Select Language

Google Playストアの新ポリシーにより仮想通貨ウォレットに制限

Google Playストアの新ポリシーにより仮想通貨ウォレットに制限

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS

  • X
  • facebook
  • LINE
  • RSS
update 2021.08.31 15:27
Google Playストアの新ポリシーにより仮想通貨ウォレットに制限

update 2021.08.31 15:27

3つのセキュリティ機能を無効化するように通告

モバイル向けビットコインウォレットであるSamourai Walletの開発チームは、Google Playストアの新しいポリシーの影響により、いくつかのセキュリティ機能の無効化を余儀なくされたことを今月7日に発表した。[1]

公式の発表では、安全性向上のためにGoogle Playストアで導入された新ポリシーの影響を受けて、最近リリースされたSamourai Walletのバージョン0.99.04から「ステルスモード」「SIMスイッチ防御」「リモートSMSコマンド」と呼ばれる3つの機能が無効化されることが伝えられた。Samourai Walletは、Google Playストアに対して免除申請を行っており、これらの機能を無効化することのリスクを説明したが、Googleはその申請を退けている。これに対して、Samourai Walletの開発者は、Googleが同サービスのセキュリティに対する懸念を軽視していると批判しており、従わなければSamourai WalletのアプリケーションがGoogle Playストアから消去される可能性もあったと述べた。

今回無効化された3つのセキュリティ機能は、Samourai Walletが2015年にリリースされて以来、実装されてきたものだ。これらの機能は、初期設定ではオフになっており、オプション設定で利用できるようになっているが、他のウォレットサービスにはないSamourai Walletの重要な独自機能だったという。その中のひとつであるSIMスイッチ防御は、SIMカードが乗っ取られた際のアラート機能で、SIMカードが交換された際に信頼できる電話番号にSMSを送信することで不正な利用を防ぐのに有効である。別の機能として提供されているステルスモードは、ウォレットアプリケーションの存在を他者から隠すことによって、盗難などによる物理的な不正アクセスの対策として利用されている。リモートSMSコマンドは、スマートフォンなどの端末を紛失した際にウォレットを遠隔操作で消去する機能で、仮想通貨資産の不正な流出を防ぐことが可能だという。

Samourai Walletの開発チームは、これらの機能が再びGoogle Playストアによって実装が許可されることを懇願しており、同時に、直接ダウンロードやオープンソースのアプリケーションストアであるF-Droidなどの配信では、これらの機能を有効化することを予定しているようだ。F-Droidは、アンドロイド向けアプリケーションの人気マーケットプレイスで、Google Playストアのように厳しい制限はないという。しかしながら、インストールのプロセスが複雑であるなど、一般ユーザーへの汎用的な配信は難しいとされている。

Google Playストアでの機能の無効化は、Samourai Walletにとって死活問題になりかねないだけに、開発チームはポリシーに縛られない配信方法の開発に力を入れる方針のようだ。

release date 2019.1.9

出典元:

ニュースコメント

仮想通貨開発者とプラットフォーマーの対立

昨今、仮想通貨取引の増加に伴い、仮想通貨を取り扱うウォレットサービスも増加している。先月も米国の大手仮想通貨取引所であるコインベースが仮想通貨の両替サービス開始を発表し、この両替サービスでモバイルアプリへも対応したことで、新たなユーザー層の取り込みを目指しているようだ。仮想通貨の利用には必要不可欠なウォレットサービスであるが、今ではモバイルでの利用を前提としたものが多く、iPhone向けのAppストアやアンドロイド向けのGoogle Playストアを通して主に提供されている。これらモバイルアプリケーションのマーケットプレイスを管理するいわゆるプラットフォーマーは、主要2社が支配的になっているのが現状で、自由な経済環境の実現を目指す仮想通貨の理念とは相反する構造が出来上がっているといえる。今回のSamourai Walletの件も、ポリシーの厳格化を図るプラットフォーマーとの理念的対立が生じていることの表れだろう。昨年10月、GoogleはChromeのアップデートを発表しており、各拡張機能へのアクセス制限をユーザーが設定できるようになっている。このアップデートにより、近年増加しているクリプトジャッキングやハッキングによる仮想通貨流出などへの対策が強化されているようだ。このようにユーザーの安全を守ることに力を入れていたGoogleだが、残念なことに昨年11月、Google Playストアで詐欺ウォレットと呼ばれる悪質なアプリケーションがアップロードされていることが報告されている。こうした状況であるがゆえ、Googleとしてもポリシーの見直しなどの対策が必要なのも仕方ない。Samourai Walletの主張も理解できるが、申請を退けてリスク回避に流れたGoogleにも正当性はあるといえるだろう。


Date

作成日

2019.01.09

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
投資のヒントになり得る国内外の最新動向をお届けします。

この記事は、お役に立ちましたか?

