Select Language

金融庁がコインチェックを正式な交換業者として登録

金融庁がコインチェックを正式な交換業者として登録

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
金融庁がコインチェックを正式な交換業者として登録

update 2021.08.31 15:27

2度の業務改善命令と約1年の準備期間を経ての承認

今月11日、日本の金融庁(Japan Financial Services Agency, JFSA)は、これまでみなし業者として国内での事業を継続させていたコインチェック株式会社(本社:東京都渋谷区渋谷3-28-13 渋谷新南口ビル3F[1])【以下、コインチェックと称す】に対し、仮想通貨交換業のライセンスを付与したことを発表した。[2]

金融庁は、昨年1月にコインチェックがハッキング被害を受け、ネム(NEM)が不正流出した事件以来、同社への立入検査を実施しており、2度の業務改善命令を出している。これを受けてコインチェックは、経営体制の見直しやセキュリティの強化に力を入れるなど、事業の改善を計ることで正式な仮想通貨交換業者としての登録を目指してきた。また、昨年4月に国内大手の金融会社であるマネックスがコインチェックを買収したが、買収後もコインチェックがリーダーシップをとり本格的に仮想通貨取引所事業の再開に向けた活動が継続的に進められていた。

マネックスのCEOである松本大氏は、コインチェックの事業再開の目途ついて、当初は2ヶ月以内での実現を予測していたものの、金融庁のゴーサインがなかなか出ない状況が続いていたようだ。松本氏によると、昨年8月の決算時点で、コインチェックはいつでも再開できる状態であったが、結局、進展があったのは、営業停止から半年以上経過した10月末だったという。その後、コインチェックは、新規口座の開設を再開し、続く11月には、取り扱いのある全通貨での取引を許可している。

これまで、コインチェックの他に株式会社LastRoots、みんなのビットコイン株式会社といった取引所が、一時的な営業を許可されるみなし業者として活動を継続させている。これらのみなし業者は、金融庁の基準に沿うように運営体制やシステムを見直す猶予を与えられている立場にあり、正式な登録が済むまでは、新規顧客の獲得のための広報活動や仮想通貨のリスティングによる事業拡大を図ることは禁止されているという。金融庁は、このルールに関して、企業や利用者の認知度が低いことを問題に上げており、市場の安全性の面で現状に懸念を呈しているようだ。一方、今回晴れて全面的な活動が再開となるコインチェックは、金融庁のお墨付きを得たことで、今後は国内市場の開拓に大きく動き出すことが予測される。

今回のコインチェックに関する朗報を受けて、松本氏はマネックスが運営する仮想通貨メディアのインタビューで以下のようにコメントしている。

大変喜ばしい。ようやくスタートラインに立った感じです。グループとして、世界の仮想通貨マーケットの健全な発展に貢献していきたい。

松本大, CEO, マネックスグループ株式会社 - マネックス仮想通貨研究所より引用

コインチェックの事業の将来性に関して、松本氏は以前から、営業が再開できれば早い段階で黒字化できるとの見解を示している。マネックスによるコインチェックの買収は、無論、国内市場での勝算があっての判断だろうが、当時とは状況が激変してしまっただけに、復活までの道のりは険しいものになるかもしれない。しかしながら、今年の第1四半期までに、マネックスは米国仮想通貨市場へ進出することを昨年末に表明しており、仮想通貨関連事業の展開に本気であることは変わらないようだ。

release date 2019.01.14

出典元:

ニュースコメント

JVCEAへの登録で会員取引所の安全性向上に期待

金融庁に登録のある仮想通貨交換業者は、同時に正式な自主規制団体として指名されている日本仮想通貨交換業協会【以下、JVCEAと称す】への入会が義務付けられているという。また、最近、JVCEAは、対象となる会員をみなし業者にまで広げるために第二種会員の会員区分を設けたことを発表している。コインチェックは、今回の金融庁への登録に先駆けて、株式会社LastRoots、みんなのビットコイン株式会社、東証マザーズに上場するユナイテッドグループのコイネージ株式会社、LINEグループのブロックチェーン事業を担うLVC株式会社などと共に、JVCEAへの登録を済ませている。会員企業は、JVCEAが定めた自主規制を遵守する義務があり、現在検討されているレバレッジ制限の統一やシステムのセキュリティ設計、顧客資産の運用スキームに関して、将来的に影響される可能性がある。JVCEAは、金融庁を中心とした政府機関の対応が間に合わない部分での連携を求められており、市場の安全性を高めることが期待されているが、今後はコインチェックのようなハッキング被害を再発させないよう努めてもらいたいものだ。


