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海外送金の主要な手段として利用が進む仮想通貨

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update 2021.08.31 15:27
海外送金の主要な手段として利用が進む仮想通貨

update 2021.08.31 15:27

調査では対象者の約15%が仮想通貨による海外送金を利用

仮想通貨プロジェクトを主導するclovrが実施した最新の調査によると、仮想通貨が有効な送金手段として海外送金に利用され始めていることが明らかになった。[1]

今回、米国で行われている海外送金についての実態を調べるため、男女707人のサンプルを対象にアンケートが実施された。それによると、全体の15.8%が、ブロックチェーンベースの仮想通貨を海外送金の手段として利用していると回答しており、銀行送金やオンライン送金サービス、送金事業者に次いで4番目に多いことがわかった。男女比で見ると、男性の方が女性よりも仮想通貨で海外送金を利用していると回答した割合が多く、全般的な傾向として特に若い男性の方が新しいテクノロジーに対して比較的強い興味を示していることが伺える。しかしながら、仮想通貨を利用した海外送金に関しては、男女ともに肯定的に捉えており、全体の85%がサービスに対して満足していると答えた。

世界銀行の統計では、2017年に米国から海外に送金された総額は、1,500億ドルにも達することがわかっており、その内、300億ドルがメキシコに向けたものだったという。これは、2位の中国への送金額のおよそ2倍の規模で、米国政府によるメキシコへの経済支援額が年間3億2,000万ドルであることを考慮すると、その規模の大きさが際立つ。その他、上位5カ国に目を向けると、インド、フィリピン、ベトナムとアジア太平洋の国々が占めており、欧州諸国では12位にドイツがランクインしている。送金先との関係を見てみると、75%以上が家族となっており、送金の目的は、41.4%が食品の購入、28.7%が日用品の購入、25.2%が家賃などの支払い、23.9%が医療費の支払いと、米国からの送金が生活を支える糧となっていることが見て取れる。[2]

銀行、送金事業者、郵便局、モバイル送金業者など、どの方法を選択しても、海外送金には通常手数料が発生するが、既存の海外送金手段の中では、モバイル送金業者を通した際のコストが最安で、その手数料は総額の平均3.2%となっている。対象的に銀行送金による手数料は平均10.41%で、最も手数料が高い送金手段であることがわかる。さらに銀行送金は、送金先の国によって15%の手数料が加算される場合もあり、利用者の大きな負担となっているようだ。今回、調査の対象となった人々は、平均で年間約5回の海外送金を利用しており、1回あたり114.90ドル、つまり年間600ドル近い手数料を支払っているという結果が出ている。

また、今回の調査では、半数以上がPayPalなどのオンラインサービスやWestern Unionなどの送金事業者によるサービスを利用して海外送金を行なっていることも明らかになった。オンラインサービスを利用していると答えた回答者の2%がそのサービスに不満を抱えているのに対して、送金事業者を利用する回答者の10%が不満と答えたのは、その手数料の高さが原因だろう。Western UnionやMoneyGramといった送金事業者が提供するサービスは、その認知の広さもあって高い利用率を保っているが、送金にかかるコストは決して安くない。例えば、アフリカ諸国への送金はSuper-Taxの対象となるため送金に重税がかけられることから、利用者にとっては巨額の損出となっており、他地域への送金に関しても、13%から20%の手数料がかかるようになっている。

仮想通貨は、低い手数料で迅速な海外送金を可能にすると認識されているが、まだまだ大衆にとっては利用に関し不安があるようだ。懸念点としては、仮想通貨を利用していないと回答した41.2%が、知識の無さをあげており、38.3%が、実態のない仮想通貨を商品の購入やサービスの支払いとして利用することに不安があると答えている。仮想通貨の知識に関しては、男性のおよそ3人に1人、女性においては2人に1人以上が仮想通貨に関して「まったく理解していない」か「少し理解がある」と回答しており、仮想通貨がまだまだ世に浸透していない実情が如実に表れている。ブロックチェーンに関しては、更にその理解度は低くなっており、仮想通貨利用拡大の大きな障壁となっていることがわかる。しかしながら、マイクロソフトやスターバックスなどの大企業も仮想通貨による支払いを認めており、状況は変わりつつあるという。ビットコインやその他の仮想通貨の発展は、どのように進んでいくかは定かではないが、今後のイノベーションによる広がりを期待したい。

release date 2018.12.25

出典元:

ニュースコメント

Facebookの試みが仮想通貨普及の試金石となるか

仮想通貨は、対応するウォレットを保有していれば誰でも利用できるという、システムとしては完成しているものの、これまで、ボラティリティの大きさや法定通貨との換金性、決済通貨としての普及など多くの課題を抱えていた。しかし、ここにきて、大手金融企業やテクノロジー企業が参入したことによって、インフラの整備が進みつつある。先日、自社メッセージアプリのWhatsAppを運営するFacebookが、WhatsAppで送金可能なステーブルコインの開発をインド市場向けに進めていることを発表した。WhatsAppは、モバイルアプリケーションという手軽さやメッセンジャーに付随する便利な送金機能、企業のブランドネームなど、普段仮想通貨を利用しない層にとっても訴求しやすいソリューションだけに、Facebookの試みはこれまでにない重要なものになることが考えられる。今後もこれに続く大手の参入が期待できるが、ユーザーは、一刻も早い仮想通貨送金の普及を望んでいるだろう。


Date

作成日

2018.12.25

Update

最終更新

2021.08.31

Zero(ゼロ)

米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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