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FCA、仮想通貨規制指針に関する諮問書を公表

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update 2022.01.27 15:29
FCA、仮想通貨規制指針に関する諮問書を公表

update 2022.01.27 15:29

2019年夏に仮想通貨規制方針が固まる見込

英国金融行動監視機構(The Financial Conduct Authority)【以下、FCAと称す】は1月23日、仮想通貨投資を規制する指針に関する諮問書を公表した。[1]FCAでは今後、指針のフィードバックを経た後に、明確な仮想通貨規制策方針を打ち出し、効果的な個人投資家保護策を実施していく見通しだ。

フィードバック後の最終版となる指針においては、未だ歴史が浅く法整備が行き届いていない仮想通貨市場にてビジネスを営む企業に対する認可の必要性や、如何なる規則や規制を適用していくかも明らかとされる模様である。特に、どの仮想通貨資産が規制対象となるかが注目されており、規制対象業務に関する命令(Regulated Activities Order)【以下、RAOと称す】の特定された投資(Specified Investments)に該当するか、またはEU域内の金融・資本市場の包括的規制策である第二次金融商品市場指令(Markets in Financial Instruments Directive Ⅱ, MiFIDⅡ)の譲渡可能証券などの金融商品、もしくは決済サービス規則(Payment Services Regulation)や電子マネー規則(E-Money Regulation, EMRs)が適用されるか確認していく必要があろう。また指針においては、RAOの特定された投資に該当しない仮想通貨資産も網羅されることになるとのことだ。

この度の諮問書の公表に際し、FCAの戦略・競争部門にてエグゼクティブディレクターを務めるChristopher Woolard氏は、以下のようにコメントしている。

仮想通貨市場は小さい市場ながらも成長分野でもあり、金融市場に多くの課題をもたらすと考えられることから、我々としても産業界と投資家の皆様に対し、いかなる仮想通貨資産が規制され、または規制の枠組みから外れるのか明確にしたいと考えております。そして、投資家が自らの利益を守る保護策を理解することが非常に大切であり、我々も投資家保護策が適切に機能する市場を構築できるよう努めて参ります。

Christopher Woolard, Executive Director of FCA - FCAより引用

2018年10月末に、FCAと英国財務省が仮想通貨規制に関する共同レポートを公表した際、FCAに対し現行の規制枠組みにおける仮想通貨規制指針を発表するよう求めていた。またFCAとしても、仮想通貨の市場関係者に対し、FCAが講じる仮想通貨投資規制策をより明確にするため、この度の諮問書の公表に至った模様である。FCAでは、今後市場関係者より広くフィードバックを求め、1月23日から4月5日までを諮問期間として設けると共に、諮問期間終了後の2019年夏には、フィードバック及び最終版となる指針を公表する見通しである。

release date 2019.01.24

出典元:

ニュースコメント

FCAの仮想通貨規制は市場の成熟に繋がるか

FCAでは、現在流通している仮想通貨資産全般を「仮想通貨(Cryptoassets)」と定義しており、用途や流通様態などにより、エクスチェンジ(交換)トークン、セキュリティ(証券)トークン、ユーティリティトークンの3つに分類するとしている。仮想通貨としても馴染みが深いビットコインやライトコインなどは、エクスチェンジトークンに分類されることになる。FCAは、仮想通貨を細分類することで、仮想通貨ごとに適切な規制をかける意向のようだ。FCAは、かねてより仮想通貨分野における規制が充分ではないことを指摘していたが、当初予定していた通り規制の整備が順調に整いつつあるようだ。成長を続ける仮想通貨市場において、投資家保護を始め、資金洗浄やテロ資金供与等、仮想通貨を利用した不正行為などのリスク低減に向け、どのように法整備を進めていくべきかは各国にとって大きな課題であり、FCAをはじめとする規制当局には難しいかじ取りが求めれている。この度の諮問書のフィードバックが効果的に作用し、市場の成熟に向け適切な規制が敷かれることを願うばかりだ。


Date

作成日

2019.01.24

Update

最終更新

2022.01.27

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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