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シカゴ・ボード・オプション、UBSとパートナーシップ契約を締結

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update 2021.08.31 15:27
シカゴ・ボード・オプション、UBSとパートナーシップ契約を締結

update 2021.08.31 15:27

機関投資家向けに信用供与を図る流動性供給チャネルを構築

世界最大のデリバティブ取引所であるシカゴ・ボード・オプション(Cboe Global Markets, Inc., 本社:400 S LaSalle St. Chicago, IL 60605, USA[1])【以下、CBOEと称す】が、スイス・チューリッヒを拠点とする世界有数の投資銀行であるUBS(本社:Bahnhofstr. 45, P. O. Box, CH-8098 Zurich[2])とパートナーシップ契約を締結した。

この度のパートナー契約を通じ、CBOEが提供する既存の流動性プール機能を強化し、UBSは信用仲介の中核的役割を担うことになる。そしてUBSでは、CBOEの子会社であるCboe FXと取引を行う機関投資家向けに、信用取引などをスムーズに行いやすくする信用力の供与を図るべく新たな流動性供給チャネルを構築する意向だ。

この信用仲介機能を有する流動性供給チャネルの提供先には、FXのホールセール(機関投資家などの法人)の中でも取引・決済を行う上で信用力が相対的に劣ることで、プライスマッチング業者へのアクセスが困難な中小の銀行やヘッジファンド、その他バイサイド機関投資家が念頭に置かれており、UBSが信用補完する形で取引を独占的に取り仕切ることとなる。また、これらの機関投資家は、直接的な信用力の裏付けがなくとも、UBSがFXのスポット仲介業者となることで、Cboe FXを利用するその他数多くのカウンターパーティと取引関係を構築することが可能となる模様である。

昨今、銀行業界では規制強化が進み、最低資本金の積み増しが課されている他、規制当局へのレポーティング費用も嵩んでいる。そのため、多くの銀行が高度なITインフラや売買執行、レンディング(貸株)、決済事務代行といった多岐にわたるサービスが求められ、自己資本比率の低下に繋がるバランスシート拡大を抑える観点から、プライムブローキング業務を敬遠する動きが散見されているのが現状だ。

そこでCBOEとUBSでは、FX分野のプライムブローカーへアクセスが難しかったり、追加のクレジットラインを必要とする顧客向けに、流動性供給や売買執行サービスを提供していく見込みである。CBOEとUBSは、これらのサービス提供を通じ、多くの金融機関がプライムブローカレッジサービスを手掛けなくなったことから、一部の中小機関投資家が抱く需要に対し的確に応えることで、即座に多くの顧客を獲得することに繋げられるであろう。

CBOEとUBSのパートナー契約締結に際し、CBOEマーケット部門の共同責任者を務めるBryan Harkins氏は、以下のようにコメントしている。

小規模で地方の金融機関の多くが、取引をスムーズに行う上での信用関係構築に苦慮していることを把握しております。我々はこれまで、FX市場に存在するこの課題を解決するサービス提供を開始したいと考えてきました。そこでこの度、UBSと協働し、我がグループのお客様に対しUBSの設定した上限までのクレジットラインを提供できるようになることを喜ばしく思っております。これにより、お客様に信用供与を図ることで、FX市場へ更なる流動性を供給していけると考えております。

Bryan Harkins, Co-Head of Markets of CBOE - Mondo Visioneより引用

CBOEの機関投資家向けFXスポット取引プラットフォームを利用する顧客の取引状況を確認すると、デイリーベースの平均取引高に関しては、2017年8月の348億ドルから2018年9月には357億ドルと2.6%増加した一方、月間の売買高全体で見ると、2018年8月が8,020億ドルに対し、2018年9月が7,150億ドルとなり11%減少する結果となっている。また年ベースで比較すると、2017年9月の6,950億ドルから3%増となっており、マチマチの結果になっていることが伺える。

プライムブローカレッジサービスを止めた多くの金融機関に代わり、CBOEとUBSが新たな流動性供給チャネルを構築することで、CBOEのFX取引プラットフォームを活用した取引が一層活発となるか今後の機関投資家による取引動向も注目されよう。

release date 2018.12.7

出典元:

ニュースコメント

今後のCBOEの動きに期待

CBOEは、アメリカ合衆国のイリノイ州シカゴにある世界有数の取引量を誇る株式オプション取引所である。非公認レベルで公平かつ整然と取引されていなかったオプション取引を一定の規制の下に行うことを目指し、1973年にシカゴ商品取引所(CBOT)によって設立され、その後2010年に独立し同取引所の親会社であるCboeホールディングズ(現:Cboe Global Markets)がNASDAQに上場された。昨年12月10日に、CBOEにてビットコイン先物が上場された際には、初の仮想通貨先物上場ということで大きな話題を生み、ウェブサイトにアクセスが殺到し取引が一時停止するほどだった。また、今年の8月の終わりには、CBOEがイーサリアムの先物取引の開始を検討していることが明らかになっているなど、仮想通貨先物の追加に積極的である。今回のパートナー契約によって、機関投資家への流動性供給や売買執行サービスの提供が可能となることで、今後のCBOEの成長に大いに期待できそうだ。


Date

作成日

2018.12.07

Update

最終更新

2021.08.31

プラナカンカン | Peranakankan

執筆家&投資家&翻訳家&資産運用アドバイザー

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プラナカンカン

国内及び外資系金融機関に15年弱勤務し、現在は独立。
執筆と翻訳は、海外FXを始めとする金融分野を専門とする。
慶應義塾大学卒。

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