Date

作成日

2019.01.14

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

もう国内銀行送金は使えない?法改正で海外FXトレーダーを直撃する3つの入出金リスク

資金決済法の一部改正により、海外FXユーザーの間で、当たり前のように利用されてきた国内銀行送金による入出金が使えなくなる可能性が浮上しています。法改正が海外FXに与えるリスクと現時点で考えられる対策を説明します。
update2025.07.01 19:00

海外FX利用で国内銀行口座の凍結が増加?法改正後の入出金リスクとは

SNS上で海外FXユーザーの銀行口座が凍結されたことが話題になっています。本記事では、SNSで話題の凍結報告の背景を説明するほか、海外FX業界に迫る「本当の入出金危機」と今後の備えについて解説します。
update2025.07.09 19:00

海外FX業者Exnessへの入出金で​​銀行口座が凍結されるケースが発生

海外FX業者のExness(エクスネス)で国内銀行送金による入出金を行ったことをきっかけに、銀行口座が凍結されるケースがSNS上で話題になっています。SNS上では銀行送金2によるものとの声が見受けられますが、凍結の原因は収納代行業者と想定されます。
update2025.05.09 19:00

海外FXに仮想通貨で入出金する方法は?規制強化で仮想通貨送金が最適解か

海外FXの入出金ルート封鎖が加速しており、SNS上では「銀行口座が凍結された」といった投稿も見られます。そんな中、注目を集めているのが仮想通貨での入出金です。この記事では、海外FXに仮想通貨で入出金する方法や、仮想通貨送金時の注意点などを解説します。
update2025.07.15 19:00

GMOコインからBybitに送金してみた!送金手数料や最低送金額なども解説

Myforex編集部では、GMOコインからBybit(バイビット)に仮想通貨を送金してみました。この記事では、実際に送金してみた経験などを交えながら、送金手順やおすすめの送金通貨、トラベルルールの対応状況などを紹介します。
update2025.06.10 20:00

SBI VCトレードからBybitに送金してみた!手数料や送金時間も解説

Myforex編集部では、国内取引所のSBI VCトレードからBybitに仮想通貨を送金してみました。本記事では、送金手順や手数料、送金時間などを紹介します。
update2025.06.11 19:30

海外FXに「兵糧攻め」、bitbank・エポスの利用規制で仮想通貨送金にさらに注目集まる

bitbankが利用規約を一部改定し、今後は海外FXへの直接送金が難しくなりました。エポスカードもFXの利用停止を発表したほか、国内銀行口座の凍結事例も増加しています。こうした背景から、海外FXユーザーは入出金経路の見直しが急務となっています。
update2025.07.04 19:00

スマホ用MT5でZigZagが使える!iOS版に平均足ほか新機能が複数追加

iOS版MT5に待望の新機能が複数追加されたことにより、平均足チャート、ZigZag、マーケットプロファイルの実装に加え、データウィンドウ強化や取引レポート機能など視認性と操作性が向上しました。アップデート内容とトレードスタイルごとの活用例などを紹介していきます。
update2025.07.09 19:30

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」を開催!入金&取引で豪華賞品をプレゼント

FXONが「Nintendo Switch 2 争奪キャンペーン」の開催を発表しました。本キャンペーンでは「Switch 2」のほか、豪華賞品が抽選でプレゼントされます。取引を重ねるごとに抽選権利がもらえる仕組みで、取引するほど当選確率がアップします。
update2025.07.16 19:00

Exnessでスワップフリーが突如剥奪されるバグ発生、対象者には補償予定

海外FX業者のExnessで突如スワップフリーが剥奪されたとするXの投稿が注目を集めています。Exnessはシステムのバグが原因と説明しており、スワップが発生したユーザーに対して補償する方針を示しています。
update2025.07.18 19:00
youtube youtube

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル