作成日
:2018.07.26
2021.08.31 15:22
日本国内の仮想通貨交換業界の自主規制を行う組織である日本仮想通貨交換業協会【以下、JVCEAと称す】が、仮想通貨の証拠金取引におけるレバレッジの上限を最大4倍とする自主規制ルールを定める予定であることが明らかとなった。JVCEAに所属する交換業者16社の同意を得られ次第決定する見通しとなっている。
レバレッジ取引では、その設定値により証拠金の数倍~数百倍の金額の取引が可能になるが、これまで仮想通貨取引ではレバレッジ設定は交換業者側で独自に設定することが可能だった。しかし、仮想通貨市場は価格変動が激しいため、JVCEAは投資家を保護する目的でレバレッジに上限を定めることを決定したようだ。
現時点によるビットコインなどの仮想通貨取引のレバレッジ上限は、各交換業者によりそれぞれ異なり、DMMグループが運営するDMM bitcoinでは最大レバレッジが5倍、ビットフライヤーでは15倍、一番高いコインエクスチェンジで25倍となっている。
JVCEAは、現在国内FX取引のレバレッジ上限が最大25倍となっていることから、仮想通貨取引のレバレッジ引き下げによる顧客離れを懸念し、交換業者独自のレバレッジを設定できる猶予期間を設け、1年以内に最大4倍への統一を目指すとしている。なお、交換業者が独自でレバレッジの設定を行った場合において、顧客の入金額を上回る損失が発生した際には、JVCEAへの報告が義務付けられる。そのほか、リスティング広告やインサイダー取引の規制を含むルールを制定し、日本金融庁(Japan Financial Services Agency,JFSA)へ認定申請を行う方針とのことだ。
仮想通貨取引は日本で非常に人気があり、最近の調査によると、350万人の市民が少なくとも1つの仮想通貨を保有していることが分かっている。この度の規制が日本の仮想通貨市場へ大きな影響を与える可能性は高く、今後の動向に注目していきたい。
release date 2018.7.26
作成日
:2018.07.26
最終更新
:2021.08.31
米大学で出会った金融学に夢中になり、最終的にMBAを取得。
大手総合電機メーカーで金融ソリューションの海外展開を担当し、業界に深く携わる。
金融ライターとして独立後は、暗号資産およびブロックチェーン、フィンテック、株式市場などに関する記事を中心に毎年500本以上執筆。
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