作成日
:2019.01.09
2021.08.31 15:27
モバイル向けビットコインウォレットであるSamourai Walletの開発チームは、Google Playストアの新しいポリシーの影響により、いくつかのセキュリティ機能の無効化を余儀なくされたことを今月7日に発表した。
公式の発表では、安全性向上のためにGoogle Playストアで導入された新ポリシーの影響を受けて、最近リリースされたSamourai Walletのバージョン0.99.04から「ステルスモード」「SIMスイッチ防御」「リモートSMSコマンド」と呼ばれる3つの機能が無効化されることが伝えられた。Samourai Walletは、Google Playストアに対して免除申請を行っており、これらの機能を無効化することのリスクを説明したが、Googleはその申請を退けている。これに対して、Samourai Walletの開発者は、Googleが同サービスのセキュリティに対する懸念を軽視していると批判しており、従わなければSamourai WalletのアプリケーションがGoogle Playストアから消去される可能性もあったと述べた。
今回無効化された3つのセキュリティ機能は、Samourai Walletが2015年にリリースされて以来、実装されてきたものだ。これらの機能は、初期設定ではオフになっており、オプション設定で利用できるようになっているが、他のウォレットサービスにはないSamourai Walletの重要な独自機能だったという。その中のひとつであるSIMスイッチ防御は、SIMカードが乗っ取られた際のアラート機能で、SIMカードが交換された際に信頼できる電話番号にSMSを送信することで不正な利用を防ぐのに有効である。別の機能として提供されているステルスモードは、ウォレットアプリケーションの存在を他者から隠すことによって、盗難などによる物理的な不正アクセスの対策として利用されている。リモートSMSコマンドは、スマートフォンなどの端末を紛失した際にウォレットを遠隔操作で消去する機能で、仮想通貨資産の不正な流出を防ぐことが可能だという。
Samourai Walletの開発チームは、これらの機能が再びGoogle Playストアによって実装が許可されることを懇願しており、同時に、直接ダウンロードやオープンソースのアプリケーションストアであるF-Droidなどの配信では、これらの機能を有効化することを予定しているようだ。F-Droidは、アンドロイド向けアプリケーションの人気マーケットプレイスで、Google Playストアのように厳しい制限はないという。しかしながら、インストールのプロセスが複雑であるなど、一般ユーザーへの汎用的な配信は難しいとされている。
Google Playストアでの機能の無効化は、Samourai Walletにとって死活問題になりかねないだけに、開発チームはポリシーに縛られない配信方法の開発に力を入れる方針のようだ。
release date 2019.1.9
昨今、仮想通貨取引の増加に伴い、仮想通貨を取り扱うウォレットサービスも増加している。先月も米国の大手仮想通貨取引所であるコインベースが仮想通貨の両替サービス開始を発表し、この両替サービスでモバイルアプリへも対応したことで、新たなユーザー層の取り込みを目指しているようだ。仮想通貨の利用には必要不可欠なウォレットサービスであるが、今ではモバイルでの利用を前提としたものが多く、iPhone向けのAppストアやアンドロイド向けのGoogle Playストアを通して主に提供されている。これらモバイルアプリケーションのマーケットプレイスを管理するいわゆるプラットフォーマーは、主要2社が支配的になっているのが現状で、自由な経済環境の実現を目指す仮想通貨の理念とは相反する構造が出来上がっているといえる。今回のSamourai Walletの件も、ポリシーの厳格化を図るプラットフォーマーとの理念的対立が生じていることの表れだろう。昨年10月、GoogleはChromeのアップデートを発表しており、各拡張機能へのアクセス制限をユーザーが設定できるようになっている。このアップデートにより、近年増加しているクリプトジャッキングやハッキングによる仮想通貨流出などへの対策が強化されているようだ。このようにユーザーの安全を守ることに力を入れていたGoogleだが、残念なことに昨年11月、Google Playストアで詐欺ウォレットと呼ばれる悪質なアプリケーションがアップロードされていることが報告されている。こうした状況であるがゆえ、Googleとしてもポリシーの見直しなどの対策が必要なのも仕方ない。Samourai Walletの主張も理解できるが、申請を退けてリスク回避に流れたGoogleにも正当性はあるといえるだろう。
作成日
:2019.01.09
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
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