ご覧いただきありがとうございます。Myforexでは、記事に関するご意見・ご感想をお待ちしています。
また、海外FX・仮想通貨の経験が豊富なライター様も随時募集しております。

お問い合わせ先 [email protected]

貴重な意見をいただきありがとうございます。
貴重な意見をいただきありがとうございます。

関連記事

アクセスランキング

Vantage Tradingで出金遅延、担当者が語る原因と対応

Vantage Tradingで銀行出金に関する遅延が確認されています。出金申請後に着金まで時間を要するケースが報告されており、SNS上でも混乱が発生している状況です。原因としては入金額の急増や決済システム側の処理制限が影響しているものと見られます。
update2025.10.24 19:00

XMTradingの入出金で銀行口座凍結?海外FX禁止の銀行に注意

SNS上では「XMTradingの出金で銀行口座が凍結された」とする投稿が一部で見受けられます。銀行によっては海外FXとの取引を禁止しているため注意が必要です。本記事では凍結リスクが高い銀行や仮想通貨送金の注意点を説明します。
update2025.09.03 19:00

bitcastleは詐欺業者?口座開設ボーナスで出金拒否多数

SNS上ではbitcastleから「出金できない」「口座を凍結された」といった報告が相次いでいます。本記事では、bitcastleで報告されている出金トラブルを紹介するほか、bitcastleは詐欺業者なのかどうか説明します。
update2025.10.21 19:30

XMはゴールド(XAUUSD)のスプレッドも広い?ボーナス取引で実質お得

XMTradingのゴールド(XAUUSD)はスプレッドこそ狭くないものの、スワップフリー口座や豪華ボーナス、約定スピードの速さで十分に利用の検討余地があると言えます。当記事ではXMTradingでゴールド取引が向いている・向いていないトレーダーを他社と比較しながら解説していきます。
update2025.10.22 19:00

Peska(ペスカ)は本当に安全?評判は悪くないが入出金リスクに注意

PeskaはFX業者とのコラボキャンペーンなどをきっかけに、急速にユーザーを増やしているオンラインウォレットです。しかし、新興サービスのため利用すべきか迷うという人も少なくありません。この記事ではPeskaの安全性や評判、オンラインウォレット業界が抱えるリスクなどを説明します。
update2025.09.29 19:30

PayPayを使って海外FXとの入出金が可能に?Binance JapanとPayPayが提携を発表

Binance JapanとPayPayが業務提携を発表し、PayPayマネーを使った仮想通貨購入サービスの提供などが検討されています。本記事では、Binance JapanとPayPayの提携内容や、PayPayを使った海外FXとの入出金フローなどを解説します。
update2025.10.17 19:00

海外FXへの仮想通貨送金にはBybitがおすすめ!FXトレーダーに最適なBybitの使い方

海外FXの入出金によく使われる国内銀行送金が以前より使いにくくなっていることを受け、仮想通貨での入出金が注目を集めています。本記事では、仮想通貨送金をするならBybitがおすすめの理由や、海外FXユーザーに最適なBybitの使い方を紹介します。
update2025.08.29 20:00

SwiftTraderが資金難?SNSで出金トラブル報告が増加

2025年以降、SwiftTraderで出金拒否・遅延の報告がSNSで相次いでいます。本記事では報告されている出金トラブルのほか、GEMFOREXとの類似点やSwiftTraderをおすすめしない理由を説明します。
update2025.10.16 19:30

Exnessでシステムエラーによる入出金の不具合が発生?SNSでも報告が相次ぐ

2025年10月、海外FX業者Exnessで入出金エラーが発生し、SNSでも不具合報告が相次ぎました。銀行振込やbitwalletで送金できない事例が確認されており、復旧後も不安の声が続いています。
update2025.10.16 19:00

【本音で比較】海外FXのドル円スプレッドを3ヶ月徹底調査|数千円も業者によってお得に

Myforex編集部では、2024年11月20日〜2025年2月20日の3ヶ月間にわたり、海外FXのドル円スプレッドを1分ごとに独自調査。その結果、業者によって数千円以上のコスト差があることが分かりました。
update2025.08.01 19:00

免責事項:Disclaimerarw

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

Myforexでは、このウェブサイトの機能向上とお客様の利便性を高めるためにクッキー使用しています。本ウェブサイトでは、当社だけではなく、お客様のご利用状況を追跡する事を目的とした第三者(広告主・ログ解析業者等)によるクッキーも含まれる可能性があります。 クッキーポリシー

クッキー利用に同意する
share
シェアする
Line

Line

Facebook

Facebook

X

Twitter

キャンセル