営しているため、1回のトレードで金融市場を動かし得る影響力を持っています。個人投資家が取れる月末リバランス対策もご紹介します。
New
update2023.10.03 20:30

RWA(Real World Asset)|現実資産のトークン化で何が変わる?

仮想通貨市場では、RWA(Real World Asset)のトークン化に注目が集まっています。RWAは、日本語で「現実世界の資産」を意味する言葉です。当記事では、RWAの概要やトークン化の仕組み、RWA関連のプロトコルなどを解説します。
New
update2023.10.03 20:00

NFTのロイヤリティとは?その仕組みとこれまでの変遷について解説

NFTロイヤリティをめぐる動きについて、OpenSeaを中心に振り返りつつ、NFTが今後どのように変化していくのか展望します。
New
update2023.10.03 19:30

Zoomexが「Z-取引チャレンジ」大会を開催!ラッキールーレットや新規登録ボーナスでお得

Zoomex(ズームエックス)が、Z-取引チャレンジ大会を開催しています。ラウンド1とラウンド2に分かれており、それぞれ登録期間や大会期間が異なります。当記事では、ZoomexのZ-取引チャレンジ大会の内容や参加方法、注意点などを解説します。
New
update2023.10.03 19:00

仮想通貨MNTの将来性は?使い道とMantleネットワークの特徴を解説

仮想通貨MNTは、Mantleのガバナンストークンです。そしてMantleとは、BitDAOからリブランディングしたプロジェクト「Mantle」が手掛けるレイヤー2のブロックチェーンです。
update2023.10.02 21:00

Exnessのソーシャルトレーディングは稼げる? 仕組みやメリット・デメリットを解説

Exnessのソーシャルトレーディングの仕組みやメリット・デメリットを紹介します。ソーシャルトレーディングとは、フォローしたトレーダーと同じ取引を自動的に実行するサービスです。戦略プロバイダーの選び方や使い方も解説します。
update2023.10.02 20:00

ストラテジーテスターの見方や効果的な使い方を紹介!動かない時の対処法も解説!

ストラテジーテスターとは、MT4/MT5で利用できる、EAやインディケータのバックテストに使われる機能です。ストラテジーテスターには、EAやインディケーターの売買戦略を検証するための機能が豊富です。この記事では、ストラテジーテスターの使い方を解説していきます。
update2023.10.02 19:00

Mantleでアプリケーション支援の投票(MIP-26)が可決|価格への影響は?

Mantleでは、2023年9月5日〜12日にアプリケーション支援に関する投票(MIP-26)が実施されました。結果は、ほぼ100%の賛成で可決されています。MIP-26の背景や目的の解説や、可決による仮想通貨MNTへの影響を考察します。
update2023.09.28 21:00

Milton Marketsがフレックス口座の取引条件を変更|ロスカット率が50%に

海外FX業者のMilton Marketsが、フレックス口座の取引条件を変更することを発表しました。今回の仕様変更では、ストップアウト率やマージンコール率、レバレッジなどの条件が変更されます。取引スタイルや普段の取引量によっては、これまでのように取引できなくなる可能性もあります。
update2023.09.27 21:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

Twitter

Twitter

キャンセル