Select Language

2つの仮想通貨ウォレットでフィッシング詐欺の被害を確認

2つの仮想通貨ウォレットでフィッシング詐欺の被害を確認

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
2つの仮想通貨ウォレットでフィッシング詐欺の被害を確認

update 2021.08.31 15:27

100万ドル相当のビットコインが盗難された例も報告される

今月4日、ElectrumとMyEtherWalletという2つの仮想通貨ウォレットサービスのユーザーが、フィッシング詐欺の被害にあったことがTwitterと海外掲示板Redditの投稿から明らかとなった。

被害に遭ったElectrumユーザーによると、今回発生したフィッシング詐欺では、偽のエラー画面を表示させて、セキュリティアップデートと称しダウンロードを促すという方法で攻撃が仕掛けられたとのことで、公開されている画像には、実在しないElectrumのバージョン4.0.0へのアップデートを誘導するメッセージが端末に表示されている。幸いなことに、このユーザーは、それが有害なアプリケーションをインストールさせるための偽のリンクで、所有する仮想通貨の盗難を狙ったハッキング行為だということに気づいたため、被害を免れたという。

このフィッシング詐欺では、ユーザーを、ソースコード管理サービスであるGitHubのウェブページへと誘導し、そこから任意のソフトウェアをダウンロードさせようと試みていたようだ。GitHubでは、このような不正を働くアカウントを排除するために、疑わしい動きを見つけた際には、運営に報告するようコミュニティメンバーに呼びかけており、実際に過去4週間で、2つのアカウントが、Electrumを対象としたフィッシング詐欺に関与したとして凍結されているという。しかしながら、別のRedditユーザーの投稿によると、このフィッシング詐欺の背後には、関連するアカウントが100以上存在している可能性があり、これらすべてを特定し対応することは難しいと指摘している。これに関し、Electrumは、バージョン3.3.3以前の古いソフトウェアでは、悪意のあるサーバーの介入によって、偽のソフトウェアのインストールを促す不正なメッセージを表示させる危険性があるため、GitHubのリンクからではなく、公式サイトから正式なアップデートを行うよう推奨している。

また、イーサリアム向けウォレットとして知られるMyEtherWalletの開発チームも同様に、ユーザーに対して運営側からEメールを送ることはないことを警告した上で、フィッシングメールや偽のアップデート要求に対して、如何なる個人情報も提示しないよう注意喚起している。加えて、仮想通貨を狙ったハッキングを回避するためにもっと懐疑的になるべきだとのアドバイスをTwitterで投稿した。[1]開発チームによると、MyEtherWalletは、実際のセキュリティアップデートが実施される際、Twitterの公式アカウントを通じてユーザーに情報を告知することを明示している。

2018年12月に報告された別のフィッシング詐欺の被害では、Electrumのユーザーが、ハッカーグループに当時100万ドル相当となる200BTC(Bitcoin)を盗難されたことが確認されている。この様なフィッシング詐欺は、Eメールやデジタル情報の共有などの一般化と共に広がりを見せており、2018年11月にはフィッシングを仕掛ける詐欺ウォレットがGoogleストアで発見されるなど、仮想通貨ユーザーにとっては厄介な問題となってきている。

release date 2019.02.07

出典元:

ニュースコメント

ビットコイン専用ウォレットとして人気のElectrum

Electrumは、2011年に開発されたビットコイン専用のウォレットで、今では最も人気の高いサービスのひとつとして、多くのユーザーを抱えている。昨年11月末には、ビットコインでの納税受付を開始したオハイオ州のシステムに対応するウォレットとして採用され、巨大な仮想通貨市場となっている米国でもその利用の幅を広げているようだ。Electrumは、アンドロイドOS向けのモバイルアプリケーションとしてもリリースされており、ライトユーザー層への波及を見据えたソリューションの開発を行なっている。また、独自技術として、エレクトラムサーバーという分散型のサーバーネットワークを構築することで、高い安全性と可用性を兼ね備えたウォレットサービスを実現しているという。今回のようなフィッシング詐欺は、ユーザー側のリテラシーの欠如も原因となっている場合が多く、すぐに解決するには難しい問題だと言えるが、さらなるユーザー層の拡大が見込まれるElectrum側にも、何かしらの対策は不可欠であろう。


Date

作成日

2019.02.07

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

仮想通貨SOLVの将来性は?ビットコインのステーキングプロトコルSolv Protocolを解説

仮想通貨(暗号資産)SOLVは、ビットコイン(BTC)のステーキングプロトコル「Solv Protocol」のネイティブトークンです。当記事では、仮想通貨SOLVの特徴やSNSでの評判、将来性、トークンの使い道などを解説します。
update2025.01.10 19:30

【無料ツールも】MT4/MT5で複数チャートを同期スクロールし、分析を劇的に変える方法!

MT4/MT5ではインディケータを使うことで複数チャートを同期してスクロールできます。この記事ではMT4/MT5の複数チャートを同期してスクロールできるインディケータについて、実際に使ってみた感想も交えながら紹介していきます。
update2024.11.07 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.12.24 19:30

MT4/MT5でも日本時間を簡単に表示できる!日本との時差については図解で理解しておこう

MT4/MT5では通常、表示される時間が日本時間から6時間ほどずれています。頭の中で「表示される時間 + 6時間」などと計算すれば、日本時間に変換可能です。しかし慣れないうちは少し不便なので、日本時間を表示させる外部ツールも活用されています。
update2024.11.27 19:30

bitbankからBybitに送金してみた!トラベルルールの対応状況も解説

Myforex編集部では、bitbank(ビットバンク)からBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2024.11.28 19:00

Bybitからbitbankに送金してみた!送金手数料やトラベルルールについて解説

Myforex編集部では、Bybit(バイビット)からbitbank(ビットバンク)に仮想通貨(暗号資産)を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験をもとに、送金手順やおすすめの送金通貨などを紹介します。
update2024.12.27 19:00

初心者でも安心!MT4ストラテジーテスターの使い方完全ガイド ~EA活用とバックテストで一歩先のトレードへ~

MT4でEAを使って自動売買をするならストラテジーテスターにより利益が出るかテストが必要です。本記事では、ストラテジーテスターの実践的な使い方や疑問を感じやすいポイントを解説します。
update2025.01.10 19:00

XMTradingがおみくじプロモ2025を実施!総額1,000万円越えのキャンペーン

海外FX業者XMTradingは、1月2日~1月31日までの期間限定で「おみくじプロモ2025」を実施すると発表しました。賞金総額は1,000万円以上であり、抽選で100名に最大75万円の現金がキャッシュバックされます。
update2025.01.06 19:00

このローソク足あと何秒!?残り時間を表示するMT4/MT5のインディケータを比較

MT4やMT5でトレードする際、インディケータを使えばローソク足が確定するまでの残り時間を表示できます。アラート機能付きや残り時間以外の情報も表示するインディケータもあります。本記事では、MT4・MT5にローソク足の残り時間を表示するインディケータを紹介します。
update2024.12.12 19:30

SONYのレイヤー2「Soneium」がIP侵害を理由にミームコインをブラックリスト化

ソニーグループによるイーサリアムレイヤー2のSoneium(ソニューム)が、メインネットローンチの同日に、IP侵害のあるミームコインをブラックリスト化し、SNSで話題となっています。本記事では、Soneiumの概要やブラックリスト化の内容、SNSでのユーザーの声などを解説します。
update2025.01.17 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル