作成日
:2018.12.04
2021.08.31 15:27
世界最大級の取引量を誇る仮想通貨取引所であるOKEX Technology Company Limited(本社:255 Gloucester Road, Causeway Bay Hong Kong
)【以下、OKExと称す】は、Perpetual Swapと呼ばれる新しいデリバティブ商品の提供を開始した。このデリバティブ商品は、損益が原資産の価格変動に左右される点で先物取引と同じ性質を持つが、それとは異なり満期日や決済日が存在しないという特徴を持っている。そのため、ユーザーは半永久的にポジションを保有することが可能となり、1日単位で利益を確定させることもできるという。OKExでは、Perpetual Swapの取引において、最大100倍までのレバレッジを設定することができ、高いリスクを取ることを好むトレーダーにとっては魅力的な商品となっている。トレーダーは、ロングまたはショートポジションを持つことでき、上げ相場と下げ相場どちらの局面でも利益を狙うことができるという。対象となる原資産はビットコイン(Bitcoin)で、各スワップ契約の額面価格は100ドルに設定されている。
OKExで金融市場部門責任者を務めるLennix Lai氏は、この新しいデリバティブ商品に以下のようにコメントしている
今回のことは、OKExにとって重要な試金石となったでしょう。Perpetual Swapのローンチで、ブロックチェーンと暗号技術を駆使して、より完璧に近い金融エコシステムを構築するという当社のコミットメントを示す結果になったと言えます。これで投資家やトレーダーは、それぞれの戦略により適した商品を選択することが可能となりました。
Lennix Lai, Financial Market Director at OKEx - Mediumより引用
また、Lai氏は、このデリバティブ商品の危険性についても言及しており、利用する場合は、リスクコントロールを心がけるよう促している。
OKExは、450銘柄以上の仮想通貨ペア、先物取引、スポット取引、信用取引などニーズを捉えた幅広いサービスと、直近で5億200万ドルを記録した膨大な日間取引量をセールスポイントとしており、Perpetual Swapの提供開始はそれをより強固なものにすると言えるだろう。
release date 2018.12.4
現在、日本市場では、仮想通貨取引のレバレッジ規制に焦点が当たっており、レバレッジ引き下げを義務化する方針で検討が進んでいる。金融庁研究会がおこなった調査では、2017年度の主要仮想通貨取引において、全体の約81%がレバレッジの掛かった取引であったことも明らかになっていることから、日本の規制当局も市場への懸念を募らせているようだ。正式な自主規制団体として認定された日本仮想通貨交換業協会の案では、レバレッジ上限を4倍に規制することが提案されている。DMMビットコインは、この考えにいち早く賛同して、自主規制を受け入れており、年末までには仮想通貨取引のレバレッジを5倍から4倍へ変更する予定だという。今回のOKExのPerpetual Swapは、これとは全く逆を行く発想で、市場のクラッシュに発展しかねないリスクを含んでいるとも考えられるが、効果的な投資商品となり得るのだろうか。今後の展開に注目したい。
作成日
:2018.12.04
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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